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4.完全競争市場

前提


企業の目的・・・利潤の最大化
利潤 = 収入-費用
収入 = 価格$${\times}$$供給量

完全競争市場


まったく同じ財を非常に多くの企業が生産・供給している
⇒各企業は価格を設定できない(高くしてももっと安い企業から購入するため)。市場で取引されている価格で好きな量を得ることができる場合を考えている。

収入は供給量に比例する。あるいは供給量を1個増やすと価格だけの収入を得る。「需要と供給が~」という話をするとき、ほとんどの場合この完全競争市場を想定している。

費用


生産量を増やすと原材料費等が増加する
⇒生産量を増やすと費用は増加する

ここでは、企業は在庫を持たない場合、つまり
生産量 = 供給量
の場合を考える。

供給量を1個増やすと
収入の増加 = 1個の価格分
費用の増加 = 1個生産するのにかかる費用

つまり
収入の増加 > 費用の増加 ⇒ 供給量の増加により利潤も増加
収入の増加 < 費用の増加 ⇒ 供給量の増加により利潤も減少

1個生産するのにかかる費用

・平均費用・・・費用を生産量で割ったもの。つまり平均して1個あたりの 
生産にかかる費用
・限界費用・・・もう1個生産すると費用はどれだけ増えるのか、1個ごとにかかる費用がことなる可能性を考える

下に例を示します。

限界費用の例

これをグラフに起こすと、

限界費用曲線

このようになります。
またそれぞれの点を結んだ線が限界費用曲線となります。

限界費用曲線と費用の関係

3個を生産する時のコスト

この様に、限界費用曲線の下の四角形の面積の大きさが費用の大きさになります。

限界費用曲線と利潤


逆に価格と限界費用曲線の間の面積の大きさは利潤の大きさになります。

価格が50円のとき何個生産すれば利潤を最大化できる?
価格と限界費用曲線の間の面積が最大になる個数を見つければよい

よって、利潤が+に留まっている5個まで生産・供給すればよい

※実際には限界費用曲線は連続な曲線を描く関数として表すが、その時最大利潤は一目でわかる。何故なら関数を微分した値が正つまり、増減が正のときでしか最大利潤はありえないことが自明だからである。

限界費用曲線と供給曲線のグラフは互いに、縦横軸・単位が同じで曲線の形も同じになる。

また、収入から費用を引いたものが利潤であると話したが、この利潤のことを生産者余剰という。


まとめ

・完全競争市場を想定する
・企業は利潤の最大化を目指す
・利潤=収入ー費用
・限界費用曲線を見れば、利潤を最大化する生産・供給量は一目で分かる
・利潤は生産者余剰

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