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「ファンドの歴史上最速でのシード投資決定だった」DNX倉林陽がCloudbaseの可能性を語る

8月24日に公表した弊社Levetty株式会社の資金調達を機に、リード投資家として参画頂いたDNX Ventures マネージングパートナーの倉林陽氏と弊社代表岩佐との対談を行いました。

出会いは海外投資家からの紹介。「チームを見て決めた」投資の背景とは。

岩佐:
まずはDNXさんとの出会いについて振り返りたいと思います。倉林さんと田中さんとは3月頃にArena Holdingさんからのご紹介で初めてお話させていただきましたが、そこからかなりスピード感をもって投資決定をしてくださりました。意思決定の理由や背景についてお聞かせください。

倉林氏(以下倉林):
まず、もともと僕たちがクラウドとSaaS領域にフォーカスしていることが大きかったです。

Arenaからクラウドセキュリティをやっている会社があると紹介されたときに、領域がストライクゾーンだったので、ぜひ話を聞きたいとなりました。 市場やペインについての理解がもともとありました。

次に、やはりArenaというファンドをリスペクトしています。特に代表のFerozはTiger Globalでも大成功してきた人ですが、彼は相手の歴史に敬意を持ちフラットに付き合う人。僕も最初に話したときから心を持っていかれていた。とにかく事業理解力と人間力があります。

スタートアップが新しい道を作り出そうとしてることに本当のリスペクトがあるから、すごく素晴らしい投資家だと思っていました。

そのFerozがぜひ紹介したい、良かったら一緒に投資しないかと言うので、これはきっととんでもない可能性を持った会社だろうと思いました。海外では同じ領域でWizという圧倒的に成長している会社があり、同じく日本でもすごくなりそうな会社を見つけたと言うんです。

一方で彼らは日本人ではないため、相対的に日本の起業家と比較したときに、このチームが良いのかどうか判断がつかない。だからあなた(倉林)にCloudbaseのことを見てみてほしいということだったと思います。

彼らはテーマドリブンでCloudbaseに惹かれていましたが、僕たちはどちらかというとチームが良いかどうかに興味があってお会いしました。すると、Levetty社の皆さんは僕らが普段接してる会社と比較しても圧倒的にお若かったので、非常に驚きました。

岩佐:
当時の我々の第一印象はいかがでしたか?

倉林:
ご存じの通り、DNXはキャピタルゲインを追求するベンチャーキャピタルファームですが、社会に貢献する会社に投資をしたいと思っています。成功した暁には社会に還元する。

わかりやすいイメージで言うとSansanの寺田さん。成功したら学校を作って、学費を無料にして、次世代を担う若者をサポートするみたいな、そういうのがすごく素敵だと思います。そういう会社が増えてほしい。

そんな中で、岩佐さんと小川さんはお若いのに、真面目で信用できる方という印象でした。起業家との信頼感を大事にしている我々とっては、お二人の人間性は安心材料であり、応援しがいがあると思いました。

岩佐さんは社会人経験がなかったとのことで、どんな方なのかなと思いましたが、お話する中でエッジを感じました。小学生時代にゲームを解析してポイント取っていたという話をしていて、とんでもない人だなと。起業家はそういう突き抜けたところが必要です。人と違うことをしてしまえるとも言えるかもしれません。

また、素直で傾聴力が高いということも大事にしています。起業家はビジョンを持って新しい道を作りますが、ビジネスをやる上では投資家やお客様、社員の声も聞きながら、消化することが必要です。プロダクトアウトになってはいけない。やはり買っていただけるものを作るためにはお客様の声を聞かないといけない。

逆に、傾聴力がない方に投資をすると、VCができることはあまり無いんですよね。いろいろお伝えしても聞いていないとなると、僕たちがいても意味がなくなってしまいます。

そういう意味で僕たちは、傾聴力があるかどうかを見ていましたが、お2人はその部分でも強いなと思いました。 そういう人たちは何か課題に直面しても、矢印を自分に向けて成長することができるので、さらにすごい会社になりそうだなと最初のミーティングで思いました。

田中氏(DNX Ventures Investment VP):
岩佐さんはかなりテッキーなバックグラウンドでしたが、最初からビジネスサイドの小川さんを仲間にできていて心強いなと思いました。しかも小川さんは小川さんで山っ気があって面白い人です。

また、DDの中で覚えているのは、岩佐さんがインターンをしていたある大企業の方とのリファレンスコールでした。「岩佐さんが当社のIT文化を大きく変えた、本当に恩があります」と仰っていました。

倉林さん:
「岩佐さんが何を作っても買います」と仰っていましたね。その方と岩佐さんは親子くらいの年齢差があるにもかかわらず非常に信頼されており、大人と大人のちゃんとした付き合いをされていたんだなと思いました。

