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成長につながるコンフォートゾーンを定義する

まだ梅雨も明けていないのに、猛暑日が続いています。今年の夏は去年よりも暑くなりそうですが、体調を崩さないように何とか乗り切っていきたいものです。あと1ヶ月もすれば夏休みという人が多いと思います。それまで暑さに負けず、気持ちを奮い立たせて頑張りましょう。


数値化が基本の目標

ところで、もう一年の半分が過ぎました。みなさんは、前半6ヶ月間をどのように過ごされたでしょうか?年初に何か目標を立てたという人は、進捗具合はどうだったでしょうか?

目標というのはコーチングで言うところのゴールとは違って、それを達成した時の状態が明確になっているものが好まれます。

例えば、前年の売上が1億円の会社で前年比で10%伸ばすという目標なら、達成すれば売上1.1億円です。そして、目標達成のために期末までの1年間、訪問回数を増やしたり、販売単価を上げたり、新規顧客を開拓したりと様々な具体的な施策を打って活動していきます。

同じように、「離職率を下げる」という目標なら数値目標にしやすいですし、「顧客満足度を上げる」なら、アンケートなどを工夫すれば数値化できるでしょう。

このようにビジネスの現場では、目標の数値化にこだわりますし、逆に数値化できないなら、そもそも運用上、目標になりません。なぜなら、目標を数値化できないと活動後の成果を測れないからです。

あいまいなゴール

一方、コーチングで扱うゴールというのは、数値化できるようなはっきりしたものではありません。ゴールは現状の外側にあるので、ゴール設定前の自分にとっては関心の外であり重要度が低いので、スコトマに隠れた見えていないところにあります。ゴール設定すれば、すぐに見えるようになるわけではなく、最初はぼんやりしていて、進んでいくうちに徐々にゴールに関するものが見えてくるのです。

コンフォートゾーンを定義する

ゴール設定した時点で何とか想像できるのは、ゴールを達成した時のコンフォートゾーンです。このコンフォートゾーンには、その中心にいる自分の自己イメージを含んでいると考えていいでしょう。

コンフォートゾーンですから、住んでいる家、働いている場所、乗っている車、通勤手段、身につけている服や時計、仕事用のかばん、行きつけのカフェ、趣味で楽しんでいること、よく見るWebサイトやアプリ、ビジネスで付き合いのある相手、取引額、よく行くレストランなど多岐にわたります。あまりにたくさんの要素が含まれるので、実際にゴール達成した時のコンフォートゾーンにおいては多くの部分で違っているかも知れませんが、それで構いません。

もし未来をイメージするのが難しければ、未来にゴール達成している自分なら、今現在、こういう自分やコンフォートゾーンになっていないとおかしいというイメージで代用することができます。

いずれにせよ、ゴールに近づいて行くために、これまでの自分では出来なかった日々の判断や行動が出来るように変わるためには、ゴールにきちんと紐付いた新しいコンフォートゾーンの定義が必要です。

この「コンフォートゾーンの定義」は、ビジネスで用いられる目標に似ています。コンフォートゾーンの場合は、必ずしも数値化される必要はありませんが、具体的に細部まで表現出来ていないとそのコンフォートゾーンがどういう空間なのかを鮮明にイメージすることができません。

コーチングでゴールは設定出来ているのに何も変化がない時には、コンフォートゾーンがあいまいになっているのかも知れません。

定義が甘くなる理由

しっかり定義出来ていない理由は、いくつかあります。

ひとつには、ゴールは設定してみたものの、それは自分自身から出てきたゴールではなく、他人から与えられたゴールだったというケース。要するに、心の奥底では自分のゴールだと納得していない場合です。そうすると、無意識には抗えず、最初から興味を持って積極的にゴールに向かって動いていこうという動機も薄いので、ゴールに関する情報も知識も増えず、コンフォートゾーンを明確に定義するための十分な素材が足りません。

もうひとつは、コンフォートゾーンはうっすら見えるのだけれど、その中に今の自分にとって苦手とする領域が含まれていて、無意識に避けてしまっているケースです。ただ無意識に嫌なことを避けるだけではなく、代わりに取り組みやすい別なところに注意が向いたりします。一人で勝手にやってくれればいいのですが、他人を巻き込むことで当座の不安を解消しようとしたりするので、巻き込まれた人は迷惑を蒙ります。

これは言い方を変えると、自分の内側を変えずに、他人という外部世界に何か仕事をさせることで状況に変化を起こそうとしていると言えます。結果は最初から分かっていて、自分は何も変わっていないので、実のある変化を起こせません。ところが本人は、短期的にはいわゆる「やった感」が得られるので、「やれることはやっているのにゴールに近づけない」という悩みが出てきます。

そうならないためにも、設定したゴールが本当に心から達成したいと思うことなのか、そして、ゴールを設定したら闇雲に思いつきで行動を開始するのではなく、まず新しいコンフォートゾーンがあらゆる方面でしっかり定義できているかを吟味してください。

試しに定義してみる

ここで具体的な例を出して、コンフォートゾーンをさわりだけ描いてみましょう。

あなたは、これから情報セキュリティー会社を立ち上げようとしている起業家だとします。あなたは10年後に世界市場をリードする会社にして、世界中の企業や民間人が情報空間で安全に活動できるようにする、というゴールを設定しました。さて、あなたの新しいコンフォートゾーンはどのようなものになるでしょうか?

ゴールを設定した時点では手元にあるリソースをもとに想像するしかありません。たとえば、グローバルに24時間体制でセキュリティーを守ることができる強固なシステムを開発し、そのシステムを開発・製造・販売するグローバルなオペレーションを支えるファイナンスチームや人事制度、そして会社全体を動かすマネジメント体系を整備して、それらを適切に運営する優秀な人材と一緒に働いているでしょう。どんな取引先と仕事をしているのか、オフィスの中はどんな様子かといった職場に関するイメージに留まらず、プライベートの時間の過ごし方もイメージしていきます。もちろん、そのコンフォートゾーンで自分がどのように振る舞っているのかという自己イメージも重要です。このように、今の自分からは全くかけ離れているかも知らないけれど、手元にあるリソースに縛られず、想像力を駆使してコンフォートゾーンを定義して行くのです。

最初は想像できるイメージが断片的かも知れません。けれども、心配しなくてもゴールがあれば、スコトマが外れ必要な情報は後からどんどん目に入ってくるので、その都度精緻に更新していけばいいのです。

こうしてある程度コンフォートゾーンがしっかりと定義できて、そこに没入して十分な臨場感を感じられれば、あとは無意識が今の自分とのギャップを認識して強い違和感を感じます(認知的不協和)。そして、そのギャップを解消しようと無意識が動き始めた結果、自然とゴール達成へと向かって行けるのです。



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