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好きな練習メニュー①

少しモチベーションが下がり気味でしたが、ある友人から「好きなジャンルについて、考察してみると良いんじゃないかな」とアドバイスを頂いたので、今回は好きなジャンルについて気ままに書いてみようと思います。アドバイスには戦術的なものとかって言われてたのですが、好きなジャンルと考えた時に1番に浮かんだのが練習だったので今回は好きな練習メニューについて書きます。

好きなメニューと考えた時に最初に浮かんだのが3on4パスゲームでした。ルールは簡単で、スリーポイントエリア内で20秒のうちに何回パスできるかを競うというものです。ディフェンスがパスをカットしたりアウトオブバウンズになったら-1回かそこで終了のどちらかにします。個人的には最初の方は-1回で、ある程度できてきたらミスしたら即終了でいいかなと思っています。ドリブルは1回だけありにしています。このあたりは選手のレベルや目的によって調整すれば良いのではないかと思います。ディフェンスのルールは必ずボールマンにダブルチームにいくことです。図に表すとこんなイメージです。

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トップからウイングにパスが落ちた場合(左図→中央図)は迷うことなくダブルチームに行けそうですが、逆サイドにパスが飛んだ場合(中央図→右図)はx1, x2, x4の3人がダブルチームにいくパターンが考えられるので、ディフェンスには状況判断やコミュニケーションが求められます。

実際にやってみるとわかるのですが、オフェンスが素早くパスを回すことができればディフェンスをかなり崩すことができます。ディフェンスの方が多いのに1つルールを加えるだけでディフェンスの難易度を上げることができるのがこのメニューの面白さだと思っています。

このメニューを実施することでオフェンスはピボットやパスの出し方といったスキル、いつどこに移動すればボールをレシーブできるのかというタイミングやスペーシング、パスをスムーズにつなげるためのチームワークを学ぶことができます。
またディフェンスは先ほど述べた状況判断やコミュニケーションだけでなくボールマンに対するプレッシャーのかけ方やオフェンスの狙いを予測することを学ぶことができます。

何より私が気に入っているのはコーチが「ここではこう、次はこう」といった指示を出し続けなくとも、選手がコート内で工夫することで自然と上記の事柄を学ぶことができる可能性が高いということです。
かといってコーチが何もしなくて良いかというとそうではなく、レベルに応じてルールなどを調整することが重要です。例えば1on1でパスを出すことが難しい選手が1on2の状況を練習しても難易度が高すぎてモチベーションが低下してしまうでしょう。その場合は3on4ではなく3on3や4on3で行う方が良いと考えられます。
またパスがチェストパスばかりで上手く回っていないが選手がその状況に気付いていないのなら、片手でパスしたら1回のパスで2回分とカウントするといったルールを追加するという方法が考えられます。その方がただ「ワンハンドでパスしなさい。」と言うよりも効果的なのではないでしょうか。

ただできていない行動を指摘するだけでは観客と同じです。そうではなくコーチの仕事は選手にいまできていないことを気づかせ、次はできるように改善させることだと思います。そのためにどう工夫するかがコーチの面白さであり試される部分なのだと思います。このメニューはコーチがどう工夫するかで、練習効果や選手の雰囲気が大きく変わってくるという点でも私は気に入っています。

そしてゲーム形式で行うため選手が自然と全力で行いやすいということも気に入っている理由です。「夢中は努力に勝る」という言葉もありますが、コーチが発破をかけなくても選手が全力を尽くして取り組むことができれば、選手は必ず成長すると思います。しかしコーチの指示が多すぎたり結果を評価されすぎたりすると選手は夢中でなくなってしまうと思います。コーチが教えないといけないこともありますが、介入しすぎないことも重要です。そのバランスを見極めるのもコーチの難しさであり楽しさなのではないでしょうか。

以前あるセミナーで「コーチが」教えるのか、「選手が」学ぶのかという話がありました。このメニューは選手が学ぶためにコーチが環境を整えるということを理解する上でも良いメニューではないかと思います。興味を持っていただけましたらぜひ一度お試しいただければ幸いです。

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