箱、はこ、ハコ。

物を捨てて片付ける。
そうすると今まで気にならなかった物が目につくようになる。

代表的なのは箱。しっかりと壊れていない箱に詰めてあると(部屋が汚いうちは)片付いている場所として認識されている。
が、物が減り、引き出しごと何が入っているか完全に把握してくるようになると様子が変わってくる。何が入っているかわからない箱は「未片付け」扱いになってしまう。

最近高い位置に隠してあった箱の開封作業をしている。捨てることを意識してから見ると捨てるものがかなり多かった。

箱の中にあった箱――裁縫箱は開けて驚いた。
糸は茶色く変色し絡まり合っている。チャコペンが崩れて、ビーズが散乱して酷いものだった。
中身の半分以上を捨てた。裁縫道具は流石に生活に使う道具だと思ったのですべてを捨てるのはやめた。10年位使ってないのには目をつぶった。中身を減らしたら箱が大きすぎたので、小さい箱に変えたくも思ったのだが、わざわざ買うのも荷物が増えるだけな気がしたのでまだやってない。好みのものがあったらいつか購入してもいいかな。

箱の中の箱、その二。
書道道具。
小さい頃から書道を習っていて、大学卒業と同時にやめたのだけれども、その道具がずっと眠っていた。つまり裁縫道具同様ずっと触っていない。
何年も放っておいた筆は固まって使えない。半紙は変色し始めている。墨汁はしっかりと使えるようだが、放置していた液体を使うのも気が乗らない。
何より始める予定がないのだ。
よってほぼ捨てた。
ただひとつ、硯だけは手元に残した。
忘れ物をした時、借りるたびに硯に対する違和感が半端無かったのだ。この硯でなければ書く気にならないと思う。替えがない。だから手元に残すことにした。

まだ開けていない箱が幾つかある。また今日も箱を開けよう。


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