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悲願の初優勝/J-Ice North Division 2019-2020 DYNAX対日本製鉄室蘭

2020.1.26(日)DYNAX1-5日本製鉄室蘭
(0-1、1-4、0-0)

私がアイスホッケー、そして日本製鉄室蘭アイスホッケー部・室蘭スティーラーズを観始めてから一年弱。
北海道社会人B級リーグ戦、J-Ice North Division 2019-2020は佳境を迎え、再び、宿命のDYNAX戦が巡ってきました。

これまでのあらすじ

2019年2月10日。J-Ice North Division2018-2019シーズン、室蘭スティーラーズのホーム最終戦。それは、60分敗けさえしなければ、J-Ice North初優勝が決まる試合でした。 
しかし、残り1秒で勝利を逃し、この年はDYNAXに優勝をさらわれます。

臥薪嘗胆、雪辱を誓って迎えた2019-2020シーズン。
好調を維持する室蘭スティーラーズは8試合を終え、7勝1延長勝ち無敗で勝ち点23。
2位につけるDYNAXは、8試合を終え6勝1延長勝ち1敗で勝ち点20。

両者の残す試合は、直接対決2つ。
すなわち、室蘭スティーラーズがどんな形でも1勝すれば、DYNAXがスティーラーズの勝点を上回ることは不可能となるため、優勝が決まります。

決戦の舞台は苫小牧市・白鳥王子アイスアリーナ。普段は王子イーグルスがホームとする最高のリンクで、戦いの火蓋が切って落とされました。

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ところで、大会要項と公式パンフレットに白鳥王子アイスアリーナを使うとは一言も書いてないから、わたしは危うく沼ノ端で凍えしぬところだったぞ。

第1ピリオド

GK:DYNAX 56大澤啓太 / 日本製鉄室蘭 39山口連

11:26 反則 DYNAX トゥー・メニー・メン(代行30大澤卓也)

14:52 反則 DYNAX 77成田祐介 インターフェアランス
15:57 日本製鉄室蘭ゴール(パワープレー)
ゴール 63野澤一矢、アシスト17村上亮、92阿部魁

DYNAX 0-1 日本製鉄室蘭
1Pシュート数:DYNAX6 / 日本製鉄室蘭13 

シュート数を聞いて「え、DYNAXそんなに少なかった?」と耳を疑いました。パックの支配率?ではそれほど差を感じなかったので、決定機を作らせなかったのでしょう。

第2ピリオド

23:42 反則 DYNAX 62小原卓朗 ハイ・スティッキング
23:52 日本製鉄室蘭ゴール(パワープレー)
ゴール 63野澤一矢、アシスト72工藤卓磨、92阿部魁

25:15 反則 DYNAX 3大澤翔 クリッピング
26:01 日本製鉄室蘭ゴール(パワープレー)
ゴール 81横山恭也、アシスト92阿部魁、17村上亮

パワープレーの好機を得てすかさず追加点。室蘭スティーラーズが一気に勢いづきます。

27:10 反則 日本製鉄室蘭 トゥー・メニー・メン(代行14 中村謙太)
29:18 反則 DYNAX 18山野下元氣 トリッピング
29:18 反則 日本製鉄室蘭 トゥー・メニー・メン(代行14 中村謙太)

31:39 反則 DYNAX 91生田廉 ハイ・スティッキング
33:23 DYNAXゴール(ショートハンド)
ゴール 3大澤翔、アシスト18山野下元氣

2人でGKを左右に揺さぶって叩き込むあっぱれなゴールでした。狼煙が上がったと思った、その直後!

