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【重要】初めて内装クラフトシートを使う方へ

この度は、内装クラフトシート並びに内装クラフトシート&カーテンパーツセットをご購入いただきありがとうございます。
この商品は、これまであったような「切り出して貼り付ける」パーツ以外に、「組み立てて貼り付ける」パーツがあるのが特徴です。

今回オンライン説明書を用意しましたが、聞きなれない用語がいくつか出てきたり、いくつかポイントがありますので、作業前にぜひご一読ください。


1.「スジ彫り」とは

本商品を組み立てるうえで重要になるのが「スジ彫り」という方法です。必須と言っても過言ではありません。
一つ一つのパーツが小さいため、やみくもに折り曲げても角が作れずきれいな見た目に仕上げることができません。
そこで、「スジ彫り」を行って角を作って組み立てることで、細かいパーツもきれいに組み立てられるようになります。

ロッカーの角をしっかりと作ったりするのに必要な「スジ彫り」

やり方は簡単で、折り曲げる箇所に沿って定規を当てて、紙を切り抜かない程度の力で「表面のみを切るイメージ」で切れ込みを入れます。特殊な工具などは必要ありません。
このスジ彫りをすることで、上段寝台を再現する箇所やデッキ配電盤部分などがシャープに組み立てられ姿勢も長い間維持できるようになりますので、ぜひこの「スジ彫り」を使って組み立ててみてください。

ツインデラックスの寝台側。「山折」「谷折」となっているところにスジ彫りを入れていく
左がスジ彫りを入れてから曲げたもの、右がスジ彫りせずに定規を当てつつ曲げたもの。寝台側面の狭い部分を見ると明らかに違う
左がスジ彫りあり、右はスジ彫りなし。スジ彫りをしないと細かい幅で曲げるのが難しいので、組み上がった様子も違うし、右は時間が立つとテープで止めたところが開いてきてしまう
正面から見た様子。角の処理が全く違う

各車両のパーツには予備パーツを用意させていただいています。予備パーツを使って練習代わりにスジ彫りを試してしていただけますと幸いです。

参考サイト

2.両面テープの貼り付け方

両面テープの貼り付け方ですが、私の我流の方法ではありますが一例としてご紹介します。

大きいパーツであればともかく、今回の内装クラフトシートのような細かいパーツに両面テープをそのまま貼ろうとしても、うまく貼るのは難しいです。
そこで私が取っている方法は、カッティングマットに両面テープを貼りつけ、カッターで大きさを適宜調整しながら切り出したものを貼り付けるという方法です。

カッティングマットに両面テープを直接貼る

こうすることによって、パーツの大きさに合わせて貼り付ける両面テープの大きさや形を調整することができるので、比較的楽に貼り付けられると思います。

カッティングマット上で好きなサイズにカットする
こうすると、細かい貼り付け面に合わせて切り出して貼ることができる

あくまで我流になりますので、この手の工作で王道のやり方があれば教えていただけると嬉しいです。

3.切り抜き箇所にある「ハサミマーク」について

一般的に、切り抜き箇所を示すのは棒線であることが多いかと思います。
私はこの定規を当てた切り抜きというのが苦手で、まっすぐに切り抜いたつもりが斜めに切り抜けてしまって、よく悲しい思いをしていました。
そこで、確実にまっすぐに切り抜けないかを考えた時に、定規を当てた時にガイドが見えにくくなるのが原因の一つかと思い、「×」マークにすることで、定規を当てた時に「▽」が見えれば中央になっているのが確認できるようになるのではと思い、×マークにしつつ形的にハサミのように見えたので切り抜きの意味も込めてハサミマークにしました。

使い方ですが、まず片方のハサミマークの「×」の中心にカッターナイフを立てて定規を当てます。

ハサミの交差する部分をデザインナイフで押さえる
そのままの状態で定規を当てる
試しにデザインナイフを避けてみると、ちょうど×の中央に定規があたっているのがわかる

次に、切り抜く先(反対側)のハサミマークの方でも「×」の中心にカッターナイフを立てて定規を当てます。
この時、きれいに「▽」が見えるかを気にすると目安にしやすいです。

対面も同様に✗にデザインナイフを当ててから定規を当てる

これによりどちらも中央を取ることができましたので、この状態で切り抜きを行います。
切り抜く前に定規がずれた気がした場合は、再度×の中央にカッターナイフを立てて定規を当てるを繰り返してください。
後は一気に力を入れて切ろうとするとずれてしまうことがあるので、軽めに何度か繰り返して切り抜くようにするなど、そのあたりは各自のやりやすいスタイルで切り抜いていただければと思います。

通路側壁面パーツなど、長いパーツの切り抜きでは特に威力を発揮する(と個人的に思っている)

今回、ブラインドの下に持ち手を再現したりしていますが、このハサミマークのおかげなのか切り抜きに失敗せずにきれいに切り抜けています。
私が困ったために生み出したマークなので、他の方は一般的な棒マークやLマークの方がやりやすいかもしれませんが、お試しください。使いにくい方におかれましては、ハサミマークにも小さめの棒マークをつけていますのでそちらを使っていただければと思います。

4.そのほかの切り抜きマークなどについて

3で説明したハサミマーク以外にも、いくつかこの商品独自のマークがありますので合わせてご説明します。

「赤線」:切り抜き補助線

赤丸で囲ったところにあるのが切断補助線。室内灯部分の「コの字」で切り抜く際にガイドとなるような目印の役割として置いています

ハサミマークの部分は、直線に切り抜いてもいい部分ですが、赤線の部分は「切り抜くライン上に切り抜いてはいけない部分がある」箇所になります。例えば、デッキパーツのように、デッキ部分と立ち上がりの妻面側壁面の切り抜きに関しては、デッキ床部分が間にあるため完全に切り抜かず途中までを切り抜く必要がありますが、その時のガイドになるようなものとして赤線を用意しています。

