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10歳になる君へ

ほんとうに10年なんてあっという間だった。

君を妊娠して、出産して…

お母さんにしてくれたのは君だった。

君の笑顔に何度救われただろうか?

でも、苦しくて辛い日々もあった。

君のことを分かりたい、そう思えば思うほど苦しく

仕事に家事にあっという間に過ぎていく日々の中で

君との関係をうまく保てないことも多かった。

自分からこんな大きな声が出るのかとびっくりするほど怒鳴りつけたし

そんな自分がイヤでたくさん泣いた。

それでも、なんとか「君のために」変わりたいと思った。

最初は「君のために」と思ったのに

いつのまにか「君のおかげ」で世界が広がって

今ライフコーチをさせてもらっている。楽しいんだ。

いつも応援してくれてありがとう。

きみの「がんばって」に
何度支えられたか分からない。

そんな君に私が10歳の時に経験したことを残しておきたいと思う。

私は、一人っ子で
さらにめちゃくちゃに繊細だった。(今もだと思う。私が悲しいニュースを見て泣くの見慣れてるね)

あの頃の私は、学校か家庭しか世界が無くて、
とにかく怒られたりすることがイヤだった。

だから、お母さん(おばあちゃんのことだよ)の怒鳴り声がイヤで仕方がなかった。

平和でいるために、とにかくお母さんの言うことを聞いていればいい。

そんな風だったんだよ。

納得するまで絶対に意見を曲げない君とは
真逆の10歳だったんだ。

それで、いつまでもお母さんは強くて
私に指図してきて、
怒られるのは嫌だから
一生懸命言うこと聞いていればいいと思ってたんだ。

でもね、
私が10歳の時にお母さんは病気で入院してしまった。

「お前はしっかりものだから、大丈夫だよね。」

急にそう言われて、突き放されたようにしか思えなかったんだよ。

ただ、お母さんはそう言うしかなかったんだよね。

私は誰に助けを求めたらいいかも分からず、
辛いも悲しいも言うことは出来ず、
でもお母さんに笑って欲しくてそれまでどおりお母さんの言うことを聞いていたし、前よりもっと頑張った。

とっても強く見えていたお母さんが
弱々しくなっていく姿を見るのは

前よりも何も言ってくれなくなったことは

ほんとにこわくて。

小さな私には本当に辛い生活だった。

でもね。今、君を見ていて思うんだよ。

もっと辛い!悲しい!これは嫌だ!これは好きだ!これは楽しい!
もっとやりたい!

そう言ってよかったんじゃないかって。

言ったから何かが変わったわけじゃないかもしれない。

でも、私がお母さんのためにと言葉にすることをやめて頑張ってたことって
たぶんお母さんは気づいてたと思うんだ。

だったらさ、
「辛いよ〜!」って言って

「そんなこと言っても仕方がないでしょ!」

ってお母さんが感情を出せたほうが

何も変わらなくてもお互いすっきりしたのかもしれない。

辛い!嫌だ!は変えられなくても伝えていいんだと思う。

君が正直に辛い!嫌だ!と言葉に出来ることは素敵だなって思ってる。
もっと言葉をえらんでほしくて、たまには、嫌な気持ちになるけどね。

そして、楽しい!好き!に正直なところも尊敬してる。

君は工作が得意で
保育園でも
小学校でも
どの先生にも褒められたよ。
クラスのみんなも君の工作がすごいって知ってるよね。
それってすごいと思うんだ。

きっとこれから君は思春期に差し掛かって私のことを嫌いになる。(と、思う)

私はすごーーーい罵声を浴びせられる日もくるのかもしれない。

それはほんとは嫌だけど。

でもさ、君の楽しい!好きだ!を応援したいと思っているよ。

その分、私も今から楽しい!好き!をもっとたくさん見つけたいと思う。

君を産んだ時思ったんだ。

君が大人になるまで健康でいたいなって。
今のところ大丈夫そう。

君と笑い合っていられる時間がもっと長くなるようにこれからも元気でいたいとそう思うよ。

誕生日おめでとう。

幸せな10年をありがとう。

これからもよろしくね

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