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2023年ポストシーズンの異変…AL東の「7戦全敗、昨年から11連敗」

 2023年MLBポストシーズンで驚くべきことが起きた。

 ポストシーズンに3チームが出場し、「ハイレベル」「勝ち抜くのが難しい」というアメリカンリーグ東地区(以下、AL東)のチームが、なんと1つも勝てずに7戦全敗でポストシーズンから消えた。レギュラーシーズンでスウィープを食ったことがなかったオリオールズは、ポストシーズンになって「初めてのスウィープ」を食うという屈辱的な結果を味わった。この例は1998年のパドレス以来とのことだ。

 AL東の出場チームは、昨年からポストシーズン11連敗。最後に勝ったのは、2022年のALDS第5戦でガーディアンズに勝利したヤンキース。このヤンキースが沈んでいるのも…なんとも皮肉だ。

 以下が、レギュラーシーズンのAL東地区の成績。全体の勝敗は449勝361敗、勝率.554だ。この勝率は、AL西でポストシーズンに出場したアストロズ、レンジャースのレギュラーシーズンでの勝率(.556)とほぼ同じだ。

なぜだろうか?「ポストシーズンはレギュラーシーズンとは違う」「勢い、状態が違った」とのことで済ませて終わり、でもいいかもしれない。しかし、そうは言えない数字が出てきた。
 以下は、ワイルドカードゲーム、ALDSとも東地区のチームを無敗で破ってきたレンジャースの数字。これはレギュラーシーズン中のものだ。

対AL東:20勝12敗

 レギュラーシーズンで東地区に対して勝ち越しているチームは、実はレンジャースだけ。そのレンジャースは、厳しいと言われるAL東に対して「8」の貯金をレギュラーシーズンで残している。だから「AL東は強い」という下馬評を意識せずに自分たちのパフォーマンスを出すことができるのだろう。そのレンジャースのみならずAL西の出場チームは、最後の最後まで地区優勝、ポストシーズン進出争いを続けてきた。レギュラーシーズン終了直後すぐにワイルドカードゲームに入ったレンジャースには、集中力、勢いという点で有利な要素もあったかもしれない。
 
 一方でAL東の各チームは、以下の点があったのではないか。
・ポストシーズンの経験不足(BAL)
・粒ぞろいだが、核となる絶対的選手がいない(TB)
・詰めの甘さ、大味さ(TOR)
 
 
私に言わせれば、TORはもっと強くていいチーム。これを見越したからこそ、MLB機構は、地力があると見込んだ「ヤンキース対ブルージェイズの地区優勝争いで盛り上がる」ことを見越して、レギュラーシーズン終盤の2週間でヤンキース戦を6試合組んだのだろう。しかし、ヤンキースの誤算はともかく、ブルージェイズもそこまで行かなった。レギュラーシーズンでは、TORはAL中に対して22勝10敗、MINはAL東に対して13勝19敗。単純にいけばTORがワイルドカードゲームを連勝で勝ち抜けそうだが、結果は逆だった。  
 さて、2024年のポストシーズンはどうなるか…ヤンキースがコール、ジャッジの柱でポストシーズンに出てくればAL東の不名誉な記録を破る可能性がある。その時は、ボルピらの若手も一定の世長を見せているだろう。

 まず2023年。レンジャースはどこまで勢いや緊張感が続くか…切れた途端に連敗したチームはいくつもある。

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