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【53】 ホラー映像…第三の女が、彼の部屋に泊まっている

このお話はセフレだった男女が
結婚するまでの1000日間

赤裸々に綴った超絶ドロゲス
ノンフィクションエッセイです

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前回までのあらすじ

アラサーにしてセフレの"イケチン"に沼った私は、どうにかこうにか交際まで漕ぎ着けるも、度重なる彼の不誠実な言動に嫌気が差し、自ら別れを選ぶ。
するとその1ヶ月半後、条件最高で性格のいいハイスペくんと出会う。しかし彼のあまりにも残念なセックスに交際を躊躇し、迷いながらデートを重ねていたある日、元カレのイケチンから「彼女ができた」という報告が。
その結果、自分の中の未練に気付き、ハイスペくんからの告白を断りイケチンとセフレ関係に戻るのだった。



<548日目> バレンタインデー翌日

バレンタインデーの翌日、実家に帰っていたイケチンから家に戻ったと連絡を貰った私は、2日ぶりに彼の部屋に泊まりに行くことになる。

部屋に着くと、彼女からの高級チョコレートが相変わらず開けっ放しのクローゼットの上段に鎮座していて、私をじっと見下ろしていた。

彼女はどんな装いでこの部屋を訪れたんだろう。
インスタの写真を見る限り、私とは真逆のラブリータイプの女の子だから、きっとふわふわのカワイイ服でこのチョコを運んできたに違いない…

彼女へのコンプレックスと罪悪感から、どうしてもその装いを見てみたくなった私は、彼がシャワーを浴びてる隙にインターホンの履歴を確認してみることにした。

ほんの出来心だった。
その姿を見たからと言って、私には彼を咎める資格なんてないし、どちらかと言えばこちらのほうが浮気をしている立場なんだから、むしろ罪悪感で撤退したくなるかもしれない…

いや、それ以前に、彼は彼女の映像も、そして私の映像も、履歴から消しているだろう。

だったら見たって意味はないかな…

そんなことを考えながら、インターホンのボタンを押す。

するとその瞬間、信じられない映像が現れた。





そこには私でもイケチンの彼女でもない、全く違う別の女性が映っていた。

しかも日付は2月14日、彼が実家に帰っていると言っていた昨日の夜だ。

それ以前の映像は、すべて削除されている。


その女性が手に持つ黒いカバンに、私は見覚えがあった。

そのカバンは今、この部屋のクローゼットの中にある。

おとといは無かったのに、今日急に現れたから、どこかに隠していたものを表に出してきたのかな、と安直に考えていた。

違ったんだ。

昨日、バレンタインデー当日に、私でも彼女でもない別の女が、この部屋に泊まっている。


他にも女がいたんだ…


もうほとんどホラーだった。

どんな恐怖映像よりも、その映像は恐ろしかった。

この1ヶ月間、私は彼との関係に迷い、その気持ちを度々伝え、彼自身も「やっぱりこしきちゃんと居るのが1番居心地がいい」「どうするか俺も迷ってる」と言っていたのに…


この瞬間の私の気持ちを一言で表すと、

私とイケチンと彼女の三角関係ですらなかったの!?

これに尽きる。

なんかもう裏切られたとかそんな簡単な話ではなく、彼の根底の人間性まで疑うような、衝撃的な事実だった。


こうして第3の女の存在に気付いた私は、彼がシャワーから上がってくるのを待って、その事実を直接突きつけ確認することにした。

私「ごめん、インターホンの履歴見たんだけど、これ誰なの?

イケチン「えっ…あー…」

私「昨日の夜は実家に帰ってるって言ってたけど、なんで23時台に女の人が部屋に来てるの?普通にオートロック開けてるし、あなたここに居たんじゃん。クローゼットの中のカバン、この女の人のやつでしょ?彼女と元カノの狭間で揺れてる男のフリして、あなたどんだけ遊び人なの…

泣くつもりなんてなかったのに、話してるうちにどんどん涙が溢れてきた。

私に泣く資格なんてない。

私はただの浮気相手で、どちらかと言うとむしろ悪いことをしている側で、本当に泣く資格があるのは彼と付き合っている今の彼女だ。

それなのに、どうしてこんなに涙が出るんだろう。

私は多分、裏切られたとか、嘘をつかれたとか、彼の「どちらと付き合うか迷ってる」みたいな優柔不断ムーブがただのポーズだったとかそんなことより、

彼本人が持つ人間性や倫理観が、自分の期待するレベルのものじゃなかったことが悲しいんだ。

それはきっと私の力ではどうしようもない。
彼の力でも変えられない。
「三つ子の魂百まで」ということばの通り、きっと一生変わらない個体値のようなものだから。

その事実に私は絶望したんだと思う。

バレンタイン直前の3日間に3人の女を代わる代わる自室に上げて、平然と過ごす彼の姿はまるでサイコパスのようだった。


そしてこの後、彼の口から語られる真実に、私はさらに絶望することになる。


次回、この女性の正体が発覚!


この連載は、私が夫と出会ってから夫婦になるまでの1000日間を綴ったドロゲス生モノ婚活エッセイです。

あまりに生々しい内容のため、これまでメンバーシップに格納していましたが…連載中間地点である【50話】の公開を機に、誰にでも読んでもらえる仕様に変更しました!スキ・引用・拡散・コメントどんどんお待ちしてます♡

▼ こんな状況からでも復縁したいと思った理由はこの記事に

-【54】へつづく -

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