「打点の実質的な価値」の期待値をまとめました②(東2-37000点-トップ目)

ども、くろっくです。

打点の実質的な価値をまとめるシリーズの第2弾です。


今回は下の状況です。

東風戦・歌舞伎ルール
東2局・37000点持ち0本場
現在北家(東1東家スタート)
北 37000(自分)・東 21000・南 21000・西 21000

ここで「自分が1000点や8000点をアガった場合の価値」はどの程度なのか?

あるいは「親の12000や子の8000を放銃した時の実質損失」はどんなものなのか?


ちなみに東1局バージョンのnoteは既に書いてます。


若干の前置き

表を出す前に「どのように打点の価値を査定したのか?」について言います。

具体的に言うと、打点を祝儀に換算することで打点の実質的な価値を把握するという査定手段です。


フリー麻雀には「打点変動による着順に影響する期待値」と「目の前の祝儀の期待値」の2つがあります。

そしてそれぞれ特徴があります。

打点変動の期待値=曖昧なもの
半荘精算で複雑なうえに、状況によって変動するから
祝儀の期待値=明確なもの
一局精算の即金なので単純だから

今までだと「祝儀を打点に換算する」というのが主流でした。(10000点相当の祝儀とか)
しかしこれだと打点の本当の価値が分かりづらいわけです。というか明確な物体を曖昧な物差しで計測しても良くわからないですよね。

そうではなくて「打点を祝儀に換算する」で考えるほうが良いのでは?と思ったわけです。
これであれば曖昧な物体を明確な物差しで測れるので分かりやすい。


そして曖昧な打点の価値を明確にさえすれば麻雀の視点を「完全一局精算」で統一することができます

祝儀を点棒換算する
="半荘精算"の打点期待値と"一局精算"の祝儀期待値を分けて考えないといけない
祝儀を点棒換算する
="一局精算"の打点期待値と"一局精算"の祝儀期待値で「完全一局精算」で統一化できる


視点を「完全一局精算」に統一化することで、押し引きのヒントになるはずです。

東1で満貫放銃のリスクはどこまで背負ってよいのか?
東2東3のトップ目はどこまで引くべきなのか?

など、自分の手牌祝儀のリターンと放銃による打点損失のリスクを天秤にかけやすくなるわけですね。


前置きが長くなりました。それでは表をご覧ください。


東2局(現在北家)
北 37000・東 21000
南 21000・西 21000

半荘開始時の期待枚数=+4.97枚

画像1

画像2

画像3

画像4


シミュレート条件

・東風戦(南入はなし)
・1着=+7000P・2着=+1500P・3着=△3500P・4着=△7500Pと想定
・チップ1枚あたり1000P
・半荘期待値は麻雀順位予想機というツールから
・麻雀順位予想機に100%依存した半荘期待値は「期待値A(左から1番目)」とする
・完全順位制の場合は「期待値B(左から2番目)」を参照に
・完全順位制でない場合は打点補正0.35倍が加わるので「期待値C(左から3番目)」を参照に


ちなみに今回の数字は、麻雀順位予想機に大きく依存しています。

実際の現場ではドラの枚数が違ったりオープンリーチがあるので、表の数字と現場の数字では乖離があるかと思われます。


感想

まず「局を進める」ということの期待値が非常に高いです。

1000点ロン和了 = +0.85枚
2000点横移動 = +0.57枚

つまり「2000点横移動するということは実質的に祝儀を+0.57枚もらえるのと同じである」ってことですね。

1000点ロン和了にしても「アガる事」というより「局を進める事」に価値があるわけです。


次に「自分の打点は高くても安くてもほぼ変わらない」ということ。そりゃ37000のトップ目なので当然っちゃ当然だが。

【東2・37000点トップ目】
1000点ロン和了 = +0.85枚
8000点ロン和了 = +1.37枚
12000点ロン和了 = +1.54枚

まあこの状況下では「点数」ではなく「局を進めること」に価値がありますからね。だから1000点も8000点も変わらないと。
というか8000点を12000点にすることの意味はほとんどありませんねw

東発の表と比較すると分かりやすいでしょう。

【東1・全員25000点】
1000点ロン和了 = +0.74枚
8000点ロン和了 = +4.08枚
12000点ロン和了 = +5.09枚


次に放銃について。

子に1000点放銃 = +0.48枚
子に8000点放銃 = △2.68枚
親に12000点放銃 = △5.78枚

なんと子に1000点放銃してもプラスになる。これは実質的に「1000点放銃であれば祝儀を+0.48枚もらえるのと同じ」ということです。
まあ「局を進めること」に期待値が固まってるのでこうなるわけです。

ただし子に8000点の場合となるとマイナスになります。
親に12000点に至っては△5.78枚の損失ですから注意しないといけません。
言うまでもなく「高い手を打つことでトップ率と連対率が大幅に下がる」というのが理由ですね。


まとめると・・・

東2局(現在北家)
北 37000・東 21000
南 21000・西 21000

この状況下での基本スタンスとしては以下のような感じかな。

・子に対しては多少押しても良い
・ただし親のリーチや親の染め手だけは慎重に

トップ目とはいえ子には積極的に攻めて良いわけですね。
やはり「局が進むこと」に価値があるので「打って2600点で済んだ」とかのシナリオならばダメージはゼロなので。

ただし親に12000点放銃ならば△5.78枚なので、親のリーチや染め手だけには徹底的に注意が必要です。


裏を返すと「親のリーチや高そうな仕掛け以外は気にする必要はない」とも言えるかもしれませんね。

トップ目だからといって過度に守備を意識する必要はないということです。


では、ここらへんで。

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