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ボードゲームの駒を塗る話#3

・黄の印を塗る話

ボードゲームの駒を塗る話、3回目でようやくクトゥルフウォーズの個別の陣営を塗装する話になります。
前置きを長くするとまた記事が長くなるので、さっそく塗っていきましょう。
今回は黄の印陣営を塗っていきます。
陣営のカラーはその名の通り黄色ですので、黄色をメインに塗っていくことになります。
クトゥルフウォーズは一目でそのユニットがどの陣営のユニットなのかが判らないといけないので、台座の横の部分をその陣営の色で塗ったりだとか、メインに使うカラーをその陣営のカラーにしたりだとか、一工夫が必要なのです。
今回は、できるだけ原作の小説やクトゥルフ神話で言及されている色を尊重しつつ(外見情報がほとんどない怪物も結構いますが……)、陣営固有のカラーがなるべくわかりやすいように塗装いていくことを基本方針としています。
前置きを短くしたいという話はどこへ行ったのかわかりませんが、とりあえず黄の印陣営を塗っていきましょう。

・ハスターを塗る話

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まずは黄の陣営の1体目の旧支配者ハスターの塗装について解説していきます。
これ以降ほぼすべての塗装に共通するのですが、今回ボードゲーム:クトゥルフウォーズに登場するクトゥルフ神話の名状しがたい怪物たちを塗装するということで、ダークな雰囲気を演出するために下地に塗ったカオスブラック(Chaos Black)の黒を意図的に残すことで濃い影を意識しながら塗装を行っています。
#1 カオスブラック(Chaos Black)の上からベースカラー:カリバングリーン(Caliban Green)を塗っていくのですが、先ほどの意図的に黒を残すというのをやっていきます。
顔の周辺は薄めに溶いて溝に入り込むように、周辺の触手部分はドライブラシに近い感じで塗っていきます。
#2 ベースカラー:アバーランドサンセット(Averland Sunset)を重ねていきます。
これもドライブラシ気味に下の黒やグリーンが残るように塗装していきます。
#3 レイヤーカラー:ムートグリーン(Moot Green)を重ねていきます。
これも(以下略
#4 さらにベースカラー:アバーランドサンセット(Averland Sunset)を薄めて重ねていき、一段明るい黄色に持っていきます。
#5 ドライカラー:ロングベアードグレー(Longbeard Grey)でドライブラシを施しますが、まだハイライトではありません。
割と強めにエッジ部分に乗せていきます。
#6 さらに、薄く溶いたアバーランドサンセット(Averland Sunset)を重ねてさらにもう一段明るい黄色に塗装します。
#7 最後にロングベアードグレー(Longbeard Grey)でうっすらとハイライトをドライブラシで施して本体部分の塗装は完成です。
これを上記の影を残しながら塗装を施していきます。
面積が広くて大変ですが重ねて重ねて重ねて良い感じの色にもっていきます。
正直ハスターを塗るのが一番大変でした。
#8 目の塗装
黒目の周りはベースカラー:メフィストンレッド(Mephiston Red)の上に、レイヤーカラー:エンペラーズチルドレン(Emperor’s Children)を重ね、ロングベアードグレー(Longbeard Grey)のドライブラシでハイライトを入れます。
黒目の部分はアバドンブラック(Abaddon Black)の上からナルンオイル(Nuln Oil)を大目に塗って半艶仕上げにしています。
#9 頭部の第3以降の目
ベースカラー:リードベルチャー(Leadbelcher)で塗装した後に、テクニカルカラー:テッサラクトグロウ(Tesseract Glow)で薄くコートしています。
※以下解説です。
最後のカラー解説が、テクニカルカラーの解説です。
これはエフェクト用の特殊なカラーで、粗い粒子や細かい粒子が混ざっていて土や泥の地面を表現したり、ひび割れた地面を表現したり、雪を表現したりするものもあれば、血糊の表現だったり、漂う霊気とかオーラとか錆とか鬼火の燐光とかそんなエフェクトを表現するものもあれば、塗料に混ぜて伸びを良くしたり、艶消しにしたり、逆に艶を出したりといった塗料の性質を変えたりするものもあります。
かなり特殊な塗料ですが、要所要所で効果的に使えると楽しい塗料でもあります。
テッサラクトグロウ(Tesseract Glow)はいわゆる蛍光塗料で、ライトセイバーのような光刃を表現したり鬼火のような燐光を表現するのに使えます。
UVライトで光るといった特性もあります。
#10 口及び左右の裂け目(耳?)
内部はメフィストンレッド(Mephiston Red)の上から、ロングベアードグレー(Longbeard Grey)のドライブラシでハイライトを付けます。
歯?の部分はロングベアードグレー(Longbeard Grey)のドライブラシを濃い目に、仕上げにテクニカルカラー:ナーグルズロット(Nurgles Rot)を薄めにコート。
※以下解説です。
ナーグルズロット(Nurgles Rot)はスライムのような粘液や、腐った沼とか、不浄な液体を表現するのに使える塗料です、乾くと半艶になるのでてらてらとしたいい感じの粘液感が出ます。
#11 台座
石の部分は、今回ほぼすべて共通といっていいです。
変えているのは、ドライブラシの調子くらいで、かすかに入れるかがっつり入れるか普通に入れるかの違いでしかありません。
ベースカラー:メカニクススタンダードグレー(Mechanicus Standard Grey)の上からドライカラー:ターミナトゥスストーン(Terminatus Stone)でドライブラシを施します。
ボディの直下の大きな岩はエッジ部分にかすかにドライブラシをしています。
下のベース部分の岩には、少ししっかりとドライブラシをかけています。

