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規格外②

 子供達は一度解散して各々部屋に戻ることになった。

 「彼らもこれからお昼寝ですか?」と聞けば彼らはこれから宿題をしたり講義を受けたりするそうだ。

 どんな授業を受けてるのか見てみたいと試しに言ってみたら、月夜くんの講義を覗いてみると良いと勧められた。
 白夜くんの方は完全に学校の宿題だからという理由で、白夜くんからも月夜くんの方を勧められた。「うちの月夜は完全に規格外だから、きっと開いた口が塞がらないってなるはずだよ」と言われた。

 なんでも高天原家には書庫ならぬものが存在するそうで、図書館か?と言う程本が沢山の部屋があった。

 そこには机があり、PCデスクもあり。月夜くんの勉強部屋として2歳から使ってるそうだ。
 喋り始めてから文字の読み書き等はずっとこのスペースで暁君とマンツーマンでやっているそうだ。高天原夫妻が仕事へ行っている間、暁君が月夜君の面倒を見ていたらしい。

 だから、日常会話は全て英語で統一して読み書きも完璧になったころ他の国の言葉も織り交ぜて会話をするようになったという。

 「子供の頭って凄い吸収力の良いスポンジなんですよ。きちんとした教育を施すと、全部吸収してくれるんです。つい楽しくなって色々教えていたら、こんな感じになっちゃってアハハハ。それで以前通ってた大学の教授陣とオンラインで引き合わせたら、小・中・高の授業はほぼperfect。今は大学2年生の生物や科学を重点的にやってるところです。歴史は今年の秋から始めるので予習も兼ねて少し触れてるって感じですね」

 「あははは(;^_^A ちょっとどころじゃなく規格外だったんだね。月夜君は…」
 「しかもあの見た目だ、きっと将来はモテモテ間違いなさそうだ」
 「うちの秋人が普通に見えてきた」
 ほんと、白夜君が言っていたように開いた口が塞がらないとはまさにこれの事。 

 どっと疲れた感じがしてリビングに戻ると、阿須波に「どうだった?」と聞かれて乾いた笑いが出たのは仕方がないのではないだろうか。

 そうこうしていると、秋人が起きてきた。部屋のドアを開けていたからリビングに俺が居るのが見えたのか走ってきた。

 時間にして約2時間程の昼寝。時計を見ると18時になる少し前だった。

 台所にある電話を月読さんが受話器を上げると、2階からcall音が複数する。
 一つは白夜くんの部屋からだろう。もう一つは「ごはんよ~」と言う着声?後はiPhoneの着信音が2種類かな。

 「ごはんよ~。って言うのは廊下に設置してるスピーカーからなのよ。」と月読さんが教えてくれた。「しかも六合のお母さまの声で」と付け足して。

 各々色んな所に居ることがあるからね。たまに暁くんと月夜は、外でご飯を食べることもあるから外の時はちゃんとmail入れるようにしているそうだ。

 


 


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