「>谷折り」:谷折り箇所

ツインデラックス寝台の場合、灯具の上が谷折りで他はすべて山折り

谷折りとは、内側に折ることを言いますが、この部分は谷折りをして組み立てを行うという箇所になります。
内装クラフトシートでは薄いグレーで記載しています。
内装クラフトシートから切り抜く前に、先にこの箇所を目安にスジ彫りをしておくと、切り離したらすぐに組み立てられます。

「>山折り」:山折り箇所

山折りとは、裏側に折ることを言いますが、この部分は山折りをして組み立てを行うという箇所になります。
内装クラフトシートでは薄いグレーで記載しています。
内装クラフトシートから切り抜く前に、先にこの箇所を目安にスジ彫りをしておくと、切り離したらすぐに組み立てられます。

5.さらにリアルな内装にするために

今回の内装クラフトシート並びにカーテンパーツセットを取り付けるだけでも、かなり内装が分かりやすくなりますが、もうひと手間を加えるとかなり実感的になると思います。
技術のある方には何の参考になる情報ではありませんが、私のようなちょっと不器用な人向けに参考になりそうな方法をこちらに記載させていただきます。

私の場合は、所有している北斗星車両については一部内装の塗装と床面へのマスキングテープ貼り付けを行っています。
とはいっても、塗装は設備も無ければ腕も無いため、模型用塗料ではなくポスカやマッキー、ガンダムマーカーといった初心者向けの文房具類を使っています。それでもかなりリアルになりますので、施工例の参考にしていただければと思います。

室内塗装について

スシ24-508 椅子と床と机をポスカで塗っている。椅子の縁は金色のペンの塗料を使用

先ほどの通り塗装するのが苦手で、筆も使って洗うのも面倒だしうまく使えないという私のような不器用な人向けかと思うのが、爪楊枝を使った塗装です。爪楊枝は先が曲がらないため、思わない方向に筆が行ってしまったりせず狙い通りの箇所を塗れるので個人的には気に入っています。しかも使い捨てしても特に気になりません。100円ショップで何十本と購入することができます。

また、塗料についても模型用塗料はそこまで量も使いませんし、使わない間に固まるのももったいないので、使っているのはもっぱらポスカやマッキー、ガンダムマーカーといった文房具系のものを使っています。これらにはない色の場合は、他の塗装用のペンを購入して使っています。これらの類似色を使って再現しています。

塗装用に使っているペンの一部。ポスカはこすれば取れるし入手もしやすいので重宝している

北斗星でいうと、食堂車の座席やロビーカーの座席、デュエットやロイヤルの座席、各個室のテーブルを塗るとさらにリアルになるのでお勧めです。
やり方ですが、私は1dayのコンタクトを使っているのでそのコンタクトが入っていたプラスチック部分を皿として、各ペンの塗料部分を適量出します。そのうえで、爪楊枝の先に付けて椅子などを塗っていきます。コンタクトではない方は、100円ショップで塗料皿も売っているようですのでそちらを使っても良いかと思います。

コンタクトレンズが入っていた容器。1日1回は捨てるのでゴミになる前に有効活用している

床面再現について

今回の12両フルセットには、カーテンパーツに床面パーツも付属しましたが、個人で作っているときはマスキングテープで再現していました。食堂車やロビーカーだけでなく、各個室の床や廊下の床などにもマスキングテープを貼り付けていました。
塗装ではみ出た部分を、内装クラフトシートとマスキングテープで隠すことで見栄えが良くなるという感じです。

オロネ25-551の室内。個室内や階段にマスキングテープを貼ってカーペット代わりにしている

やり方ですが、両面テープのようにカッティングマットに貼ってから適宜大きさを調整して切り出したものを床面に貼り付けています。ロビーカーの椅子のようなアールのある部分は、小さくカットしたパーツを少しずつ沿うように貼り付けています。

床面にマスキングテープを貼ることで、ソファを塗ったときにはみ出したところを隠すこともできるので一石二鳥。椅子の周りは加工用に細かく切り出したマスキングテープを貼っている

私は、絶妙な色味や質感から「mt」というマスキングテープをメインで使用しています。

カモ井加工紙の「mt」というマスキングテープ。7mm幅のアソートを試して気に入ったので多用している。鉄道模型だとこの幅でも十分使い回せます

最後に

内装クラフトシートならびにカーテンパーツは、シールでもないですし細かい組み立ても必要なので、従来品に比べて時間もかかって大変かと思います。
ただ、その甲斐あって組み上がったときの感動もひとしおだと思っています。私個人も、唯一乗ったデュエット下段個室を組み上げたときは、思わず「そうそう、こんな感じの狭さだった!」と乗った当時のことを思い出しました。半室ロビーもそうでした。

また、上段寝台を再現すると室内灯との相性もあったりするので、そのあたり個体に合わせた調整が必要になるかもしれません。

今回、個人が楽しむように作ったものを頒布用に整えてご提供させていただきましたが、今後も対応車両の展開をしつつ、ゆくゆくはバリエーションなども色々考えられるぐらいになれば、色々アップデートなどもしていければとも考えていますので、今後ともよろしくお願いいたします。

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