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【71】 彼の中に、私が与えたものが残っている

このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間

赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです

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前回までのあらすじ

アラサーにしてセフレの"イケチン"に沼った私は、どうにかこうにか交際まで漕ぎ着けるも、度重なる彼の不誠実な言動に嫌気が差し、自ら別れを選ぶ。その後、条件最高で性格のいいハイスペくんと出会うも、彼のあまりにも残念なセックスに告白を断り、未練を感じていたイケチンと復縁する。しかし、彼の酒癖の悪さが問題となり、再び破局してしまうのだった。



<655日目> 泥沼破局から1週間

イケチンとの破局の翌週、妊娠検査薬の代わりに排卵検査薬を使い「これは妊娠してるかもしれない…」という結果を確認した私は、いよいよ母に事情を話し、一緒に妊娠検査薬を買いに行くことになった。

しかし、いざ薬局に向かう当日に最後の排卵検査薬を試してみると、昨日までとは打って変わって線が激うすになってしまっていた。

どういうことだろう…?と思いながらも、とりあえず街に出て、妊娠検査薬を2種類買って持ち帰る。

帰宅後すぐに試すと、1つは肉眼で見ればギリギリ分かるくらいの線が、もう1つは全くもって線が出ない…という結果になった。

そしてその直後、普段なら感じないような腹痛とともに、重めの生理がやってきた。


▼ 当時の実際の写真

上5つが排卵検査、下2つが妊娠検査薬


ネット上で色々と調べたところ、私のように生理直前に妊娠検査薬や排卵検査薬で線を確認したものの、その後徐々に薄くなって確認できなくなる状態を、"化学流産"というらしい。

化学流産って、妊娠検査薬では陽性反応が出るんだけど、実際には受精卵が着床しないまま流れていってしまう現象のことで、妊活してると割とよくあること(20代同士でも30%くらいの高確率)らしいんだけど。

私はおそらく、その状態だったんじゃないかなと思っている。


▼ 「おそらく化学流産した」と報告した当時の記事


私はこのことが分かった瞬間に、彼との最後の繋がりが切れてしまったような淋しさを感じて、でもこんな理由で復縁するのも本当は違うって分かっていたから、これで良かったんだろうな…と思うことにした。


その翌週、イケチンと別れて2週間が経つ頃には、私はもうそれなりに元気を取り戻し、長く滞在した田舎の実家から自分のマンションに戻っていた。

また今日から婚活を始めないといけないけれど、正直まだそんな気持ちにはなれない。

しばらくはゆっくり過ごそう…と思った私は近所のスーパーへ買い物に出ることにした。

平日の昼間だけど、イケチンは今ごろ何をしてるんだろう…
何気なくそう思い、久しぶりに彼の位置情報を見てみる。

すると、彼がなんとそのスーパーに居ることが分かった。

うわっ…これ、もし女とかと一緒にいたら…

家が近いとこういうデメリットがあるんだ。
生活圏が被っているから、見たくないシーンを見てしまうことだってあり得る。

でも、それならそうと気持ちに踏ん切りが付きそうだから、自分の目であえて確認しておくのもアリかもしれないな…

そう思い、私は予定通りスーパーへ向かった。


しかし私が到着したのは、彼がすでにその店を出て行った後だったようで、店内で偶然鉢会うことにはならなかった。

スーパーから一直線に伸びる道の先には、大きなレジ袋を持ってあのマンションへと帰っていく彼の後ろ姿が見える。(どうやら1人で来ていたらしい)

それにしても、買い物と言えば100%コンビニオンリーでスーパーなんて全く利用しなかった彼が、「食料品はスーパーで買いなさい」という私の忠告(← めちゃくちゃ普通のこと言ってる)を守って少し遠くのこのスーパーにまで足を運んでいることが、私は少し嬉しかった。

彼の中に、私が与えたものが残っている。

終わり方はたしかに最悪だったけど、2人で過ごした時間は無駄じゃなかったんだ。

彼のうしろ姿を見ながら、私はそんなことを考えていた。


ちゃんと身に付いていた


同時に、「せめてもう1度きちんと話して終わりたい」という感情が芽生えてきた。

あんなお互いに不快で史上最悪な終わり方じゃなくて、ちゃんとお礼を言い合って、この交際には意味があったよね、私たちは楽しい時間を過ごしてきたよねって2人が納得できる終わり方がしたい。

そう思った私は、彼の姿を見た2日後、あのトラブルの翌日からずっとスルーしていた「残った荷物はいつ返したらいい?」みたいな彼からの連絡にようやく返事をすることにした。


私「荷物はもう捨てて大丈夫!直接話したいことがあるからどこかで会える?」

わずか2分で返事が来た。

イケチン「分かった、できれば今日がいいんだけどダメ?」

まるで「待ってました!」と言わんばかりのスピード感。
こうして私は連絡を取った数十分後に彼と近所で落ち合うことになるのだった。


次回、2週間ぶりの再会


この連載は、私が夫と出会ってから夫婦になるまでの1000日間を綴ったドロゲス生モノ婚活エッセイです。スキ・引用・拡散・コメントどんどんお待ちしてます♡

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-【71】へつづく -

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