以上ハスターを塗る話でした、ここまでも長いですがまだ残り3体分ありますので、どんどん行きましょう。

・黄衣の王を塗る話

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次に黄衣の王を塗装していきます、ハスターとの差別化を図るために、アンデッドと同系統のカラー、古びた黄色い衣の雰囲気を狙っていきます。
#1 ベース部分以外をベースカラー:レイスボーン(WraithBone)で塗装します。
#2 コントラストカラー:スネークバイトレザー(Snakebite Leather)で布部分を塗装します。
#3 シェイドカラー:ナルンオイル(Nuln Oil)で本体の影になる部分を薄めに塗っていきます。
#4 布部分のかすれて色あせた感じをドライカラー:ロングベアードグレー(Longbeard Grey)で軽くドライブラシをかけて表現します。
#5 土台の肉片、杖に刺さった内臓?、首元の触手部分にベースカラー:メフィストンレッド(Mephiston Red)を塗った上から、シェイドカラー:レイクランドフレッシュシェード(Reikland Fleshshade)で影色を作り、その上からレイヤーカラー:エンペラーズチルドレン(Emperor’s Children)でかるくドライブラシをかけます。
#6 最後にロングベアードグレー(Longbeard Grey)で全体をドライブラシでなじませます。
#7 土台の肉片に薄く溶いたメフィストンレッド(Mephiston Red)を溝の部分に流して赤みを強調します。
#8 土台部分の塗装は、ハスターと大体一緒です。
違うのはドライブラシのタッチくらいです。
こちらは弱めに施しています。
#8 最後に細部の塗装です。
髑髏や骨の部分にレイクランドフレッシュシェード(Reikland Fleshshade)で影を付け、ターミナトゥスストーン(Terminatus Stone)でドライブラシを施します。
掌の眼にベースカラー:リトリビューターアーマー(Retributor Armour)を差して完成です。
※以下解説です。
細かい部分の塗装は細い筆を使いたくなりますが、個人差はあるものの、ある程度太い塗料含みのいい筆で、かつ先端の毛先が揃っていてとがる筆の方がコントロールもよく、書き味も安定します。
自分も細かい部分に細い筆も使いますが、幅広の塗料含みのいい平筆を結構な部分の塗り分けまで使ってたりします。
はみ出しても後で塗り重ねればいいので!

以上黄衣の王の塗装の話でした。

・ビヤーキーを塗る話

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ビヤーキーはハスターの眷属なのでハスターと同系統のカラーにまとめていきます。
#1 全体をベースカラー:コーラックスホワイト(Corax White)で塗装します。
#2 ベースカラー:アバーランドサンセット(Averland Sunset)を薄めに重ねます。
#3 レイヤーカラー:ムートグリーン(Moot Green)を重ねます。
#4 さらにアバーランドサンセット(Averland Sunset)を薄めに重ねます。
#5 羽部分にムートグリーン(Moot Green)でグラデーションを重ねます。
グラデーションにはいろいろなやり方がありますが、一例としては、初めに薄ーく水を塗ったところに筆にしみこませた塗料を載せていく感じで、にじませていく方法や、ベースの色の上に薄ーく塗り重ねて徐々にグラデーションを作っていくなどの方法がありますね。
自分は薄ーく何度も塗り重ねる方法が好きです。
#6 全体にテクニカルカラー:テッサラクトグロウ(Tesseract Glow)を塗り重ねて、全体のトーンをハスターに近づけます。
#7 レイヤーカラー:トロルスレイヤーオレンジ(Troll Slayer Orange)で目にオレンジを入れます。
#8 台座部分はベースカラー:メカニクススタンダードグレー(Mechanicus Standard Grey)の上からドライカラー:ターミナトゥスストーン(Terminatus Stone)でドライブラシを施し完成です。

以上ビヤーキーを塗る話でした。

・アンデッドを塗る話

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アンデッドは上記のとおり、黄衣の王と同じ系統の塗装を施していきます。
#1 ベースカラー:レイスボーン(WraithBone)で全体を塗装します。
#2 コントラストカラー:スネークバイトレザー(Snakebite Leather)を布部分に重ねます。
#3 触手部分はこの先”道を開くもの”でも何度か出てきますが基本は同じ塗装になります。
ベースカラー:メフィストンレッド(Mephiston Red)の上にレイヤーカラー:エンペラーズチルドレン(Emperor’s Children)を重ね、ドライカラー:ロングベアードグレー(Longbeard Grey)でドライブラシを施します。
さらにその上からテクニカルカラー:ナーグルズロット(Nurgles Rot)でドロドロにして完成です。
#4 細かい部分の塗装
表皮のただれた部分はエンペラーズチルドレン(Emperor’s Children)にハイライトでベースカラー:コーラックスホワイト(Corax White)、舌はベースカラー:カリバングリーン(Caliban Green)、舌のハイライトはコーラックスホワイト(Corax White)で入れています。
細かい部分の細いハイライトは塗料を含ませた筆の腹の部分でかるく擦り付けるようにするときれいに入ります。

また普段の記事の2倍ほどの分量になってしまいましたが、以上が黄の印を塗る話となります。

※最後に宣伝です。

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