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未経験の僕が仕事を辞めて学習塾を開校する話その29―垂直方向の成長

うちの塾に来て1年。
順調に学年順位を伸ばしてきている生徒がいるのですが,先回の定期テストで学年で2番になってしまったので,今回の試験では数字的な効果がおそらく見えづらいだろうなぁと思っています。

一方で,彼女は先回の定期テスト以降,「定期テストを特段のターゲットにせずに,常日頃から中学生の学習範囲全体を計画的にすすめる」ことを念頭において毎日の学習を行っていることから,テスト週間も特にギアをめちゃくちゃ上げることもなく淡々と学習を続けています。

これは僕と彼女が目指していた学習法で,正直言ってこれまでの学習状況よりもダントツで今回の仕上がりは良いと感じているところでもあります。


したがって今回の定期テストの結果は,数字には見えにくいかもしれないけれど,バツグンに状態は良いというねじれが起きる,あるいはすでに起きているため,どういうふうに彼女はその結果を受け止めるかなと若干心配もしております。


ところが昨日彼女は,それについて「順位とか点数には表れないかもしれないけれど,十分にやれている(学習できている)自信があるから,このことで自分を褒めてやってもいいよね?」と僕に言うのです。


あいや,そのとおり!

と僕はそのとき膝をおもわず打ちました。その理解ができていれば大丈夫だなと思ったのです。


中学校の学習内容を網羅し,知識を増やしていく行為を水平方向の成長とみるならば,彼女が得意としているのは圧倒的に垂直方向の成長です。

垂直方向の成長とはつまり,視座を高め,視野を拡げる成長のことです。物事をこれまでよりも一段深く視ることができ,思考の範囲を立体的に拡げていくことができるようになりました。

これに至るには,
1.目的が明確になっていること
2.当面のも苦表が明確になっていること
3.趣味や遊びもしっかりやること
4.物事を俯瞰してみるクセをつけること
5.まず内側からチェックしてみること

など,大切なことがたくさんありますが,こういう地道なことを彼女は少しずつ積み重ねてきました。だからこその今があります。

もちろん計画は完璧ではありません。
毎日やろうと決めても,気が抜けたり,もっと楽しいことがあれば,つい気持ちが緩んでしまったり,魔が差してしまうことは普通にあります。

その場合は,またイチから再スタートするだけのことです。

できなかったことから得られることを得てしまえば,いつまでもそれにこだわる必要はありません。失敗したならまたやり直すだけです。そのうち習慣化してくればがんばらなくても出来るようになります。


このような考え方になるよう,何度も打ち合わせを重ね,何度も対話を重ねてきました。


根気は必要ですが,ひとつひとつ物事を深く考えるような時間をつくることでそれまでなんてことなくスルーしていた事象を,思考を挟んで受け止めるようになってきます。

プログラム化された行動を見直すことができるようになるという意味です。


ケアレスミスが起きたとき,何も考えることなく,「本当はできるんだけど,ついうっかり」レベルの理解しかできなかったのを,ケアレスミスが起きた原因をしっかり考える時間を設けること(を繰り返す)で,「ケアレスミスにも起きやすいタイミングとそうでないタイミングがある」ことに気が付いたり,どのような問題形式のときにケアレスミスが頻出するのかに着目できたりするのです。

そうすれば自ずと,ケアレスミスがおきにくいような対応方法が見えてきます。精度があがっていくのです。


ケアレスミスを侮っている限りこのような思考にはなりません。


こういった思考することなく結果を得る事柄に意識を向けることで,より高いレベルに身を置くことができます。そうすると今度はそのレベルの習慣が当たり前になり,意識することなくそのレベルを維持できるようにもなるのです。

知識を増やすだけでなく,より立体的に,垂直方向への成長を促せるような関わりが僕にとっては重要だと考えています。


その30未経験の僕が相談にのる意義



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