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新しいコンフォートゾーンを定義する

私は普段からコーチングセッション以外にも、コーチングに興味のある人から質問や相談を受けることがあります。例えば、月2回、兵庫県神戸市の元町で『コーチとチャット!』と称してコーチの私とただ雑談する会というのをやっていて、その時に相談を受けますし、それ以外にもオンラインで個別相談会を開催することもあります。たまたま先日は東京で開催された苫米地英人博士の『1day超集中コーチング・ブートキャンプ』にゲストコーチとして参加して、40分ほど講演したうえに、会場内ブースで一般参加者の方々のコーチングに関する相談を受けていました。

コーチングに興味を持っている人は、何か自分が変わりたい、現状を変えていきたいと思っているから相談にくるわけです。どこを目指していけば良いのかがまだ分かっていない人がほとんどですし、何となくやりたいことがあると言っても本当に心からやりたいことなのかがはっきりしないという人もいます。さらに、心からやりたいことははっきりしているのだけれど、どうやってそこに辿り着いたらよいのか分からなかったり、その目標に到達するのに一般的に必要とされる時間をかけていられないので、時間を短縮する方法はないかと悩んでいたりします。

コーチングでは現状の外側にゴールを設定することがまず第一歩ですが、かといって、ゴールが決まらなければ先に進めないということではありません。ゴールがなかなか見つからないという人にただただゴールを探すように促すだけでは行き詰まってしまうので、実際には取り掛かれそうな所から様々な働きかけをしていきます。

その中で、まだ見つかっていないゴールを見つけるのに役に立つと思う方法があります。それは、新しいコンフォートゾーンを定義することです。

すでにゴールが見つかっていれば、未来にゴールを達成する自分だったら、いま、どういう自分であるべきで、どんなコンフォートゾーンが相応しいのかをイメージしてみましょう。

まだゴールがないなら、これから見つかるゴールを達成した未来には今よりもずっと成長しているはずなので、今の自分が想像できる、未来に目一杯成長した理想の自分と新しいコンフォートゾーンをイメージしてみましょう。

ただし、どちらの場合も、想像できた未来の自分はまだまだ現状の内側の可能性が高いので、常に現状の外側へ向かっていこうと定期的にチェックすることは忘れないでください。

そして、ここからが今日の本題です。

新しいコンフォートゾーンは、厳密に狭く定義してください。ぼやっとしていては、ダメなのです。

そもそも何のために新しいコンフォートゾーンを定義するのかと言えば、その新しいコンフォートゾーンに相応しい自分になって、ゴールに近づいて行くためです。自分自身が物理的にも心理的にも変化するために定義するわけです。

人は今いるコンフォートゾーンにホメオスタシス(恒常性維持機能)が働いています。要するに今の自分、今の環境、今の考え方などを維持するように、すなわち現状を維持するようにホメオスタシスが働いています。

ホメオスタシスは今あなたが臨場感を感じている空間に働くものなので、新しいコンフォートゾーンに移行するためには、新しいコンフォートゾーンの方が、現在のコンフォートゾーンよりも臨場感が高くなければダメなのです。

それが分かると、新しいコンフォートゾーンを厳密に狭く定義する意味がわかると思います。ぼやっとした定義では、臨場感が湧かないのです。

例えば、映画館で映画を観ている場面を想像してください。(ゲームに没頭している場面でもいいでしょう。)

アクション映画でも、ホラー映画でも何でも良いですが、ハラハラドキドキする映像、速さや激しさを表現した音や心情に合わせた音楽、そして迫力ある音の振動など、これでもかと観客のコンテンツに対する臨場感を上げるように工夫がされているでしょう。その一つひとつの映像や音響を映画制作に携わった人がデザインし、シナリオを書き、セットを組んで、役者が演技をし、映像と音声を撮り、あるいは合成し、編集して作品が出来上がっているわけです。あなたが映画を見ている映画館も臨場感を高めるために色々な工夫がされているはずです。それと同じように新しいコンフォートゾーンを設計して構築して欲しいのです。

結構、手間のかかる作業だと感じましたか?Have-toのマインドなら手間と感じるかもしれません。でも、自分がこうなりたい!と思うような心からワクワクする新しいコンフォートゾーンを描いて行くのなら、多分、寸暇を惜しんで情報を集め、想像力を駆使して工夫をしながらイメージしていけると思います。

そう考えると、やはりゴール無しに新しいコンフォートゾーンを定義するより、しっかり現状の外側のワクワクするゴールが見つかってからの方がイメージしやすいかもしれません。

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