学習塾の選び方
指導力という観点から,学習塾の選び方を考えちゃいましょう。
学習塾を開いて,子どもたちと話をすればするほど,学習塾というのは子どもたちの学力を飛躍的に伸ばすシステムではないなと思っています。
問題の解き方を訓練するための施設と考えれば,大手予備校系,受験対策塾の在り方はハッキリしていて実にすがすがしいですし,これまでも,これからも(少なくとも向こう20年ぐらいは)存在感を失うことはないでしょう。
そして,それこそが学習塾の在り方として正しいのだとあえて言いましょう。
なんでかというと
いや,結局のところ学力って「テストの点数」と「どの学校に合格したか」で測られてしまうのが現状だからです。
少なくとも向こう20年はそうでしょう。
学歴偏重の仕組みというのは実に巧妙です。
高学歴のひとが,すなわちどのような分野においても「優れた人材である」とは言えないことはたぶん間違いないです。その価値基準が様々である以上,優秀ってなんだかわかんないからです。
一方で,その優秀さとは何だろうか?を決めるシステムを創る側に,ある層のひとたちがたくさんいると考えるとき,その層のひとたちの仲間は,優遇されるのがあたりまえです。
自分に近しいひとと,そうでない見知らぬひとなら,近い存在のひとを優遇したいとか,助けたいとか,チカラになりたいと思う気持ちは自然だからです。
そうすると,その層は自然に厚くなっていきます。
近いひとたちがどんどん集まります。
そしてそのひとたちが,また自分たちに有利なシステムを強固にしていくのです。
こうして派閥のようなものができます。
こうやって書くと,あたかもこのひとたちが悪いことをしていたり,悪巧みをしてこんな仕組みを作っていると思うかも知れませんが,そういうことではありません。たとえば自分と同じ出身地や出身高校,あるいは出身大学のひとに親近感を抱いたりすることは誰にだってあることです。
目の前に知らないひとがたくさんいて,その中で親近感を持つ要素をもったひとがひとりいたら,無意識にこのひとに情はのるのです。
善意でもって,仲間意識は大きくなって,やがて派閥になり,コミュニティになり,場合によっては排他的になったり,自分たちだけの特権意識をもったりするのです。
行きつけの飲み屋とか,トレーニングジムとかの常連さんと,一見さんとの取り扱いの違いみたいなものです。
コミュニティの外と中を差別してはいけないと思っていても,実際にはそういうことはたくさんあります。そういう現場に居合わせたときに居心地の良さと悪さは誰しも体験したことがあるのではないでしょうか。
そうしてできた派閥。
派閥の論理が,システムの根っこをつかんでいる派閥に有利に働くのはこれもまた自明です。
ゆえに高学歴派閥は,自分たちのコミュニティが自然と力を持つように行動しますし,同時に,そのコミュニティに入りたいと思う人と,そのようなコミュニティに入ることが人生において有利であると考える人は,増えていくのです。
したがって結論。
学習塾の在り方として,実績とは「テストの点数」であり「学校への合格」であるというのは正しい在り方だと思っています。
なので,その学力を求めているひとは,迷うことなく大手予備校系へ行って「合格のためのノウハウ」を享受されるのが良い判断かなと思います。
僕が学習塾は学力を飛躍的に伸ばすシステムではないなと思うのはそういうことです。問題の解き方を訓練するところと考える方が,わかりやすくて利用しやすいというわけです。
けれども
そうではない学力を身につけたいと思うひとにとっては,これらの学習塾はオススメしません。
学習塾に何を求めるのか。
これが学習塾を選ぶためのポイントなのであります。
続く
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