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結論がなくても、誰かに伝えたかった子育てのこと

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子育て中の書き手がつづる、子どもをめぐるあれこれ
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#子どもに教えられたこと

息子に染みこむ、私に染みこむ、絵本の時間。

「ばぁば、すいかにきいてみるといいよ」 実家の畑でスイカがとれた。家庭菜園なので、内側が熟しているのかどうかわからない。私の母が「もう中身、赤くなっているかなあ」と悩んでいたら、息子がこう言ったそうだ。そして「ポンポンとたたくといいんだよ」とも。 平日の仕事帰り、実家に預けた息子を迎えにいくと、この話を母が教えてくれた。「よく知っているのねえ」と。私は、すぐにぴんときた。ちょうどその時、図書館で借りていた絵本に出てきたからだ。 「すいか!」(石津ちひろ 文・村上康成 絵

子育ては「仕事」に生きる、が幻想でも

息子と保育園へ行く時、交番の前を通る。必ず挨拶してくださる警察官の皆さん。「もうすぐコウバンだね。ピッ(敬礼)しないとね」。歩くことに疲れた息子の機嫌が、急上昇する。ああ、ありがとうございます。登園時間は波瀾万丈なので、一期一会の一瞬の好意に支えられ、保育園や家にたどり着く。 子育てをしていると、とてつもなく親切な見知らぬ方にお会いし、助けられることがある。だけど、うっすら分かりにくい嫌がらせ(嫌み)を受けることもあって、ときどき心がついていかない。勘違いかもしれない。疲れ

お弁当作りが、しんどくなった日|先生ありがとう

春休みになり、幼稚園の給食がなくて毎日お弁当の日々で、へろへろになっていたら、ある預かり保育担当の先生が声をかけてくれました。「大変なときは、コンビニのおにぎりを持ってきても、いいですよ」。 その優しさと気持ちのあたたかさに、泣きそうになりました。私の考えすぎかもしれませんが、働きながら子が幼稚園に通っていると、「できていない自分」に目が行きすぎて、自己肯定感がだだ下がりになる瞬間がたまに訪れるんです。 我が家は夫がお弁当を作る日もあり、合作の日もあり、基本冷凍食品も使い