34:01 日本製鉄室蘭ゴール
ゴール 88山口航太、アシスト61脇本直廸、8藤浪幹

ブルーライン右端から弾丸シュート。GKがグラブを差し出すも、不意打ち過ぎたか、こぼれ落ちます。
反撃の機運を叩き潰すかのような追加点でした。

35:15 日本製鉄室蘭ゴール
ゴール 92阿部魁、アシスト17村上亮、63野澤一矢

ジグザグに素早いパスを繋いで、GKの左が空いたところへ阿部選手がズドン。美しい連携でした。決めた当人も会心だったのか、一番盛り上がったように思います。

DYNAX 1-5 日本製鉄室蘭
2Pシュート数:DYNAX14 / 日本製鉄室蘭21

第3ピリオド

40:00 DYNAX GK 1高橋勇海に交代

55:27 反則 DYNAX 21坂本颯 エルボーイング
55:27 反則 日本製鉄室蘭 16岩槻翔悟 ホールディング
59:16 反則 DYNAX 3大澤翔 スラッシング

DYNAX 1-5 日本製鉄室蘭
3Pシュート数:DYNAX11 / 日本製鉄室蘭9
合計シュート数:DYNAX31 / 日本製鉄室蘭43

ゲームベストプレーヤー 日本製鉄室蘭FW 63野澤一矢

第3ピリオドは得点なし。室蘭スティーラーズには惜しい場面がいくつか。DYNAXの攻勢が強くなりましたが、GK山口連選手とDF陣が踏ん張りました。

日本製鉄室蘭アイスホッケー部・室蘭スティーラーズの皆様
J-Ice North Division2019-2020優勝、おめでとうございます!

ゆる雑感

2019-2020公式戦における室蘭スティーラーズとDYNAXの対戦成績は、直前まで1勝2敗。
シーズン序盤の苫小牧市長杯争奪アイスホッケー大会では、0-3、1-3で2敗。11月下旬の北海道アイスホッケー競技選手権大会(B)準決勝は2-1で勝利。今回の大一番も鍔迫り合いを予想していました。

そして先の3試合、いずれもDYNAX・FW93古川誠也選手、FW97府中祐也選手に何かしらゴールを決められていました。(苫小牧市長杯は未観戦なのでゲームシートからの推測です。)
他チームとの対戦においても、古川府中コンビの…というか、DYNAXの攻撃全般、圧倒的スピード、飛び出しの速さが印象に残っています。

これをいかに防ぐか?
今回は、DF陣がものすごく身を張ったと感じました。玉手選手や藤浪選手といった深く守る選手ががっちりと相手を抑え込んで、相手に連携をさせません。それでも抜かれてしまう場面はありましたが、守護神GK山口連選手が1失点で抑えました。

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一方、DYNAXは、攻撃重点のチームに感じています。ガンガンいこうぜ的な。(数試合しか観ていない初心者の戯言です、何卒ご容赦ください。)

殊にそれを感じたのが、11月の釧路で行われたJ-Ice North 釧路厚生社戦でした。
釧路厚生社・伊藤優人選手、DYNAX・大澤啓太選手と、お互い強力なGKを擁しての一戦。釧路厚生社が執拗なチェックで防ぐなら、DYNAXは神が止めるからヘーキヘーキ、という印象を受けたのです。
実際、大澤選手は鬼神の如き守りをみせましたが、この試合は3-1で釧路厚生社が勝利し(3点目はエンプティネット)、DYNAXには手痛い1敗となりました。

さて今回の試合に立ち返ると、室蘭スティーラーズの1~3点目はいずれもパワープレーによるもの。
それも、数的有利を得てから間髪空けずに得点した…陣を崩せなくて徒に時間を費やす、パックを自陣深く押し戻されるといったことがほとんどありませんでした。
スティーラーズの策がはまったのか、それともキルプレーがDYNAXの不得手だったのか。

今回の試合は、王道をゆくような勝ち方でした。
何が勝利を導いたか。その要素は、素人の想像よりはるかに複雑であろうと思います。ただ、昨季のホーム最終戦の悔し涙を晴らしたのが、選手達の不断の努力の結果であることは間違いありません。

改めて、J-Ice North Division初優勝、おめでとうございます。

そして、ここはまだ終着点ではありません。
全日本アイスホッケー選手権大会(B)優勝、J-Iceプレーオフ連覇に向けて、スティーラーズは走り続けます。
道中、再び北海道のライバルと激しく鎬を削ることでしょう。
そのとき、これまでの歩みと結果は、選手達を後押しして、さらなる進化を導くはず。

私はその姿を、これからも楽しみに追い続けたいと思います。

この記事の写真はみつる(@k_mitsuru_n )さんから提供いただきました。ありがとうございます!