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上司のトリセツ#1

■上司が真に必要としているアウトプットを把握しよう。

上司からの仕事の依頼がある場合,基本的に業務完遂に必要な事項が完全網羅されていることはありません。

したがって,受けた業務に手を付ける前に,まず上司が真に必要としているアウトプットが何かをあらかじめ把握する必要があります。



締め切りやゴールの共有といった具体な事項は,業務を進めるうえで紆余曲折,右往左往を経て自ずと共有がすすみますが,とりわけ根幹の齟齬は,回り道やすれ違いが生じる大きな要因になります。

根幹の齟齬とは,すなわち依頼者が真に必要としているアウトプットのカタチそのものに生じる受託者との理解の齟齬を指しています。


依頼者は,端的にアウトプットを示すことが多く,その一方でその示したアウトプットを真に欲しているかどうか,依頼者自身も実はわからないことに問題はあるのですが,そもそも依頼した上司とて業務の根幹を常に正しく理解しているとは限らず,たとえばみなさんが会議の資料を作成するよう依頼されたとして,言われた通りに作った資料が実際には会議場では役に立たず,上司にとって最善のものでなかったなんてことはみなさんの経験上もあるのではないでしょうか。



例をあげましょう。

今月の売り上げを3支店別にグラフ化してくれ。

と言われて資料を作成しても,その資料を何に使うのかがわからなければ上司の意図に沿っているかわかりません。上司が欲しいと言った資料なのだから,何に使うかは上司が知っていればいい!部下としては言われたことをそのまま実行するのみだ!なんてことはありません。


実のところ売り上げをグラフ化するよりも,他のアプローチで示した資料の方が,上司が真にやりたいことを達成するために最短距離のものができるかもしれないのです。


このような事態を招かないためにも,部下は上司の依頼に対して,その目的を常に聞く必要があります。

業務の根幹は「目的」にあります。
これが真に必要なアウトプットそのものと言えるでしょう。


先の例で言えば,なんのための資料か,をその場で聞き返す必要があります。締め切りや,体裁は都度きいても手間や無駄にはなりますが,的が外れることはありません。他方で,目的のすれ違いは結果に非常に大きな影響を与えます。


上司から業務を依頼されたとき,次のような質問をしてみてください。
きっと,上司も意識していなかった仕事の根幹に触れることができます。そこで初めて,その仕事の意味に気が付くことも少なくありません。

「それは何のためのものですか?」
「何を目的としていますか?」
「それを使ってどのようなことを達成したいのですか?」





東京駅はこっちですか?

という質問にyesというのはたやすいでしょう。
しかし一方で,そのひとが真に東京駅に行きたいかどうかはわかりません。

実は東京駅名物のバナナケーキが欲しいのだけれど,そのバナナケーキは東京駅でしか売っていないと勘違いしていて,東京駅の場所をたずねているかもしれません。

あなたはそのバナナケーキが,すぐ目の前のお土産店で売っているのを知っているのだとすれば,そのやりとりは大きな損失を生んでいると言ってよいのではないでしょうか。


だとすれば,東京駅はこっちですか?という質問に対してもっとも適当なのは「東京駅に行きたいのですか?」とか「新幹線に乗るのでしょうか?」といったような少し的を外した質問で,真の目的を探ることが最善となるかもしれません。




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