僕なんか25歳のときには1ミリもそういうのはなかったですよ。(笑)
岩佐さんはちゃんとした学生時代を過ごしてきたんだなと思いました。

田中:
小川さんも前職の方から非常に愛されていて、すごい良いチームだと最初から思いました。

倉林:クラウドセキュリティという成長領域において、Cloudbaseは日本における先行者であり、チームもいい。

また、やはりスタートアップは人を集められないといけませんが、メンバーが急拡大しているのも何より嬉しいことです。Cloudbaseという事業が面白いからこそ、どんどん人が入ってきてくれてるんだと思います。

Cloudbaseの事業領域は間違いなく広がっていくはずなので、短期的な売上ばかりでなく、じっくり取り組んで頂きたいです。

DNXファミリーに属することで、当たり前が変わっていく

岩佐:
僕たちとしても、DNXさんに味方になっていただけてからすごく変化を感じています。DNXの投資先の皆さんがどう成長したかの事例をたくさん紹介いただけたり、様々な先輩やお客様をお繋ぎいただいたり、事業成長にダイレクトに効くサポートをしていただいてます。

倉林:
これからもっとお役に立たないといけないなと思ってます。

岩佐:
DNXさんの繋がりで、Sansanの寺田さんとお話できたり、マネーフォワードの辻さんもご紹介いただりして、事業も人生もすごく変わりました。

倉林:
彼らのような先駆者のおかげで、日本でも優秀な人がスタートアップに挑戦するようになりましたよね。一方で、彼らが神様のような天才であるということではなく、若い人には追いつき、追い抜いてみせるという感覚も持って欲しいと思っています。

良い意味でそう思うことが大事で、「この人が行けるなら俺もいける」というのがシリコンバレーで起きていることです。アメリカでは大学の隣の席の人の会社が買収される、みたいなことが普通にあるから、俺もできそうだなと自信がつくんです。日本でももっと起業が当たり前、という感覚をもっと作っていきたいですね。

岩佐:
「当たり前」の水準が急速に変わっていく感覚はありますね。

倉林:
そうそう。スタンダードが上がってくるのがいいことなんです。スポーツでもそうですけど、良い集団にいると、全体のレベルが上がります。最初はついていくのが大変でも、大阪桐蔭の野球部にいたら気がつけば150キロの球を打てていた、みたいなことがあると思うので、そういう雰囲気というか、グループを作ることが大事ですね。

岩佐:
我々は若いということもあり、特にその恩恵を受けていると思います。業界を引っ張っている年上の先輩方と接する機会はあまりなかったので、DNXさんに仲間になっていただけて本当に変わりました。

倉林:
まさにそういった学習ができるチームなんだろうなと思っていました。
投資後も、お客様に対する接し方や我々に対するコミュニケーションなど、本当に誠実で丁寧に取り組まれていて、チームとしての完成度が非常に高いなと感じます。

やはりこの哲学的なところが一番難しいところで、最後はやはりそこだと僕は思っています。テクノロジーとか市場とか色々ある一方、「自分たちが何をすべきか」や「人との信頼を大切にする、感謝する」などが大事なところで、最後はここが勝負をわけると思います。

この哲学的な部分は、人間一生にわたって修行していくことになるので、ぜひ引き続き頑張っていただきたい。今もすごく良い状態だと思っています。

SNS経由で大企業への導入が決定?Cloudbaseが捉えるバーニングニーズと圧倒的なプロダクト開発力

岩佐:
投資から4か月くらい経ちますが、当初の想定からのギャップはありましたか?

倉林:
ネガティブはないですね。ポジティブばかりです。この領域のプロダクトはエンジニアのクオリティが絶対的に大事ですが、皆さんはそのバックグラウンドも活かして、本当に心強い仲間を獲得できている。

ここは他の人たちが真似しようとしてもできないところで、絶対的な差別化です。同じようなことをやろうとしても同じクオリティのメンバーは揃えられないので、この点は予想以上に良かったと思っています。

また、他のスタートアップがみんなエンタープライズ獲得にあんなに四苦八苦しているにもかかわらず、SNS経由で話しかけて大企業からの受注を獲得したと聞いた時は本当に驚きましたね。「何を言ってるの??そんなことあるの??」となりました。これだけ長くVC業界にいますが、初めて聞きました。

つまり、クラウドセキュリティという領域にはそれだけバーニングニーズがあるということです。SNSで知らない会社が急に連絡してきても怪しいと思うじゃないですか。それでも話を聞くのは、絶対ペインがあるからです。

