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支援は予測から始まる

支援は予測することから始まります。

ある事例

ある利用者の支援記録を読んでいたら、こんなことが書いてありました。

Aさんが席を離れたすきに、Aさんのお茶を飲んでしまった。人の物は飲まないようにお話をしました。

この利用者が、他の人のお茶を飲んでしまうことは今回が初めてではありません。また、この利用者は、自閉的な症状が強く、ある特定のものに対して強いこだわりがあります。しかし、それ以外の物や自他の区別を必要としません。

この場面において、利用者に他者の物を飲まないように、繰り返しお話をすることは大切です。しかし支援は、この利用者が他者の物を飲んでしまうような場面を作らないようにしなければいけません。この利用者は、何十年と「人の物を勝手に飲んではいけません」と言われ続けてきています。それでも、改善できないということは、その伝え方がこの利用者にはあっていない、と理解することが賢明です。

工夫する

たとえば、私が外国旅行をして、その国ではタブーとされる行為をしてしまったとします。それを現地の人に、現地の言葉で指摘されていると同じ状況だと思ってください。私は、その国の言葉がわかりません。

支援は、問題になる場面を作らないようにすることや、利用者が一番わかりやすい方法で伝えていくことがだいじです。

予測する

なにか問題になってしまう場面を作らないようにするためには、予測をします。その利用者がどういう行動に出るかを予測して支援者は動きます。また、その利用者に支援者の意図が伝わった場面を予測して、伝え方を考えます。予測して対応することで事故を防ぐこともできます。

支援者が予測をすると、利用者が嫌な思いをしなくて済みません。支援は予測することから始まります。また、その前に、いつも(意識して)見るということもだいじです。それが、法人の支援姿勢にある、「注意しない工夫」につながります。

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