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ケアマネージャーの独り言


「この忙しい時にウロウロしてもらっては困る」
強い口調で怒鳴られた。
担当している利用者のため、早急に必要な書類作成を依頼しに来たのだが、ドクターを怒らせてしまった。

在宅ケアマネージャーであっても、ドクターと関わる機会が時々ある。
介護を必要としている高齢者は、大概何かしらの病気があり、日常生活が困難になっている。そのため、月に一度以上、医者に診てもらう機会を必要としている。
また、病状を踏まえた上で介護サービスを利用してもらうことになるので、ドクターから留意する点などの意見をもらわねばならない。
ケアマネージャーは、その橋渡しの役目を担うわけだ。

在宅介護の実践には、医療機関との連携が必須である。
特に、地域の開業医の先生方との関わりは、介護を必要としている高齢者にとって必要不可欠である。
そのためには、医療機関側にも介護保険の仕組みを理解して頂いた上で、出来るだけご協力頂きたいものだ。

とはいえ、医療現場の多忙さは、私達の想像以上のもののようだ。
次々とやってくる患者の対応に追われ、いちケアマネージャーと話をする時間や書類を書く時間などあるわけがない。
怒鳴られたドクターの言い分だろう。
ましてや、昨今のウィルス感染拡大に伴い、医療現場はピリピリとしているようだ。

しかし、ピリピリしているのは、介護の現場も同じ。私たちケアマネージャーも、それなりに対応に奔走している。
利用者の日常生活の継続を担うものとしては、病状以外にも、自宅の環境のことや経済的なこと、家族との関係性に至るまで留意していかねばならない。
そこに、医療と連携することで、利用者の生活の土台となる「健康の維持」「病状の管理」「緊急時の対応」を支援できるのだと思う。

いち非常勤ケアマネージャーが偉そうに言うのも烏滸がましいが、今後の超高齢化社会に向けて、介護と医療とがもっとスムーズに簡潔に連携できるシステム作りが必要だと思う。

介護の必要な高齢者にとっては、介護も医療も関係ない。
まずは目の前の生活が大事なのだから。

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