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自己紹介

「もう少ししたら、月夜と暁が帰ってくるから待っててくれ」と言われ。「どこかに出かけてるのか?」と聞けば、なんでも楽しみ過ぎて夜更かしをしてしまったようで暁くんの家で寝てるそうだ。

 さすがに暁くんの家の方は家族のテリトリーだから僕ら親子は入れないが、電話をしたらすぐ行くと返事があったそうだ。

 家の中に招き入れられ、談笑していたら玄関から「ただいまぁ」と言う言葉の後に何故か英語で話す2人分の声がする。俺が冷や汗をかいてワタワタしていると、高天原親子はクスクスと笑って、俺も秋人も「え?え?え?」となってしまい、部屋の入ってくる2人を見て日本人だとホッとした直後に違う意味の爆弾が投下された。

 「Leuk je te ontmoeten」 と。今小さい子の方から聞こえたんだが俺の耳おかしくなったか?と思ってしまうほど衝撃的な爆弾だった。そう彼は「はじめまして」と言ったんだと直感的に解ったが、秋人の頭の上には???がいっぱいだったに違いない。

 僕は日本語で「はじめまして」と返してオランダ語で話した彼はにこっと笑顔を見せてくれた。
 高天原に「おまえよく冷静に返事出来たな」ってある種の試験みたいなものだったらしく流石にぶっ飛んでるなぁと思ったよ。

 心配になって秋人を見たら目をキラキラさせて、月夜君と思われる子を凝視。穴が開くんじゃないかって思うくらいに。これは心奪われたなと少々心配にもなるがそのうち現実が見えてくるだろうとそっとしておいた。

 阿須波たちもこれは出会い方間違えたか?と少し心配していたようだが バーベキューが始まればまた状況が変わるだろうと。

 「今日は天気も良いし、外でバーベキューだな」と阿須波の言葉に子供たちは「わーい‼」「今日は雨が降ったらどうしようかと思っててるてる坊主沢山作ったんだよねぇ~」と白夜君の可愛い発言。

「僕も手伝ったよ」とムキになる月夜君。
「しかし阿須波、よくこんな出来た子がお前の遺伝子から出て来たな」と言えば「俺だけの力じゃねぇよ。月読が居たからそっちの遺伝子が多めだろう。たぶんな」
 その発言を聞いて「あぁ~なるほどな」と言えば「失礼な‼」と返ってくる。
 俺たちのやり取りを聞いていた暁くんと月読さんはクスクス笑っている。

 「秋人、自己紹介しようか」と問えば、「初めまして、葦原あしはら 秋人しゅうとです。4歳です。よろしくお願いします」と言えて偉いなと頭をついつい撫でてしまった。
 じゃぁ僕たちもと言わんばかりに「初めまして、僕は高天原 白夜・14歳。もうすぐ中3だよ」
 「はじめまして。高天原 月夜 4歳だよ。よろしくね」

うちの子が真面目なのかこれが普通なのか解らなくなるが子供らしい自己紹介だな。うんうん。
 そう、うちにはまだ紹介したい子達が居るがあの子は京都の祖父母のところへ行っている。「そういえば、神流くんはどうしたの?」と聞かれ「今、京都の祖父母の所に行っているんです」と言えば「あ…奥様のご実家の…」ってかえってきて「えぇそうなんです」と返して置いた。深く追求してこない彼らには察しな部分な話だろう。

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