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金原ひとみさんの小説を初めて読んだ(聴き読した)話

今回の話は他の以上にどうでもよくてしかも長い!!
誰も読まなくていいですよぉ。せっかく時間費やして書いたからアップするのと自分が読み返すようにアップしただけです。
ホント時間の無駄だから読まなくていいよ(しつこい。そういえば昔上司に
「ずっこい」(ずるいの意味)って言ったら大爆笑されたな。どうでもいいけど。ホント今回どうでもいいことのオンパレードだなぁ)

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私が本を、とりわけ小説を読むようになったのは社会人になってからだ。
元々映画は好きで兄がTSUTAYAでバイトしていた時期に無料で借りていたから兄趣味の選抜ビデオだったけれど一緒に見まくった。
我が兄ながらなかなかグッドチョイスだったと思う。ヒューマン系、サスペンス系、ミステリー系、アニメ。
兄の趣味だから「機動戦士パトレイバー」とかも見たよ。(絶対知ってる人少ない。ニッチ!)「AKIRA」も兄と見た。(こっちは有名。でも女子で見てる人少なそう)
でも有名なエヴァンゲリオン見たことない。(兄巣だった後上映されたやつだからねぇ)

でも兄がTSUTAYA店員じゃなくなってからは自分のお小遣いでレンタルしないいけないし、自分好みを厳選。
で、映画の原作小説が気になり出して小説に手を伸ばして文章の面白さに開眼するって流れで本を読むようになった。(多分?確か?....適当人生バンザイ!)

絶対原作の方がいいってわかってるのに、映画化された小説の原作読んでから映画見に行く癖がある。あれなんだろねぇ。自分でもなんでそんなことしたくなるのか不明。「あぁそうきたかぁ」って映画の演出やキャスティングに萌えーってなって満足する。たまに超ガッカリして悶える。結局小説の方が表現の内容量多くて満足感高いんだけどね(私には)。でも映像化されると見たくなっちゃうんだなぁ。まんまとやられてるねぇ。
(誰に?長男がミスった時によく「やられた!」ってほざいててその度に「自分で穴ほって自分で落ちてるだけやぞー」って教えてあげるけど、結局私に似てるってことか?汗)

ってめっちゃ話ズレた。

で、最近金原ひとみさんの『ナチュラルボーンチキン』ってオーディブルオリジナルの書き下ろしを聞いて(オーディブルなんでね)、めっちゃよかってビックリした。
何がビックリしたってそもそも金原ひとみさんは絶対合わないだろうと避けて通ってきた作家さんだったのだ。
芥川賞を当時最年少だったかな?20歳でとった新進気鋭の作家さんというのは知ってた。
映画化もされた有名な「蛇とピアス」。
なんかもうね、絶対私理解できないだろうなあってそっから金原ひとみさんを避けて通る人生でした。(大袈裟)

昔お兄ちゃんが借りてきて見た「ナチュラルボーンキラーズ」とか「トレインスポッティング」って映画。なんかオシャレで退廃的で…で、全然私には理解できずに終わった。あー私パリピなれないタイプなんだなぁと実感したね。(当時パリピなて言葉なかったけどね。)普通の一般家庭で育ち、キレるような美的感覚もない普通オブザ普通の子なんだなぁと実感。あーいう世界に憧れることもなくただただ「なんで?」の連続で何がいいのか理解できずに終わった。
同じように、会社の上司から勧められて読んだ村上龍の「限りなく透明に近いブルー」もさっぱりわからず終わった。理解の上を行きすぎてて、、、、
なもんで映画の情報からも同じような匂いを感じ取れた「蛇とピアス」はトライする前から理解できんだろうなで終わってた。なんなら芥川賞作家というのも素通りするポイントかも。今まで何度か芥川賞作家の本にトライしてきたけど「読んでよかったー!」みたいな本に出会えたことがない。言葉の選び方とかそういうところに萌えポイントがあるかもしれないのだがストーリー含めて「面白かった!」ってなったことがなくて、、、。なもんで又吉さんの本も読んだことない。
つくづくわかりやすい直木賞好みなんです。荒削りな宝石の原石探すよりも、成熟した文章やストーリーが好きなんです。

で、金原ひとみさん。
そう!芥川賞とったのはもう何十年も昔!!めっちゃ熟成してはる!!
だからなのか私も歳をとって許容範囲が広がったからなのか、キャラクター達が理解できる設定で、でも独特の色の濃いキャラクター達が自由に喋って行動して、その一つ一つがなんか納得したり面白かったり…どんどん引き込まれていった!

