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dlcペミカン再現レポート

ペミカンを作ろう!

 Thisコミュニケーションにハマって早3年、連載完結後の追加dlc(コミックス販促用のDLC漫画「デルウハの1日3食研究所」。) ( ご存知の通り毎話めちゃくちゃ面白い)を読んで、ペミカンって何…?!食べたい!!!!!!!!!となったオタクが、実際にペミカンを作ってみたnoteです。

漫画内でデルウハ殿が作っていたレシピを使って再現を試みましたが、作る人は貧弱な成人女性で、でかい窯や広い調理場・ペミカンを冷やす雪山・干し肉を粉末にできる腕力は持っていなかったため、家庭用のオーブンとフードプロセッサーを駆使して再現しています。

有識者の方々が出されている干し肉のレシピや、ペミカンに関する情報を参考に調理しました。

1 材料

・牛肉(赤身) 560g
・牛脂(ケンネ脂)230g
・胡桃 50g
・干し杏 50g
・塩 10g程度

2  ペミカン製造

2-1 干し肉を作る

ペミカンを作るために、まずは「干し肉」を作ります。ただ純粋にペミカンを作るのであれば、牛赤身のひき肉を使えば時短になるのですが、今回はdlcでデルウハ殿が作ってたペミカンが食べたい!!なので、干し肉から作ります。

☆必要なもの
オーブン・クッキングシート・キッチンペーパー・肉を乾かす金網

⚠自宅のオーブンでは1度に牛肉300g以下しか並べられなかったので、今回は2回に分けて作っています。

 【干し肉の作り方】


① 牛肉を厚さ5mm程度に薄切りにする。

② 牛肉を麺棒で延ばす。
→麺棒以外では、肉叩きや、フォークで滅多刺しにしても良いと思います。

③ オーブンの天板にクッキングシートを引き、牛肉を並べる。オーブンを130℃に余熱する。

天板に乗り切りませんでした。2回に分けます

④ オーブンで30〜40分加熱する。

オーブンでブン

⑤ 牛肉から水分(ドリップ)が出るので、キッチンペーパーで水分をよく拭き取る。

クッキングシートを替え、牛肉を裏返して並べ、130℃に予熱したオーブンで裏面も20分加熱する。

牛肉の臭み。脂ではなく水分が出ています
裏面も加熱します

⑥ 牛肉から脂が出るので、キッチンペーパーで拭き取り、牛肉の乾燥具合を確認する。
乾燥が足りなければ、追加で10分〜15分加熱する。

脂が滲んでいます。キッチンペーパーで拭き取ります

→手でちぎってみて、ニチ…ッとせず、ミシ…ボソ…っと千切ることができればOKです。
ビーフジャーキーとは違い、肉を調味料に漬けていないので、肉の粘度はあまりないです。手で千切れない場合は乾燥不足です。

⑦金網等に並べ、風通しの良いところでよく冷ます。

熱を冷まし、乾かします

ペミカンの元となる干し肉の完成です。
今回は560gの牛肉を使い、200g程の干し肉になりました。

 結構大変でした。

合間に胡桃と杏を刻んだり、計ったり写真を撮ったりしましたが、牛肉がオーブンに入りきらず2回に分けて調理しているため、干し肉だけで4時間くらい掛かっています。

2欠片ほど味見して、3欠片ほど干し肉のまま保存したので、ペミカンになる量は減っています。
味見すらしなかったデルウハ殿の理性を改めて尊敬しました。あくまで保存食……

2回目の干し肉。干し肉作りに慣れてきています

干し肉は、食べてみるとボソ…っとしていて素材の味。臭みは全くないですが、素敵なお家のわんちゃんが食べてる高級なオヤツかな……?って感じでした。
2回目の干し肉には保存のために酒と塩をごく少量加えていたので、1度目より2度目の方が明らかに美味しく、塩の偉大さを実感しました。

2-2 ペミカンを作る

干し肉が完成したら、ようやくペミカンを作ります。大量の脂を使うので換気に気をつけます。

☆必要なもの
フードプロセッサー・はかり・揚げ物ができる鍋・ボウル・バット・クッキングシート、ラップ等(包んで固める用)

ペミカンの作り方は、
 1.干し肉を粉末にする
 2.干し肉の粉末と同量の牛脂を溶かし1:1で混ぜる
 3.ナッツとドライフルーツを細かく刻み、混ぜる
  (調理用ペミカンは干し肉:油が1:1、
   そのまま食べる用はそこに胡桃.杏.塩を入れる)
 4.冷やし固め、使いやすい大きさに カット
 5.空気に触れないように包み、保存
これだけです。

今回は、デルウハ殿と同じように「調理用ペミカン」と「そのまま食べる用ペミカン」の2種類を作ります。
少し長いですが、作業工程を詳しく書いていきます。

 【ペミカンの作り方】

① 干し肉を出来るだけ細かく砕く。(フードプロセッサーに入れる前段階)

すごく硬いです。もっとよい砕き方があるはず
細かく刻みました。ここまでしなくても良かった

② 刻んだ干し肉をフードプロセッサーで粉末にする。粉末の重さを量り、ボウルに入れる。(A)

普段はジュースにしか使わないフープロ
粉末になりました

③ 胡桃と杏を細かく刻み、混ぜておく。(B)

塩.油不使用の素焼き胡桃。出来るだけ細かく刻みます
杏(アプリコット)も細かく刻んで、一緒にしておきます

④ きれいなまな板と包丁、またはキッチンバサミで牛脂(ケンネ脂)をカットする。

最悪の見た目ですが、切り心地も最低最悪でした

⑤ 鍋に牛脂を入れ、とろ火〜弱火で火にかける。軽く蓋をして、脂身をゆっくり溶かす。(約20分)

