暁と月夜の秘密

　月夜が幼稚園へ上がる年になった。時間の流れは速いもので、月夜も4歳である。
　新年の挨拶と共に誕生日も一緒にやる。なんせ1月1日は月夜の誕生日だからだ。
　去年の11月に月夜をどこの幼稚園へ入れようかと話してた所に、白夜と暁のインターナショナルスクールの中にある幼稚園に入れたらどうだ？と。
　高天原家の日常会話は基本英語だ。だが色んな国の言葉を理解している我々と同じように月夜も日常会話は英語だ。だからと言って日本語が出来ないわけではない。

　日本語もちゃんと話す。喋り始めたころはまだ日本語が殆どだったが、幼いながらにも英会話のTVアニメや教育TV等を観ていたからなのか、英語は通常装備となっていた。
　俺や、月読が会社に行ってる間、白夜が学校へ行ってる間、月夜は暁とお留守番なのだが。1日の殆どを暁と生活している月夜は、日本語のマスターは凄く早く　言葉を発し始めたころには既に色々知って居て驚いたくらいだ。その後半年も経たない間に、英語を話している事に気づき、暁には「いつから　月夜は英語で話してるんだ？」と聞けば。

　「兄貴は月夜に対しての注意力散漫だ」と言われた。

　確かに俺は、注意してみていないと　気付けないことを月夜はやってのけているのかもしれないなと思った。

　でも、俺にはちょっと難しいな。結局俺って子供に興味のない親って思われても仕方がないって思う程育児に関わってこなかったからな。

　東京都白金国際学校附属国際白金幼稚園に4月から入園。

　同じ年に、同級生の葦原　桜生の息子の秋人も入園するようで。多分だが、秋人の能力的にも月夜に引けを取らない状態ではないのかなと想像できるほどである。

　桜生はわけ合って父子家庭ではあるが、愛情溢れた男だ。男手一つでなんなく子育て出来ちゃってる辺り尊敬ものさ。

　天津甕星(アマツカミボシ)貿易株式会社の専務取締役を務めている強者さ。
　彼の会社は、祖父が社長を務める会社であり先代・先々代と社長、会長職を務め桜生も現社長が引退もしくは会長職へ上がる時に社長職へ就くことが決まっている。

　秋人が会社に入る頃までには、社長職を継いで盛り立てて行きたいって話していたのを覚えている。
　そんな葦原家の長男と同級生になるのだ。入園後どんな会話が繰り広げられるのか。
　勿論、国際学園付属の幼稚園だから日常会話は英語であろう。
　多国籍な学校だ、色んな国出身の子が通う学校だから英語の他にも独逸語・葡萄牙語・仏蘭西語・阿蘭陀語・中国語・韓国語等々他にも沢山の言語が飛び交うであろう。
　月夜は何か国語話せるのか、今後注意深く気にしながら生活してみようと思った。

　暁に聞けば一発なんだろうけど、それじゃなんか癪に障る。今度こそ自分の力で…(ヤル気)

　(暁　視点)

　兄貴が何やらコソコソしてるんだが。一体何やってんだぁ？
　月夜と2人で、何やってんだろうなと話してたらコソコソと何かを家中に設置し始めたではないか。
　何をコソコソしているのかと思えば、観葉植物の裏や本棚の中などに小型カメラを仕込んでいるではないか。これは自分が月夜の成長を追えて居ないから苦肉の策に出たなと。勿論オレは優しいから知らんぷりしてやろう。
　月夜が気づいてもオレは知らんぞ(笑)

　兄貴がカメラを設置して何やら探ってるもよう。日頃俺と月夜が何を話ししてるのかとか何語を操ってるのかとかを観てたらしい(笑)

　何日か溜め撮りをしたようで、後から月読さんと観るんだろうなぁ～(笑)

　きっと度肝抜かすに決まってる(笑)

　あの2人の驚く顔が目に浮かぶぜ。まったく

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　※学校名はこちらの設定で作られた架空のものです。
　高天原と言う苗字に関しましても　設定で作られた架空のものです。