年齢も性格も全く違う2人が会社の全く交わる事のない部署でそれぞれ働いてたけど、ひょんな事から交流が生まれ一緒にランチしたり家飲みしたりする仲になっていって…って2人を中心としたストーリー展開をするんだけど、その中で出てきたセリフで刺さったのがこちら↓

・平木さんは無理して人をわかろうとしないところもいい。「わかんね」と切り捨てるというよりは保留のまま放置してる感じだ。そしてその理由がたぶん他人にあまり興味がないところもいい。…(中略)…実際わからない事に耐えられず敵か味方かとか、こっち側かあっち側かと判断したいがために人を自分の理解できるレッテルで雑にくくろうとしている人が多いのだ。そしてそういう人の多くは自分のレッテルからはみ出した途端相手に激怒したり切り捨てたりする。

→自分につけられているであろうレッテルとかが認識できて、そういうことだったのかぁって目が覚めたような気分になった。ホントは広い意味で差別とかそういうことの話なんだと思うけど、自分がちょっと違うことをしてそのせいでなぜか離れていった友達とか、話したこともない人から嫌われてるあぁって感じた経験とかそういうのが、こういうことからくることだったのかも?ってなんか納得してしまった。

・まぁ毎日つまらないですね。でも私はあえてつまらないを選び取り、つまらないを志し、つまらないを極めているので全く問題ありません。私はこのつまらないと自らの意思で同居しているんです。このつまらないだけが私を傷つけず私を容認しているのです。

→つまらないを選び取るって感覚が今まで全く持ち合わせてなかったからこの言葉を聞いた時に「選び取るってつえぇ!」ってなんか感心してしまった。

・私たちは年取るたびに歯石みたいに凝り固まっていって、もはや自分の力では打開できない汚れを積み重ね知覚過敏になるのだ。知覚過敏で死ぬことはないけれどアップデートできないということは少しずつ死んでいくということに等しい。私はそうして死んでいく年配者たちをいっぱい見てきた。新入社員の頃から敵はいつも年配の男性時々女性で今も敵は変わらない。そしていつか私もあそこの仲間入りするのだろうかと怯えてもいたのだ。

→う〜ん、アップデートできないことと知覚過敏が結びつかねぇ!(つかんのかよ!!)でもアップデートできないことが少しずつ死んでいくとか、老害を揶揄しながらも自分もそれになる可能性があることを客観的に見てる洞察力が素敵!って主人公に尊敬の念を感じた。

・「平木さん、私がいつか部長とかになったりして、いずれ若者たちに老害と呼ぼれてもおかしくないような弊害を及ぼすようになったらちゃんと注意してくださいね。」
 「浜野さんは大丈夫ですよ。自分が正しいと思い込んでないから。大体の害悪は自分が正しいと思い込んでいる人です。・・・(続く)」

→平木さんが遊んで暮らすパリピな人なのにめっちゃキレッキレの発言たまに出してて拍手!!って1人にやつきながら聞いてまう。

・(略)・・・普通の家庭で普通の人たちの中で育った普通に見えた人や、少し変わった人と捉えられていた人にとんでもない罪を犯してしまうポテンシャルが秘められている可能性があるということにショックをうけ、だとしたら自分の身近な人や自分自身さえも何かしら状況的に追い詰められたら犯罪者たちと同じような道を歩むかもしれないことがあるかもしれないということを改めてその可能性を考えとてつもない恐怖に駆られ・・・(略)

→めっちゃわかるって思ってしまった。兵庫県のサカキバラの事件の少年Aを考察してる本が気になるなぁと思いつつ、それを読みながら自分や息子にその可能性の片鱗を見て心配なりそうで怖いなぁって思って読めてない。私も犯罪者(殺人犯)と殺人を犯さない人の差って、隣の家の芝生は青いの逆バージョンのようにちょっとした環境の違いでどちらにも転れるんじゃないかと思ってしまう。

