辻村深月(2022)『傲慢と善良』朝日文庫

順調に暮らしていたはずなのに突如失踪してしまう婚約者。事情が分からず行方を捜す男性は、彼女の人生を少しずつ辿りながら想いを重ねていく。現代日本を生きる一人の女性と男性の傲慢と善良。やがて明らかになるすれ違いと選ぶということの結末。

恋愛や結婚というものがその当事者の全人格をかけて臨むことであるからこそ、好きという感情だけでは片付けられない。現代社会の生きづらさを隠すことなど出来ず、その全てに向き合ってようやく結論を得ることが出来るのかもしれない。ただそれでも、決してあきらめないでほしい。この物語はハッピーエンドだ。

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