"良い"事業ありきの組織開発:事業と組織は両輪

kazooです。Organization Catalyst(OC) / Organization Development Producer(ODP) / Coachとして社会にイノベーションを起こす挑戦をしています。

今年の秋は雨が多いな、と感じているのですが私だけでしょうか。日が射している間はまだ暖かいのですが、雨が降ると一気に肌寒くなりますね。私は寒さに強い体質を自負しているのですが、そろそろコートを引っ張り出そうかなと思っています。個人的に寒い季節はチョコレートが美味しくいただけるので、名店のチョコレート食べ歩きするのが楽しみです。

最近食べて美味しかったチョコレート:ジャン=ポール・エヴァン

さて、本日は組織開発の続き、ではなく、その一歩手前のお話をしようと思います。
"良い"組織を創るには、"良い"事業が必要だよね、というお話です。

コロナによって起きた変化:ほんまにその事業いる?

コロナによって色々なことが変わりましたね。その中の1つに、「ほんまにそれっている?」という、物事に対して、以前よりもシビアな目で見ることが増えていませんか?

私自身はかなり多くのことを断捨離しており、不要なものを処分、継続する必要のない習慣を止めました。これは組織においても同様で、例えば会議が時間内に終わるようになった=話す必要のないことを扱わなくなった、というような変化を身近に感じている人も多いのではないでしょうか。

特に組織において私が感じるのは、「いま携わっている事業は世の中に必要なのか?」ということが問われるようになったことです。関わりのある複数の企業で同様の話を聞くので、何かしら流れが生まれていそうです。もちろんこれまでも同様のことを考え、発言する人はいましたが、「社員間の話題に上がるハードルが下がり、多くの人が発言しだした」点が変わったところです。

事業の存在意義が問われやすくなったのはなぜか?

なぜこのような変化が起きたのでしょうか?思いつくことを以下に列挙してみました。(MECEではないですが)

①リモートワーク普及に伴うもの
・リモートワークが常態化し、他者との接点が少なくなったことにより、自身で冷静に考える機会が増えた(周囲に左右されづらくなった)
・日々オフィスに人が集まることで、少なからず会社の存在を認識していたが、オフィスにいくことが減少し、会社の存在が希薄化し、事業を冷静に(どちらかというとやや懐疑的に)見られるようになった
・孤独な(自己対話の)時間が増え、生きる意味について考える余裕ができた

②WEB会議システムの使用頻度増加によるもの
・WEB会議システムを用いると、フィジカルな影響を受けづらいため、思ったことを言いやすい
・WEB会議システムで1対1で会議を行うと、ほぼ密室となり、周囲を気にせず思ったことを言い合える

③世の中の流れによるもの
・SDGs
・パーパス経営
・ジョブ型人事
 →意義・目的・役割などを俯瞰して捉える機会が増えた。

以上のようなことから、WEB会議中に「ほんまにウチの事業いるの?意味あるの?」という話がされる頻度が高まっているという仮説を持っています。

ちょっとだけ脱線しますが、皮肉なのは、この声が経営層には届きづらい、という所です。リモート環境では、発信者側が伝えたい人にのみ声が届きやすいので、ネガティブなことは上に上がりづらく、課題の真因が捉えづらくなっていると思います。悩ましいですね。。。

どんな事業が望まれるか?

ではどんな事業であれば、断捨離の対象にならないのでしょうか?
主観100%ですが、以下に記載します。

・ワクワクするか(人の心に着火できる要素があるか)
・将来性・継続性があるか(伸びていく、続いていく事業は明るい)
・世の中の役に立つか(世のため、人のためになると腹落ち感があるもの)
・手触り感があるか、個人が価値発揮できるか(大きなシステムの歯車の1つでは貢献感が薄い。ちゃんと届けられている実感が持てる。これは特に20代前半の人から良く聞きます)

こんなところでしょうか。もし満たせていないものがあるなら、ビジネスモデルや事業のグレードアップが必要だと思われます。

"良い"事業があってこそ、組織開発は機能する

"良い"事業でなかった場合、組織開発を進めても、

「ウチの会社には未来がないから…」
「ウチの製品が売れても、大気汚染が進むから事業を拡大させたくない」

などなど、数多のやらない理由が生まれ、頓挫してしまいます。事業と組織は両輪、などと言われていますが、まさにその通りかと。

もちろん組織開発を通じて、社員の想いを起点とした事業創造を行う、ということも不可能ではありませんが、もともと良い事業があるに越したことはありません。

ワクワクする事業が氾濫した世界・日本にしていきたいですね。
私は、組織開発の切り口で、"良い"事業の生まれる土壌づくりに勤しみたいと思います。

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