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温暖化の影響か…大寒波でも平均では「去年より暖かい」福岡の1月

2023年の1月も終わった。この1月は、私の住む福岡でも、下旬には「10年に一度」と言われる大寒波がやってきて、ずいぶん寒い月だったなあ、という実感の人も多いだろう。

しかし、2023年1月の福岡の平均気温は、実は前年同月より0.3℃上がっている。

2022年1月:6.9℃→2023年1月:7.2℃

え?寒かったのに去年より「暖かい冬」だったの?と驚かれる人もいるかもしれない。この福岡の平均気温の上昇は、実は1月中旬の高温が影響しているのだ。

2022年、2023年、平年(1991~2020年の平均)の1月の福岡の平均気温の推移は以下のようになる。

2023年の方が、2022年より平年と比べたぶれ幅が大きいのは明らかだ。1月の各日の福岡の平均気温の標準偏差は、以下のようになる。2023年は2022年の2.69倍だ。

2022年1月:1.32℃→2023年1月:3.56℃

平均気温と標準偏差からみて、福岡の1月の気温は、約68%の確率で以下に収まる計算になる。

2022年1月:5.58℃~8.22℃ → 2023年1月:3.64℃~10.76℃

下限だけ見ると、「2023年の方が」気温が低くなっている。

この2時点だけみると、以下の地球温暖化と寒波の関係が正しく当てはまりそうだ。
・地球温暖化で偏西風が蛇行し気温のぶれが大きくなる
・だから偏西風が南に蛇行すれば極端な寒波がやってくる
・その代わり偏西風が北に蛇行すれば季節外れの暖かさになる
・結果平均気温は上昇する
・だから地球温暖化は続き、それが寒波を呼び起こすのだ。

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でも、こういう人もいるかもしれない。

・ただの2時点間の比較で地球温暖化を示すのは乱暴だ
・2023年はたまたまなのかもしれない
・もっと長期で見たらどうなるか?

15年程度のスパンでみても、平均気温が上昇しながら気温のぶれ幅が大きくなるといった地球温暖化に起因する偏西風蛇行の影響がうかがえるのだ。

以下、2009年~2023年の福岡の1月の平均気温や標準偏差の推移を、単純推移、3年移動平均、5年移動平均でみた。

年による上下はあるが、全体に平均気温・標準偏差ともに上昇傾向が示されている。移動平均でみるとその上昇傾向が明確になる。この15年の上昇幅は、平均気温で約2℃、標準偏差で約0.7℃になる。ここからは、平均気温・標準偏差とも上昇傾向にあり、全体として温暖化しながら時に大きな寒波がやってくるという近年の傾向がうかがえる。

今回の投稿では私の住む福岡のデータで見たが、他の都市だとどうなるだろうか?私は、もっと緯度が高く一般に「寒い」イメージがある都市なら、もっと極端な結果が出そうな気がする。

専門家の間でも、1月下旬に日本を襲った寒波は、偏西風の蛇行で寒気が北極から南下した影響であり、地球温暖化の影響の一環とする見方が強い。詳細は下記リンクを参照。

https://news.yahoo.co.jp/articles/5ce9101b8c345128a72c449fe6c34ff1ef6673ea
https://news.yahoo.co.jp/articles/3f9db17d0a068fd6d372fb338aa760b51acb5f84

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