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果物の名前がついた会社に勤めています。 本職はコピーライターなのですが、 年齢のせいか…

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果物の名前がついた会社に勤めています。 本職はコピーライターなのですが、 年齢のせいか、最近はディレクション&アカウント業が増えてきました。

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実家の冷蔵庫を開けたときの話

誰かが言っていた。 「実家に帰って炊飯器のサイズが小さくなっているのを見たときに、両親の老いを感じた」と。 私も似たような思いを抱いたことがある。 連絡も入れず、ふいに帰省したときのこと。あいにく父親も母親も不在で。飲み物を探すために冷蔵庫を開けると、中にはほとんど食品が入っていなかった。誰もいない実家の、電気の消えた台所。冷蔵庫の庫内灯が強烈に眩しくて。その中で感じた、あのなんともいえない寂しさを今でも忘れることができない。 私が実家暮らしをしていた頃は、ジュースやら、ジャ

    • 【今日の短歌_009】 一枚の暦をめくれば風の夜に季節が抜ける梅雨の6の字

      • 【今日の短歌_008】 吹き笑い日焼けた顔にマスク跡 汗拭く君の夏はすぐそこ

        • 【今日の短歌_007】 知らぬ間に赤いポンチョを脱ぎ捨てた梅の実うぶ毛ふわふわ光る

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          【今日の短歌_006】 窓ガラス流れる雫追う君の瞳越しに雨を見ている

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          【今日の短歌_005】 靴ずれの赤い血連れた絆創膏 靴下の中迷子になって

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          【今日の短歌_004】 十六夜を眺める二人の腕と腕やわくふれ合う狭いベランダ

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          【今日の短歌_003】 想像とちょっと違う まぁいいか 初めてパーマあなたはだぁれ

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          【今日の短歌_002】 居眠ったあなたのつむじ見ていると幸せの渦うふふと回る

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          【今日の短歌_001】 踏む花と踏まぬ花との境界線どこにあるのとカタバミの群れ

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          さよなら、叔父さん

          叔父が死んだ。 昨日がお通夜で今日が葬儀。故郷から連絡を受けるも、忙しいの真っ盛りで帰省できずだ。カツカツの人数でやりくりしている弱小企業では、急にぜんぶの仕事を他人に預けて2~3日休むことが憚られる。そういえば本家の伯母が死んだときも、忙しいの理由で帰省せずだった。 いや、仕事は言い訳かもしれない。故郷を離れてから、暇でもめったなことで帰省しない私だ。郷土や家族・親族への愛が薄いのか、ノスタルジー的なものが琴線にふれない人間なのか、はたまた単に面倒くさがりやなのか…。

          さよなら、叔父さん

          家電量販店で掃除機を買ったときの話

          15年以上使い続けているキャニスター型の掃除機が、そろそろ寿命を迎えようとしていた。ダストケースの留め部分がパカパカと緩くなっていたり、コードリールが頻繁におバカになったり。そのうえ強運転モードに切り替えても、吸引力は驚きの並以下レベル。運転音だけはしっかりと「めちゃくちゃ吸い込んでますけどっ!」感を出してくるのに。その頑張りが愛しくもあるけれど、使うごとに感じるストレスが愛着を超えていく。掃除機の耐用年数も限界なら、私のイライラも限界。で、ついにお別れすることを決めて、憧れ

          家電量販店で掃除機を買ったときの話

          終わるのか、読書スランプ

          その瞬間は突然にやってくる。 帰路ではスラスラと読めていた小説が、翌日の通勤電車ではまったく内容が入ってこない。同じ本なのに、なぜだ…。小説に書かれた一文字一文字をしっかりと目で捉えているのに、目から脳へ、または脳から心へと伝わる何かが遮断されている感じ。文節の内容を理解するのも四苦八苦する始末だ。これを「読書スランプ」という。こうなったら無理をして本を読まない。治療には、日にち薬が最適だ。 今回の読書スランプは約3か月ほど続いていた。そんな中、4月下旬頃からジワジワと感じ

          終わるのか、読書スランプ

          明日の思い出

          ポケットからスマホを取り出して、Facebookを開いてみる。画面右下のハンバーガーメニューから[思い出]をタップ。そこには、過去の私の“今日”がある。 4年前の今日は、出雲にいた。断崖絶壁が続く日御碕(ひのみさき)で、火曜サスペンス劇場のエンディング曲『聖母たちのララバイ』を口ずさんだ。あのドラマは概ねこんな場所でクライマックスを迎えて、犯人が観念し、人質が開放される。 7年前の今日は、津和野にいた。掘割の水路を泳ぐ鯉を見ながら、映画『男はつらいよ〜寅次郎恋やつれ〜

          明日の思い出

          金曜日のモヤモヤ

          帰宅途中のバスの中、私は本を読んでいた。降車ボタンの軽やかな音がして、やがてバスが停まる。一人の乗客が、私の左側を抜けて下車する気配がした。するとすぐに、「あれっ、どっかいった!カードがないっ!ないっ!」と大きな声が。視線を上げると、おばあちゃんがバスの降車口付近でウロウロ。どうやらバスを降りた拍子に、手にしていたバスカードを落としてしまったらしい。「いや~、ないわ。どうしょう、どうしょう…」。 車内の誰も動かずの数秒。「よし、私がお助けせねば」と、荷物を座席に置いておばあ

          金曜日のモヤモヤ

          重くなる通勤バッグ

          衰える体力とは裏腹に、なぜだか年々増え続けていた通勤バッグの中身です。バッグを手に持っても、肩に下げても、立ちっぱなしの通勤電車では痺れが出そうでした。 そこで3年ほど前から、化粧ポーチを持ち歩くのをやめました。もともとファンデーションも口紅も使わない派ですし、会社で化粧直しをした記憶がありませんでしたから。まぁ念のため、アイブロウペンシルとリップクリームは会社に置いておくようにしています。次にマイボトルをやめました。その代わりに、保温保冷機能付きの大きなタンブラーを買って

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