・どんな個体が当たるかわからないのに少なくとも18年間くらい一緒に過ごすことが確定している子どもを持つなんて恐ろしいことこの上ない。子供1人にかかるお金は全て公立校で2700万、全て私立校で4000万超えと言われるこの時代に平均しておそらく3000万くらいの課金をどのような性格や身体や性癖の持ち主かもわからないような存在にベットできる人たちもまた狂気に突き動かされているようにしか思えない。しかも3000万の課金のみならず自分の膨大な時間と労力を費やさねばならないわけで、職場によっては自分のキャリアや大きなプロジェクトも諦めざる負えない場合もある訳で、そう考えると若者や自由がないと耐えられないタイプの人が育児放棄やネグレクトの罪を犯してしまうこともそれなりに仕方ないことのように思えてくるし、今の時代人は30代になっても40代になってもそんなに老けないし、個体や気質を選べない子どもガチャと違って共通の趣味や境遇を持った人といくらでも繋がれるツールがあるし、娯楽に満ち溢れていていい歳してもいくらでも遊べる世の中だしお金がなかったとしてもTwitterとか動画配信とかで無限に楽しめちゃうよという時代に子供を持つためには、こども1人につき1000万くらいで育てられますよという補助がなければ子どもは減っていく一方だろう。いや、1000万だって大金だ。どんな個性、資質、体質の持ち主かすらわからない人を独り立ちできるまで受け持ち、時間と労力をどれだけ搾取されるかわからないのだから、子どもを産んだら1000万もらえますくらいが丁度良いのではないだろうか。さらに5歳、10歳、18歳の3回くらい、ここまでお疲れ様金として1000万くらい給付。つまり成人まで育てたら1人につき4000万。それくらいしなければ子どもなど持とうと思わないのがまともな考え方ではないだろうか。現在国が行なっている所得制限付きの児童手当だったり出産育児一時金などの少子化対策なんておはじきを弾いて間に小指を通すようなお遊びにしか感じられない。

→はぁ〜めっちゃ長かった。(汗)
 全部が全部納得ではないけど今の少子化の根源的なものがここに詰まってる気がした。本当に突き詰めて考えてしまうと結婚も子育ても選択しづらい世の中だなって思う。親ガチャって言葉があったけど、自分たちも当然のように結婚して子どもを産み育てる人生してるけど、そこまで深く考えずに子どもを欲して産んだなぁと思う。そして子育ての時間と労力に押しつぶされそうになって時々「なんでこんな思いせんとあかんのやろう」って自分が望んで飛び込んだ世界であるにも関わらずそんな事考える時あるなぁと思い当たってしまう。深く考えないからことできることなんかもしれん。

・おじさんというのは年齢ではなく属性です。私は若手の男性編集者が感じがよく物事の道理を理解していて察しのいい若者から物の数年で権力と金への欲望によりよくいるつまらないおじさんへと変貌していく様を何度も目にしてきました。この間まで同士とまで言えなくても普通に話の通じる人だった男性が突然おじさんというペルソナを被ってめちゃくちゃ偉そうな態度をとるようになる現象、現代的に言えばトキシック・マスキュリニティを手にしていく過程と言ってもいいかもしれませんが、これがおじさん化で、これは社会人になった時にどんな環境に身を置くか、どんな女性と結婚するか、どんな部署に所属してどんな風に昇進を経ていくかによって闇堕ちするかしないかが決定すると言っても過言でないほど外的要因に左右される印象が強いです。・・・(略)名誉男性として権力者側に認めらた女性が教育係になった場合も例外ではありません。・・・まぁまぁ大きい会社だと男性がおじさん化する事例がとても多いんです。その中でも闇落ちしにくいのが、インテリ、LGBTQ+や人種血縁によりマイノリティとして差別されてきた人たち、差別される可能性のある属性を持つ人たち、大きな病気をした人、つまりデフォルトマンとして弱者の気持ちを鑑みる必要に駆られることのない人ほどおじさん化しやすいんだと思います。

→めっちゃうんうんってなった。そして、そういう定義で見ていくとおじさん化してる人、若者でも女性でも結構おるなぁって思って、「おじさんみっけ!」って心の中で思ってる。(笑)逆におじさん化してないおじさんもいて、こういう風に歳取りたいなぁと自分のおじさん化も客観的に見ないとなぁと思う今日この頃。私の場合、子どもに対しておじさん化してる可能性大なので注意せんとなぁと思う。


とまぁ、初めての金原ひとみさんだったけど、めっちゃ言葉の選び方とか表現が好き!ってなって食わず嫌いは良くないなぁと思った。でもやっぱり「蛇とピアス」は読まんだろうな。今だからこそ通じ合えるっていうのもあるよね。
そう考えると苦手だなぁと思って通り過ぎた人々とも気が熟して分かり合えることってあるかもしれない。
そう言えば、私が中学時代の同級生で今も会う子って中学の時は全然グループ違って全く思い出ないんだけど、社会人になって不意に同じ電車になって飲もうぜってなって定期的に飲むようになって、その子の結婚式のスピーチまですることになったりした。あの時は共通の思い出が居酒屋で飲んだことがほとんどでスピーチの
内容四苦八苦したよなぁ。
あ、それで思いだした!当時(中学時代)好きだった人の好きだった人がその友達で私はフラれたんだった。スピーチもそのネタで会場ざわつかせたな(笑)
気が熟して出会った人は、もうそれは運命としか言いようがない!なんか縁があるんだわ。だから金原ひとみさんもこれから追いかけていこうと思います。

以上、どうでもいい話でした。




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