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できる!と思えない時は

絶対に下げてはいけないエフィカシー

エフィカシー。自分のゴールに対する達成能力の自己評価のことですが、コーチングではエフィカシーは絶対に下げてはいけないものとして捉えます。

なぜなら、ほとんど言葉の定義のままですが、エフィカシーが下がっているということは自分はゴールを達成できると思えていないということなので、どんなゴールを設定していたとしても、そんな中途半端なマインドの状態では到底達成できるはずがないからです。

ところで、エフィカシーが低い状態には2通りあると思います。エフィカシーは高かったのに何かをきっかけに低くなってしまった場合と、最初からエフィカシーが低い場合です。


エフィカシーが下がった時の対処法

ひとつ目の「エフィカシーは高かったのに、何かをきっかけに低くなってしまった場合」というのは、普段、よほど気をつけていないとコーチであっても陥ってしまいがちな状態です。

これまでたくさんの成功体験があって、自分の能力にもある程度自信があり毎日楽しく生きていたとしても、ある日突然、大きな荒波がやってくることがあります。例えば、大きなケガをしてしまったとか、長期で入院が必要な病気に罹ったとか、もしくは仕事に関連して、これまで上手くいっていた事業が外部環境の変化で大きく傾いてしまったなど、本人の意志では回避出来ない要因で歯車が狂い出すというのは珍しいことではなく、確率的に起こり得ることです。そして、なぜこんなことになってしまったのかという怒りや悲しみ、先行きに対する不安などのネガティブな情動に引っ張られて、エフィカシーが下がってしまうことがあります。

そんな時に高いエフィカシーを取り戻すには、どうすればいいでしょうか?

エフィカシーが一時的に下がっても、ゴールは保持されたままのはずです。エフィカシーが下がったから、すぐにゴールをあきらめてしまうのではなく、しばらくの間、悶々とネガティブな感情を抱えたまま、これからどうしようかと悩むわけです。

そこで、もし悲しいとか不安だとかいう情動をもう十分味わったので、そろそろ少し前向きに進んでいきたいという気持ちになって来たら、あらためてあなたのゴールについて考えてみましょう。心から達成したいと思ってゴールを設定した時のポジティブな気持ちを思い出し、未来にゴールが達成されるなら、今の自分はどんな風であるはずなのかを前頭前野をフルに使って具体化していくように思考していくと、自然とネガティブな情動は抑制されて、今度は逆にハッピーな気持ちが湧き上がって来るでしょう。

このように高いエフィカシーを取り戻すには、ゴール世界に臨場感を取り戻すようにマインドを働かせれば良いのです。

小さい時から低いエフィカシーのままの時は

二つ目の「最初からエフィカシーが低い場合」というのは、要するに生まれてからこれまでずっと現状の外側を目指す決意が出来るほどの高いエフィカシーを持ったことがないという場合です。平たく言うと、子どもの頃からずっと自尊心が低い、もしくは、自分は何か大きなことができるんだと思えなかったという場合です。

子どもの間は様々な経験を通して心と体を自由に操れるようになっていくのと同時に、生きていくのに必要なたくさんの知識を蓄えていきます。その過程では様々な失敗を繰り返しながら出来ることを増やしていきますが、失敗した時に周りの人(特に大人)がどのように接して来るかによって、子どもであるその時のエフィカシーだけでなく、未来のエフィカシーにも大きく影響します。

失敗しても
「あなたなら出来るよ。もう1回やってごらん。」
と言われるのと、

「ほら、また失敗した。あなたには無理!」
と言われるのとの違いです。

前者は、失敗=能力がない/価値がない、と考える人からの言葉。後者は、失敗=その人の能力とそれを現実化していく過程に生じる調整すべきギャップと捉える人からの言葉、と言えるかもしれません。

後者は何かに取り掛かる前に「私には出来る!」と思ったとしても、それをこの物理世界で実現または実行しようとすると、どうしても現実に合わせて調整が必要になるという捉え方です。行動する前にいくらシミュレーションしていても、やってみないと分からないことが多いので、プランと現実とのギャップが「失敗」という形で現れ、次に失敗の原因を探り修正していきながら最終的に成功に辿り着くという過程を経ると捉えているのです。

このように考えると、実は失敗は言葉の響きほどには悪いものではないようです。

それにもかかわらず、失敗する度にバカにされたり、能力を否定されたりしたら、どうでしょうか?まだ自分の潜在能力がどんなものであるのかよく分かっていない子どもの頃に能力を否定されたら、それを真に受けてしまって「自分には無理なんだ」と無限の可能性のある未来をあきらめてしまいます。

それが、エフィカシーの低い状態です。

本質的に潜在能力と、自分で思い込んでいる能力はほとんど関係ありません。それなら自分で勝手にエフィカシーを上げてしまえばいいのですが、子どもの頃に植え付けられたエフィカシーの低さは、それが自分の当たり前だと思っているので、なかなか上げていくのが難しいのです。

ずっとエフィカシーが低い人は、これまでも自分にはハードルが高いと感じるようなチャレンジングな課題を避けて来たのではないかと思います。そして、その自分で乗り越えたという自信を持てた経験の少なさが、エフィカシーを上げにくい原因になっています。

自分の中に、エフィカシーを上げられる材料がないなら、誰かのサポートを受けましょう。サポートといっても、自分よりもずっと高いエフィカシーを保った人と友達になるだけです。子どもでも大人でも、趣味やスポーツ、エンターテイメントなどで共通の興味の対象があれば、案外、気軽に仲良くなれる相手が見つかるものです。その中で、特にエフィカシーが高くて、いつも明るく前向きな人のそばで一緒に過ごすのです。そして、その友達と対等な良い関係が築けてくると不思議と相手の高いエフィカシーに影響されて、自分のエフィカシーも上がってきます。

高いエフィカシーは伝染する

これは、みなさんもきっと経験があることだと思います。

同じ学校のクラスや、スポーツのチーム、職場仲間にエフィカシーの高い人がいると、場が明るくなったり、みんなの活動が活発になったりするのはよくあることです。

スポーツのチームなら、その競技で勝つという共通のゴールがありますが、職場仲間の場合はそれぞれ担当も違えば、お金を稼ぐためだけに働いている人もいるので、職場のゴールを共有しているとは限りません。それでも、高いエフィカシーは周囲に影響します。

このように、目標やゴールが共通であっても、一人ひとりバラバラでも、高いエフィカシーは周りの人に影響するようです。

ですから、「私には出来る!」と思えない時には、元々エフィカシーが低い人も、色々あってエフィカシーが下がってしまった人も、高いエフィカシーの人の助けを借りて、いち早く本来以上のエフィカシーを取り戻して下さい。

目の前のゴールができるだけ早く達成できれば、また新しいワクワクするゴールへと向かって行けるのですから。


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それでは、たくさんの方々とオンラインでお会いできるのを楽しみにしております。

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