また、お話するところまでは行っても、信頼して注文してもらうこととは大きなギャップがあります。それを乗り越えている皆さんはやはりきちんと信頼を得ていると思いますし、プロダクトも初期段階から一定以上のバリューを出せていたということです。

これはもう、シードで投資するのにこれ以上想定できない、揃いすぎなぐらいの状況ではありました。他のVCがタームシートを出してきても、これはもう取りに行くぞと思っていました。

また、日本のスタートアップエコシステムのためにも、Arenaとシードで共同投資できるこの格好良い座組みを絶対、実現しないといけないと思ってました。結果的に実現し、本当に素晴らしい形になったと思っています。

今のところコンサーンはないです。順調すぎるぐらい順調です。むしろ逆に焦らないでほしいと思っています。あとは、バリューを磨きこんでいったり、良いメンバーをちゃんと揃えていくといった部分を丁寧にしていただきたいです。

岩佐:
我々はこれから仲間を増やしていくフェーズですが、どんな方がCloudbaseに向いてそうですか?

倉林:
クラウドのセキュリティは本当に最先端のテーマです。他の会社も面白いですが、この伸びていく市場のエッジのところでイノベーションを起こせることに、楽しみ喜びを感じられる人が向いていると思います。海外でもないような、良い技術を持ったスタートアップといったところに誇りを感じていただける人に入ってもらいたいですね。

また、皆さんのように、お客様や会社のためにベストなことをOne Teamでやっていける方々を徹底して採用していただければと思います。

「Cloudbaseは普通の会社ではない。」我々の今後に期待することとは

岩佐:
ぶっちゃけ、今のCloudbaseの評価はいかがでしょうか?

倉林:
実は、皆さんとお会いしてから投資を決定するまでは、DNX史上最速でした。また、ここまでお伝えした通り、全く心配はないです。

僕はCloudbaseのロードマップに非常に関心を持っていますが、会議するたびに面白い計画を聞かせていただけています。この領域はできることが沢山ありますが、皆さんのような優秀な経営陣が市場を開拓していくと思います。

そういえば、ArenaのJackとランチ中の会話で印象深いものがあります。「シード投資だとしても君はCloudbaseにフルコミットするべきだ」と言われたんです。

「Cloudbaseは普通の会社ではない。とんでもない可能性を秘めた会社なんだ」と、彼は言っていいます。彼はそのぐらいCloudbaseに賭けていますよ。

Arenaのファンドサイズはとんでもないので、今後彼らだけでもずっと追加投資できるレベルです。そんな人がここまで可能性を感じてくれてるのは大変素晴らしいことだと思います。

DNXからも新田・田中という優秀なメンバー2人でサポートさせていただいてますが、僕もなるべく定例などに出させてもらってます。最初からフルコミットでやっていきます。

岩佐:
お三方には本当にお世話になっています。また、上野さんのPRの面でのサポートや、大久保さんの顧客開拓のサポートなど、DNXチーム一丸でのサポートが非常に心強いです。

最後に、今後のCloudbaseに期待することを教えてください。

倉林:
まずは日本のクラウド市場で圧倒的リーダーシップを取ってほしいです。日本の市場は特異性がありますが、そこをローカルの会社として攻略してほしい。圧倒的な優位性を生かして市場を広げて、日本のデジタル化に貢献しなきゃいけないですよね。

日本のクラウド化は本当に遅れていますが、そこを推進する一翼を担ってほしいし、将来的には海外にも出てほしいなと思います。日本発で世界を取れる会社になってほしい。

弊社投資先コミューンの高田さんは、今その道を開こうとしてるわけですけども、そういうことにチャレンジしてもらえたら非常にワクワクします。これをシニアの人がやろうとしてもなかなかできない。20年代という若い皆さんだからチャレンジできる。

大企業が力を失いつつあるこれからの日本で、20代の皆さんに寄せる期待は大きいです。すごい会社にならなきゃいけないし、なってもらえると思う。すでに非常に良いメンバーがもう集まってる。20代だからこその技術志向のスタートアップとして大成功してもらいたいし、すごく期待しています。

岩佐:
我々も倉林さんが寝る前に見る投資先リストで、安心いただける活躍をしたいですね

倉林:
良く知ってますね(笑)僕は投資先のリストを寝る前によく確認してぐっすり寝ています。シードの中から良い会社が勝ち上がってきて次のシリーズに行くわけですが、Cloudbaseにはめちゃめちゃ期待しています。シリーズAで早く投資させていただきたいです。

岩佐:
倉林さんが安眠できるように、僕たちも頑張ります!

Cloudbaseに興味のある方はぜひカジュアルにお話させてください!

採用情報:https://levetty.co.jp/recruit

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