村木厚子(2020)『公務員という仕事』ちくまプリマ―新書

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厚生労働事務次官を務めた著者による、若者向けの職業解説本。公務員という仕事のやりがいを、当時数少なかった女性総合職としての視点も踏まえて、分かりやすく伝える。

著者は公務員キャリアの途中で郵便不正事件で逮捕・起訴されたが、無罪判決が確定し復職、その後厚労省官僚トップの事務次官まで昇り詰める。検察のミスをただ批判するのではなく、改革のために何が出来るのかを主に前を見るべきだと説く。

行政の在り方についても、公務員が情報を独占し国を領導していくのではなく、広く社会に開かれた中でNPO等サードパーティーの参画も得て、市民中心の行政を実現していく姿勢を説く。友敵を区別した硬派な流儀ではなく、物腰の柔らかいこうした姿勢がこの「村木厚子」という人物の真骨頂である。

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