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コーチングの基礎

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ルー・タイスのコーチング・プリンシプルに基づいたマインド(脳と心)の仕組みと上手な使い方について説明しています。各記事には1つのテーマの解説と、それに対応するワークが含まれていま… もっと読む
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#ヴィジュアリゼーション

【15】 無意識の自動的な処理とフリー・フロー

私たちは、日常生活の多くを無意識の判断(アティテュード)と無意識の行動(ハビット)という自動的なプロセスに任せています。 これらのマインドの機能のおかげで、私たちは多くの行動を無理なく、努力せずに行うことができています。 この無意識から生まれる無理のない自然な判断や行動を、フリー・フロー(free-flow)といいます。フリー・フローで行動しているときは、努力感はなく、自然に振る舞うことができます。 問題なのは、アティテュードもハビットも、情動記憶の影響を強く受けている

【28】 環境のコンフォート・ゾーン

前回の記事では、コンフォート・ゾーンの内側にいるときと外側にいるときの反応について考えました。 今回は、環境のコンフォート・ゾーン(environmental comfort zone)について考えていきます。 私たちのコンフォート・ゾーンは、自己イメージによって決められていることを以前の記事で紹介しました。 創造的無意識は「自己イメージ」と現実が一致するように働きますが、両者が一致していると判断される範囲をコンフォート・ゾーンと呼ぶからです。 自己イメージには、あらゆる

【32】 理想を実現する方法

ルー・タイスのコーチング全体に通底していることをお伝えします。 ルー・タイスの方法論は、ゴール設定と、「自分はそのゴールを実現できる人間だ」というエフィカシーをあげることに集約されます。 これは、設定したゴールを実現したときの自分自身の姿や、そのときの自分が見ているはずの世界への臨場感を高めていくということです。 私たちの創造的無意識は、無意識の中で臨場感の高い世界を維持しようとします。 もし、目の前の現状と、無意識が「真実」だと思っている世界が違うときは、現状を無意識が

【37】 ゼロを足す

現状の外に出るための方法としてルー・タイスが勧める方法の一つが、「ゼロを足す」ことです。 たとえば、いつものランチの値段が700円前後であれば、ゼロを一つ足して7000円のランチを食べることを考えます。 もしランチに7000円を使うとしたら、どんなお店でどんな料理を食べるでしょうか? 他にも服、趣味、年収など、それぞれの金額にゼロを一つ足したらどうなるでしょうか? 自分の生活がどのように変化するかを想像してみてください。 想像する際は、「一人称」「現在形」で想像します。

【38】 抽象度の高いゴールを設定する

ゴール設定における3つのルールのうちの1つとして、「ゴールは現状の外に設定する」というものがあります。 前回の記事では、現状の外にゴールを設定する方法として「ゼロを1つ足す」という方法を紹介しました。 今回は、より本質的に現状の外のゴールを設定する方法として、「抽象度の高いゴールを設定する」ことについて説明します。 抽象度(levels of abstraction)とは、もともと分析哲学の用語で、ある概念がどれくらい抽象的であるか、どれくらいの情報を潜在的に包摂している

【40】 ゴールはバランスよく設定する

数回にわたってゴール設定における3つのルールの中から「Want-toのゴールを設定すること」「ゴールは現状の外に設定すること」について見てきました。 今回は、3つ目のルールである「ゴールはバランスよく設定すること」について考えていきます。 私たちの多くは、子どもの頃から「目標を絞りなさい」「1つのことに集中しなさい」といったことをよく言われます。 その結果、自分が人生のなかで達成しようとする目標が「志望校に合格する」「いい会社に就職する」「組織のなかで結果を出す」といったこ

【44】 ゴールを設定し、意図的に秩序を壊す

私たちのマインドは、秩序を求め、維持しようとします。 マインドにとっての秩序とは、無意識にあるリアリティ、自己イメージと、実際の世界や自分の姿が一致していることです。 ゴールを設定していないときには、目の前の世界は無意識にあるリアリティと一致しており、秩序が維持されています。 現状の外にゴールを設定することは、マインドの中のイメージと目の前の世界との間に矛盾を生じさせ、マインドの秩序を意図的に壊すことを意味しています。 リアリティと目の前の世界が一致していなければ、認知的不