iOS_の画像__11_

YouTubeを「見る」から「創る」へ。 小学3年生、動画クリエイターへの道

2019年5月、国内初の施設として石川県加賀市に設置された「コンピュータクラブハウス加賀(以下クラブハウス加賀)」。10代の子どもたちがデジタル技術を使って好きなことに取り組めるコミュニティ施設として、世界中に約100箇所設置されています。国内でのオープンから約半年、これまでに多くの子どもたちが施設を訪れ、その才能を発掘し伸ばしています。また、既存の居場所に違和感を感じる子どもたちの心の拠り所になるなど、多様性のあるコミュニティにもなりつつあります。

今回は、プロ顔負けの技術を駆使しながら動画を作る、通称「動画少年」ことN君のストーリーを紹介します。

画像1

N君は、加賀市内に住む小学3年生。クラブハウス加賀に何度も足を運んでくれている常連さんです。クラブハウス加賀との出会いは、通っている小学校で配布されたチラシを見てイベントに参加したこと。以前から、YouTubeをはじめとする動画が大好きで、いつか自分も見るだけではなく、作ってみたいと思っていたそうです

きっかけは石川県のコンテスト応募。 見切り発車だったけどクラブハウス加賀に出会えた

画像2

そんなN君がチャレンジしているのは、地元加賀の伝統的なお祭り「ぐず焼まつり」のPR動画作成。ぐずとは大きなドンコ(ハゼの一種の魚)のこと。地元には、この魚の化け物が村を荒らしたという言い伝えがあります。毎年8月には、竹や藁でつくった7~8mにもなる巨大なぐずの張りぼてをもって街を練り歩き、最後は焼き払うという、ダイナミックな祭りなのだとか。

ぐず焼まつりのPR動画を作りたいというNの夢を実現させるために、『子どもの夢実現サポート事業』という石川県のコンテストに応募しました。選考には通ったのですが、動画の作り方を教えてくれたり、手伝ってくれる人が周囲にいなかったので困っていました。そんな時に、クラブハウス加賀の話を聞き『これは運命だ!』と思いましたね」とN君のお母さん。

重宝してる操作は「command ⌘+ Z」。 やりたいことに対し技術を身につけていく日々

クラブハウス加賀では、このぐず焼きまつりの動画制作にいそしむN君。

画像4

▲クロマキー合成でN君が作成した動画の一部を画像で抜粋

「最初は、どんな作品を作りたいかイメージするところからはじめました。そのあとは、クラブハウス加賀の人たちに教えてもらった「絵コンテ」を作りました。ほぼ撮影は終わって、今は動画の編集をやっています。一番重宝している操作方法は、「command ⌘+ Z(直前の操作を取り消しできるPCのショートカット)」です(笑)。スプリット編集(音声と映像をずらしたりできる技術)やクロマキー合成(映像の背景を切り抜き、別の映像と合成する技術)、映像に字幕をつける方法などを覚えたり、できることがいっぱい増えました!」と小学生とは思えない、プロ顔負けの技術を身に着けつつあるようです。

クラブハウス加賀で一番楽しかったことは何かと聞いてみると、

画像5

クロマキー合成ができた瞬間は、縄跳びで二重あやとびが10回できた時くらいテンションが上がりました!あとはドローンを追いかける遊びも楽しい。家ではできない遊びができるから、友達にも勧めています!」とN君はいいます。

N君のお母さんにも、クラブハウス加賀の印象について伺うと、

画像6

「動画をつくる際など、困ったときに、クラブハウス加賀の方々がいろいろと導いてくれるのが非常に心強いです。今までも本人は『YouTuberになりたい』なんていっていましたが、自分自身が動画制作に取り組んだことで、より夢が具体化してきているようで、とても良いことだと感じています

また、クラブハウス加賀に訪れる前後で印象が変わったかという質問には、
「コンピュータやテクノロジーって聞くと、敷居が高いのかなと感じていたのですが、ここにくる子どもたちは、みんなもっと自由に発想しているようで、楽しそうですよ」と教えてくれました。

今後もやりたいことたくさん!

最後に、N君に今後取り組んでみたいことを聞いてみました。

画像7

「やりたいことはいっぱいあります!プロのYouTuberみたいにゲームの実況もやってみたいし、ぐずのゲームも作ってみたいし、友達とフィッシャーズ(人気YouTuberグループ)みたいなYouTubeチャンネルも作りたい。もし、ボクのYouTubeチャンネルの登録者数が10万人突破したら質問コーナーもやってみたいです!」と大いに語ってくれました。

N君がクリエイターとして活躍する日も、そう遠くはなさそうです。

***

コンピュータクラブハウス加賀からのお知らせ

画像8

石川県加賀市とNPO法人みんなのコードが運営するコンピュータクラブハウス加賀では、本年度もふるさとの納税を活用し、運営資金を広く募っています。子どもたちが「テクノロジーを通して自己実現する」ためには、まだまだスペックの十分なパソコン機器、アートや動画を探究するのに必要な設備などが整っていません。私たちは、子どもたちの才能の発掘からキャリアまでを描けるよう、最新のデジタル機材とロールモデル(将来の目指す姿)の提示ができる施設を目指しています。ぜひ、返礼品の代わりに未来への投資ができるふるさと納税へのご協力を宜しくお願いします(締め切り:~2020年3月30日)。詳細・応援はこちらから。