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【25】 意地でも私を"彼女"と紹介しない彼…深夜のクラブで三つ巴のバトル勃発!
このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間を
赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです
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<334日目> 若者集うナイトクラブにて
この日、私は元セフレの恋人イケチンに連れられて、知り合いが働いているというナイトクラブに入店していた。
20代前半の爆遊びしていた時期は、大阪・梅田のアウルや京都・木屋町のキツネなんかに足繁く通っていたので(多い時期で週4行ってた)、私もクラブ慣れはしてるんだけど、持ち前のぶりっ子スキルで「私、こういうとこ慣れてないんです…」感を全面に出しながら、彼の背中にもじもじと隠れてフロアに入った。(特に意味は無し)
一方で彼はと言うと、普段からコンビニ感覚でクラブに行く人だったので、場慣れ感は私の比ではない。
その場に行くと水を得た魚のようにスイスイと泳ぎ出し、知り合いに会っては語り、会っては握手し、会っては酒を貰ってと、休む暇なく動き回っていた。
私はそんな彼を横目に、1人でお酒を飲んでいたんだけど、とある女の子2人組が入店してきた瞬間に、彼がパッと顔を上げたのを見逃さなかった。
彼の姿を見て、キャイキャイ手を振る20代前半と思しき女子たち。
すると彼は、その子たちに軽く手を上げて挨拶したあと、私のほうに駆け寄ってきた。
イケチン「ごめん、知り合いの常連と会っちゃったから、少しだけカンパイしてくる」
私「だれ?」
イケチン「前に別のクラブで知り合って仲良くなった子。こしきちゃんと付き合う前だよ。クラブの常連で、実はちょっと借りがあるから、1杯だけ奢ってくる。いい?」
…え?
普通に嫌なんですけど。
なにそれ、"彼女の目の前で 昔クラブで知り合った女たちに酒を奢る"とかいうクソカスイベント、私聞いてないんですけど。
彼氏をつくったら、みんなそんなイベントが発生しちゃうの?
他の異性と近い距離感で仲良くしない、チャラい場所で出会った相手は基本的にすべて切る、それが恋人に対する責任とマナーなんじゃないんですか。
爆音鳴り響くクラブなんてふしだらな場所で、耳と口を交互にくっつけ合いながら、彼氏が知らん女とイチャコラするとか絶対嫌だよ。
私は「ダメ」って言いたかったけど、知り合いならば無碍(むげ)にはできないと思い、彼にこう提案した。
私「いいよ。でもその代わり、私もそこに連れて行って、彼女だって紹介して」
彼は「わかった」と即答し、人混みを掻き分けて彼女たちのいる方向へ歩いて行った。
私は彼のうしろにピッタリ付いて、ドリンクカウンターの前でお酒を選ぶ彼女たちに近付いた。
イケチン「ごめん、お待たせ」
女の子1「あー!イケチンくん!!インスタでイケチンくんがここにいるって投稿してたの見て、ユミが行きたい♡ってうるさくて…」
女の子2「本人結局遅れてて、まだ来れてないんだけどね」
イケチン「そうなんだ。なんか飲む?奢るよ」
女の子1「えっいいの!?ユミに嫉妬で怒られる〜ww」
…ん?
ユミって誰……?
私は胸がザワザワしたけど、きっとこれから彼が私を彼女だと紹介してくれるんだろうと思って、黙って隣でニコニコしていた。
ドリンクカウンターに4杯のテキーラが運ばれてきたので、女の子1・女の子2・イケチン・私の4人が横並びのままそれぞれショットグラスを持つ。
イケチン「全員テキーラ持った?よし、はいカンパイ!」
女の子1「かんぱーい!……?」
女の子2「かんぱい!…?」
いや、そうなるわ。
2人の女の子たちは、謎のアラサーが1人加わったテキーラカンパイに明らかに違和感を覚えていた。
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イケチン「じゃ、楽しんで」
イケチンは女の子たちにそう言うと、元いたテーブルにさっと戻って行った。
私は彼女たちに軽く会釈をして、彼の背中を追ってテーブルに戻った。
私「いやいやいや、ちょっと待って」
イケチン「なに?」
私「彼女だって紹介は?」
イケチン「え?知り合いとは言ったよ」
私「いや、それも聞こえなかったけど…知り合いとかじゃなくて、彼女って紹介してって言ったよね」
イケチン「いや、訊かれてもないのに"これ俺の彼女だから!"とか急にぶっこむのは絶対うざいって…」
私「いや、紹介ってそういうもんでしょ…あの子たちも"え?"ってなってたよ、いきなり知らん女1人交えてカンパイって」
イケチン「ならんって。クラブなんてそんなんばっかだよ」
私「でも私は彼女だって紹介してって最初に言ったよ。大体、ユミって誰?」
イケチン「普通にあの子たちの友達だよ」
私は腹が立って仕方なかった。
なんで私を堂々と紹介しないんだろう。
悔しくて仕方なかった。
どうしてこんなに隠されるんだろう。
セフレだったから、
一生懸命追いかけて捕まえた
価値の高い女じゃないから、
先にセックスをしたから、
そんなに好みの顔じゃないから、
いくらでも替えがききそうなBBAだから、
彼にとって大切な存在ではないから、
こんな扱いを受けている。
彼といると、私の自己肯定感はどんどん下がって、もう生きてる価値さえないんじゃないかと思えてくることがある。
それでも負けない、戦わなければ。
だって私はまだ彼が好きだから。
この気持ちがいつか潰れて完全に消えてしまうまで、この恋をがんばるって決めたから、私はこのときも泣き寝入りはしなかった。
私「もう1回、あの子たちの前に連れて行って」
イケチン「え?」
私「私を彼女だって紹介して」
意地でも紹介させてやる。
私の存在をコソコソ隠して、セフレ時代と同じような扱いはさせない。
私の扱いは私が決める。
こうして私と彼と、謎の女子たちを巻き込んだ三つ巴の戦いが幕を開けた。
夜のクラブでバトル勃発!
この連載は、私が夫と出会ってから夫婦になるまでの1000日間を綴ったドロゲス生モノ婚活エッセイです。
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-【26】へつづく -
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