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準備の大切さ-ルリーロ福岡の「まさかのトライ」からの学び

 リーグワン参入を目指すルリーロ福岡。11月25日に行われた日本製鉄八幡との順位決定戦にも勝利し、トップキュウシュウAリーグ優勝を決めた。
おめでとうございます!!
 今回の趣旨は、後半30分くらいに飛び出したとあるビッグプレー。ルリーロのこの試合最後、5本目のトライに関して。
 日本製鉄八幡との試合はハラハラさせられる厳しい展開に。ルリーロは前半中途まで21-0とリードしたものの、前半終了間際、後半終了直後とトライを奪われた。いずれのトライもコンバージョンキックが成功している。さらに、ペナルティゴールで3点を奪われ一時は21-17と4点差に迫られた。ルリーロは1トライ1ゴールを返して28-17とするも、依然八幡の反撃ムードが漂っている。

 ビッグプレーは、このタイミング、後半30分くらいに飛び出した。まずはチャートで書いてみよう。

 具体的に書くと、以下のとおり。
・自陣22m内で相手ペナルティ
・普通ならここでタッチキックをしてマイボールラインアウトをねらう。クイックで再開する雰囲気もないのでてっきりタッチキックと私も思った。
・ところが、キックで出さずスタンドオフがそのまま走り出す。相手ディフェンスは虚を突かれて突進を許す
・結局、その後一度もプレーが切れずにルリーロがそのまま5つ目のトライ。

 展開からみて使うのに最高のシチュエーションだった。追い上げられる方だから慌てて攻めてリスクを冒すよりはまずは確実なプレー…と誰もが考えるだろう。その選択肢はほぼ99%タッチキック→マイボールラインアウト。逆に、リードを追いかける展開ならば、自陣からでも積極的に回していくことも想定されたかもしれない。したがって、不意の事態への対応も早くなり、この類のプレーは成功しにくいと思う。
 このプレーのことを試合後選手に聞くとしっかり準備、練習していたらしい。ただの思い付きや機転でできるプレーではない。しっかりフォローもついていたことからみてもわかる。もし機転だけなら、こんなにうまくトライに結びつくこともなかったはずだ。プレーの直前は急いだ振りもせず、じっくり時間をかけて通常とおりタッチキックを出すような雰囲気を出していたこともポイントだ。この「演出」もうまかった。おそらく練習していたのだろう。
 常識の裏をかき、隙をついて実現されたこのプレー。さまざまなシチュエーションを考えてしっかり準備することの大切さを改めて学ばされたシーンだった。さらに言えば、いつ何が起こるか分からないということだろうな。

 以下、試合や試合後の表彰式のもようも。

 ルリーロ福岡は、この後3地域社会人リーグ順位決定戦に向かう。今年度は3位決定戦のあるトーナメント方式で開催される。公式発表や他の社会人リーグ戦で現時点判明する範囲では、ルリーロは、九州地区で、12月23日か24日にトップウエスト2位の島津製作所と1回戦で対戦する。今年度は、ルリーロに敗れて2位になった日本製鉄八幡も順位決定戦に出場。関東地区で開催予定の八幡の初戦の対戦相手は現時点未定。ルリーロのほか、日本製鉄八幡の活躍も期待したい。

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