#6【国家の復権】
『コロナ後の世界には』何があってほしくて、どうすれば皆が楽しく暮らせるのか、一つずつ自分の望みを書いていきたいと思います。チームプレー。
コロナ禍のもたらした面白い現象の一つに、グローバル化への懐疑と国家の復権がある。国民は未曽有の災害を前に、自己努力の責任を放棄してことごとく救済を求めて社会と内閣に泣きついている。自由な国家間の往来は感染症拡大の元凶と指摘され忌避されているし、他国よりも如何に自国でワクチンを確保できるのかの競争が水面下で行なわれている。
自国民を対象に雄弁に語りかけるリーダーの姿と比べて、協調を訴える国際機関の官僚は余りにも影が薄い。政府の対応を支持しない世論がはびこっているような国でも、もはや市民の眼の内には国家という対象が厳然とそびえ立っている。
世界や宇宙の視野から見れば、国家とは地域的な共助機構である。チームプレーの精神でお互いに認識し合えるちょうどいい範囲の人間とのみ、我々はこうした難局を乗り越えることが出来るのだということは、あまたの歴史的惨事が証明しているのかもしれない。今回のコロナもその一つとなるのであろう。
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