→弱火でじっくり加熱していくので、煙はあまり出ません。油が跳ねるので軽く蓋をしたほうが良いです。部屋中がケンタッキーの店内の匂いになるので、しっかり換気をしましょう。

⚠デルウハ殿のように脂身を塊のまま鍋に入れて火にかけたら、焦げて跳ねて大変なことになりました。唯一の失敗点です。
脂身は細かくカットしてから加熱。絶対。

この鍋では危険でした。揚げ物用の鍋を使います

⑥ 牛脂が溶けたら、油に浮いた脂カスを取り除く。

ケンネ脂は火にかけると脂カスが残ります

⑦ 干し肉の粉末(A)に同量の油を入れ、混ぜる。

→私はここで塩も入れました。干し肉180g、油180gに対して塩10g程度を入れましたが、実際に長期保存するのでなければ、塩は『そのまま食べる用』の方にだけ適量入れるでも良いのかもしれないです。

透明で澄んだ油
肉:油が1:1。塩を入れ混ぜる

⚠油の量は、漫画内では1:1と記載がありましたが、デルウハ殿は「丁度良い固さになるまで」とも言っているので、ご自身の脂食べたい欲と相談して調整してください。ちょっと太ってもいいな……という人は肉:油は1:1です。

 調理用のペミカンペーストが完成

⑧ (B)に、⑦で出来たペミカンペーストを好みの分量入れ、よく混ぜる。

→分量はお好みで調整してください。
私はペミカン100gに対して胡桃+杏100gを入れています。1:1です。そのまま食べる用なので、胡桃と杏が多いほうが食べやすいだろう…という考えです。

約100g


油で固めて固形にするので、ペミカンペーストが多いほど固まりやすく、少ないほど固まりにくいです。

よくよく混ぜます

 そのまま食べる用のペミカンペーストが完成


⑨ バットにクッキングシートをひき、各ペミカンペーストを入れて平たく成形し、冷蔵庫または冷凍庫で冷やし固める。

200g かなり小さくなりました


→自宅にバットが1つしかありませんでした。そのまま食べる用の方は、ラップでぎゅっぎゅっとして四角く成形しています。なんとかなりました。

⑩ 固まったペミカンを包丁で良い感じの大きさに切り、ラップで包む。ジップロック袋に入れ、空気を抜き、冷凍庫で保存する。

冷凍庫で冷やし固めたペミカン

→漫画のようにクッキングシート(油紙?)で包む予定でしたが、油の塊なので、ツルツル滑って上手く包めませんでした。空気に触れないようラップで包んでから、クッキングシートで包装するのが現実的です。

そのまま食べる用
調理用(すぐに調理したかったので小さいサイズも)

  ペミカン2種類 完成 です!!!!!!


3 まとめと感想

食べてみたい、という軽い気持ちではじめたペミカン作り。材料は比較的簡単に手に入りましたし、作り方もそこまで難しい事はありませんでしたが、思ったよりも時間が掛かりました。

今回の調理にあたって、丸一日空いている休日がなく、日々数時間づつしか作業時間がとれなかったので、干し肉作り、ペミカン作り、固形ペミカンの包装で3日かかっています。
デルウハ殿は1日で(死体を片付けたり温泉を煮詰めて塩を作ったりしながら)熟していたので、改めて人間じゃないな……と思いました。
干し肉を人力で粉末にするの、不可能です。常人では7年と11ヶ月と28日かかる。

あまりにも大変だったので調べたところ、干し肉やジャーキーを粉末にする専用の食品粉砕機が売っていました。
家庭用フードプロセッサーでは、干し肉をある程度細かくしてからでないと使えないので、実際に保存食として沢山作るなら粉砕機が便利ですね。すり鉢とすりこぎでは無理です。

牛肉の乾燥に関しても、お肉屋さんのYouTubeレシピでは、ブロック肉ではなく「挽き肉」をフードドライヤーで乾燥させていたので、純粋にペミカンを作るのが目的であれば、やはりお肉もひき肉で作る方が正解かと思います。

今回は、『デルウハ殿が作ってたペミカンが食べてみたい』という趣旨なので、出来るだけdlcに寄せたレシピで作っています。
分量を再計算して、別途レシピをまとめますので、作ってみたい方はよければまたご覧いただけたらと思います。

 ペミカンの味

実食に関して。
私は保存食に対する特殊な技能がないので、完成してすぐに食べました。

ペミカン、、美味しいです!!!!

「調理用」は、お湯で割って塩を足してスープにするだけで上品な旨味があり、大雑把に例えるとビーフブイヨン。具入り。しみじみおいしい。

「そのまま食べる用」は、胡桃の香ばしさと杏の優しい甘さがほのかな塩気を引き立てます。油に動物性脂肪特有のザラつきはなく、思ったよりもシンプルな味。分量によって違ってくるかとは思いますが、胡桃が全体をまとめていて、おいしい。ものすごくカロリーの高いカロリーバー。

一口かじった瞬間にカロリーが身体を駆け抜けたので、1本丸々食べると体重増加のおそれがあります。
これから数日…一ヶ月くらい?かけてコレを(2種合わせて)460g食べるので、今から食生活を考えなければ……と思っています。

実食レポートとペミカン調理レシピはまた次回、頑張りたいと思います。

次回の実食レポートで、掛かった費用や材料調達についても書きたいです。

DLC2話の配信が5月28日でしたので、私は6月(梅雨)(かろうじて晴れた日)にペミカンを製造しましたが、乾燥した寒い時期に作るべきだと思いました。
よく晴れた、少し風の強い日に作ることをおすすめします。

こむぎこ


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