太宰治(2006)『人間失格』新潮文庫

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男はあまりにも純粋で、人間の生臭い人間らしさに生涯翻弄される。社会にあってはその純粋さは弱さと呼ばれている。人間、失格なのだ。

不朽のロングセラー。私的領域に深く深く潜り込む感情文学の最右翼。著者の最期と同様の結末を受け入れるならば、「私」に入り込むことはこのようなことなのだろう。社会に生きなければならない私たちはそうは望まないから「公」を手に入れる。

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