見出し画像

コンフォートゾーンを飛び出す前にすべきこと


コンフォートゾーンの外に出る!?

最近なぜか、コンフォートゾーンというコーチング用語をよく見聞きします。例えば、自分の殻を破りたいと思っているらしき人が「コンフォートゾーンの外へ出なきゃ!」と言っているのを聞いたりします。

でもそう聞くと、いつも私は「ただコンフォートゾーンの外に出ようとしても、すぐに元に戻ってしまうんだけどなぁ」と思ってしまいます。

コンフォートゾーンというのは、物理的・心理的に居心地のいい空間のことです。自分が慣れ親しんだ場所のことです。人は居心地の良いコンフォートゾーンに留まっていたいという力が常に働いているので、コンフォートゾーンの外に出てしまった瞬間に普通は強烈に元に戻りたくなって、実際に元に戻ってしまうのです。

コンフォートゾーンを維持しているもの

その元に戻ろうとする力を作り出しているのが、ホメオスタシスです。

ホメオスタシスとは恒常性維持機能といって、身体と心の状態を一定に保とうとする機能のことです。但し、ただ一定に保とうとするのではなく、人と外部環境の間でフィードバック関係を持ちながら一定の状態を保とうとします。

身体で言えば、一定のリズムで呼吸をしたり、心臓が死ぬまで休むことなく一定のリズムで動いていたり、夏でも冬でも気温に関係なく体温がほぼ一定に保たれていることなどがホメオスタシスの働きです。

心(マインド)についても、心理的に安心していられる状態を維持しようとホメオスタシスが働いています。

このように、身体にとっても心にとっても、安定した状態を維持するようにホメオスタシスが働いているのです。

そして、ホメオスタシスがフィードバック関係を持っている空間がコンフォートゾーンです。

だから、コンフォートゾーンの外に出たいのであれば、そのコンフォートゾーンとフィードバック関係を持っているホメオスタシスを何とかしなければなりません。何かホメオスタシスの働きに対する対抗措置を取る必要があるのです。

ところが、ホメオスタシスは人間が生きる上での基本的、かつ、重要な仕組みなので、その働きを抑え込んだり、働き方を変えたりすることはできません。そうではなく、上手にホメオスタシスの働きを利用するのです。

新しいコンフォートゾーンへ移行する

どういうことかと言うと、ホメオスタシスはコンフォートゾーンを維持しようと働いているのですから、今のコンフォートゾーンを出た先が、あなたにとって新しいコンフォートゾーンになっていればいいわけです。今の古いコンフォートゾーンの方が居心地が悪くなって、新しいコンフォートゾーンの方が居心地が良くなればいいわけです。

では、どうすれば今のコンフォートゾーンの外側が、新しいコンフォートゾーンになって、さらにそちらの方が居心地良くなるのでしょうか?

コンフォートゾーンは慣れ親しんだ空間のことなのですから、まずは慣れ親しむために新しいコンフォートゾーンがどんな空間なのか、情報が必要です。例えば、これから全く知らない街に旅行に行くのであれば、不安になるし緊張もするので、少しでもリラックスして安心できる場所を探そうと、あらかじめ観光ガイドブックやネットでどんな街なのかを調べるでしょう。具体的には、どんな気候で、観光名所はどこで、どんな食べ物があって、どんな飲食店で食べれて、ほかにどんなお店があって、交通機関はどうなっていて、治安はいいのかなどの情報を集めればいいわけです。そうやって、情報をある程度集めてくれば、他の街との類推で安心できる程度には訪ねる先の街の様子をイメージすることができます。そうやって、頭の中で街の空間イメージがあり、そのイメージに親しみが持てれば、未知との出会いを期待しつつも、もうそこはコンフォートゾーンになっています。

そのほかのシチュエーションでは、例えばこれまで働いて来た業界とは全く違う業界への転職を決めたり、海外へ移住したり、大きなビジネスを始めようと出資者候補の大富豪にビジネスプランをプレゼンしに行こうとしたり、あなたにとって大きなチャレンジの場面では、新しいコンフォートゾーンにあらかじめ馴染んでおくことが成功の秘訣です。

新旧のコンフォートゾーンは共存できるか?

さて、ここで疑問が出てきた人がいるかも知れないので、先にその疑問にお答えしておきます。

今の(古い)コンフォートゾーンもそこにいる時は居心地が良かったのだから、新しいコンフォートゾーンが出来ても、古い今までのコンフォートゾーンもそのまま置いておけばいいのではないか?と考える人がいるかも知れません。

でもこれは無理なのです。よく考えれば、すぐに理解できると思います。

毎月30万円で暮らしていた人が、毎月300万円で暮らせるようになったら、もう二度と月30万円の生活に戻りたくはありません。毎月使えるお金が10倍違えば、家庭で食べるもの、よく行くレストラン、乗っている車、普段付き合う人などはガラッと変わってしまうはずです。それに消費するものが変わってしまうだけではなく、食べる理由、車に乗る理由、人と会う理由も変わっているかも知れません。自分の生活を構成している各要素も違えば、要素が集まった全体の意味合いも大きく変わってしまうということです。

だから、新旧二つのコンフォートゾーンが同時に存在することはありません。その時、一つのコンフォートゾーンしか選択できないのです。

コンフォートゾーンを出るためにまずやるべきこと

ところで実は、新しいコンフォートゾーンに移行するために一番大事なことをまだお伝えしていませんでした。

それは、今のコンフォートゾーンを出て、新しいコンフォートゾーンへ行くには、現状の外側のゴール設定が必要だということです。

現状の外側にゴールがなければ、そもそも新しいコンフォートゾーンは作れません。なぜなら、新しいコンフォートゾーンを構築するための情報が認識できないからです。これは、RAS(網様体賦活系)の働きによるものですが、要するにゴールがなければ今のコンフォートゾーンの外側は見えず、必要な情報が手に入らないので、新しいコンフォートゾーンをリアルにイメージしていくことが出来ないのです。

だから、今のコンフォートゾーンを出たいなら、現状の外側のゴール設定が最初のステップになるということです。



お知らせ

苫米地式コーチングについて興味のある方は、ぜひ、メルマガに登録して下さい。

ゴールの設定や達成をサポートするメッセージやオープンなSNSの場ではお伝えしにくいことなどを週1回以上発信しています。

メルマガへの登録は、下のバナーからベネログHP内の「メルマガ購読の登録」ページへアクセスしてお申し込み下さい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?