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手違いから始まる運命


 時は 20XX年12月31日 大晦日
 日本時間 23時59分
 今年最後の仕事が終わり家に帰る途中の横断歩道
 青信号を渡る俺に突っ込んでくるBMW。
 「あっ。俺死んだ。」そう思った時には既に宙を舞って居た。

 俺の名前は、赤神 薫。(あかがみ かおる)
 今年46歳になったばかりの会社経営者。昔はミュージシャンを目指してメジャーデビューもしたくらいさ。
 まぁ 時代の流れで売れずに解散して引退してしまったのだが、俺の人生の中では中々華やいでいた時期でもあったなぁ~。なんて自己紹介はこの辺りでいいか。
 今まさに俺は車に轢かれて死んでしまったわけだが。

 目の前に居るのは死神かはたまた天使か。
 真っ白な空間とはまた違う風景の場所に俺は佇んでいる。
 「ここはどこなんだろう」そんなつぶやきが口から洩れた。
 そのつぶやきに答えた存在が居る。
 でも俺にはそれがなんなのか認識出来ずにいると 
 つぶやきに答えてくれた存在からひと言。
 「おかえりなさい」と。

 姿が見えない存在から「貴方はもともと地球と言う惑星に生まれる予定のなかった存在だ」と知らされる。

 そういえば、両親や妹とも似ない容姿だったのを思い出す。
 日本人にしては、金髪で目の色も緑色と独特で。世間一般には隔世遺伝では?ともまことしやかに囁かれた。
 だが、赤神家は家系図を見てもどこにも海外勢はおらず 純日本人の家系であった。
 だから、母親が不貞を働いて出来た子供なんてのも昔は言われていた。
 性格からすると父親にそっくりの俺は、まぎれもない赤神狂真朗と赤神響子の子であることがDNA鑑定でも判明していた。

 そうか。俺は地球に生まれる魂ではなかったのか・・なんとなくだが腑に落ちた。
 皆黒髪黒目の家族に一人金髪緑目の子供。不自然でしかなかったのだから。

 俺がうんうんと唸って考えている時、目の前に現れた一人の女性と一人の老人が。
 女性はスーゲ王国で信仰されている女神と老人は地球の創造主所謂神様だった。
 女神「貴方を地球に生み落としてしまってごめんなさい」
 神様「こやつの不手際が原因で死ぬことになってしまってすまんかったのぅ」

 神様の話によると、俺は地球とは別の星ハレ―チンと言う処で生まれる予定だったらしい。
 スーゲ王国の国王の息子として生まれる予定だった俺はなぜか目の前にいる女神の不手際の末 地球の日本に生まれることになったようだ。
 と。言う事はだ。。俺と同じ境遇の奴がもしかしているのかもしれないと思い神様に聞いてみたらなんとビンゴ!!

 本来地球の日本に生まれる予定だった魂をスーゲ王国に俺の代わりに生み落とされてたい魂があった。

 

 その魂は、生まれてすぐ捨てられ奴隷として14年と言う短い人生を終わらせたばかりだという。
 これからその魂は地球の日本に・俺はスーゲ王国の国王の元に。
 時間の流れを本来の時間に戻して、俺たちを生まれ変わらせるという仕事を本来の生を全うできるように。
 女神は終始土下座スタイルで。神様は呆れながらも説明をしてくれた。
 俺が説明を受けている時、地球では伊弉諾尊様がまさにスーゲに生まれ地球に生まれなかった子に説明をしている処とのこと。

 来世はお互い良い人生を送ろうなと 俺は心の中でそう願った。

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