カードゲーマーと読む老子 1~20章(編集中)

あー、もうやだ、編集中だけど公開することにするわー

はじめに

底本に岩波文庫の丸写しを置き。老子の神妙たる白文と、カードゲーマーにとって最も平易な意訳を並べる。
老子のごまかしのない視点と、カードゲームの常に勝敗にさらされるところに親和性を見る。
原典を読むのをおろそかにして、受け売りの受け売りのような文句で社会を作るままではいけない。興味があれば読んでみてはどうか。

(編集中記)
要編集:2,15,(16)章
済み:1(略),4(略),5,6,8,10,12,17,

第1章
道可道、非常道。名可名、非常名。
無名、天地之始。有名、萬物之母。
故常無欲以観其妙、常有欲以観其徼。
此兩者同出而異名、同謂之玄。玄之又玄、衆妙之門。

(略。欲望にひっぱられないで物事を見よう!

第2章
天下皆知美之爲美。斯惡已。皆知善之爲善。斯不善已。故有無相生、難易相成、長短相形、高下相傾、音聲相和、前後相隨。是以聖人、處無爲之事、行不言之教。萬物作焉而不辭、生而不有、爲而不恃、功成而弗居。夫唯弗居、是以不去。

世の中で強いと言われてるカードは弱い。安いと言われてるカードは高い。アートがいいと言われているカードは値段ほどじゃない。
そういうのは勝手に言われてるだけ。全部相対的なもの。欲しくなっても損するだけ。
ちゃんと考えて、後で後悔しないお買い物しようね。

第3章
不尚賢、使民不爭。不貴難得之貨、使民不爲盗。不見可欲、使心不亂。
是以聖人之治、虚其心、実其腹。弱其志、強其骨。常使民無知無欲、使夫知者不敢爲也。爲無爲、則無不治。

優勝プロモを配らなければプレイヤーは勝とうとしないし、カードに高額をつけなければ窃盗は発生しない。新規カードがなければ安心して遊べる。
だから、いい運営は購買意欲をなくし、プレイ環境を満足させ、勝利欲を弱くし、ちゃんと人間の生活をさせる。
みんな安心して、転売ヤーも湧かない。そうやってれば、必ず安定する。

第4章
道沖而用之或不盈。淵兮似萬物之宗。
挫其鋭、解其粉、和其光、同其塵。
湛兮似或存。吾不知誰之子、象帝之先。

(略。概念的宗教マウント。創造主? 道のが先ですー

第5章
天地不仁、以萬物爲芻狗。聖人不仁、以百姓爲芻狗。
天地之間、其猶橐籥乎。虚而不屈、動而愈出。
多言數窮、不如守中。

カードゲームはやさしくない。愛のあるデッキもゴミのように轢かれる。
いい運営もやさしくない。プレイヤーが0-5するのもよくあると思ってる。
構築はいっぱい出てくる。ゴミデッキが神デッキを生む。
お気持ち発言に意味はないので、無言でランキング走ろう。

第6章
谷神不死、是謂玄牝。玄牝之門、是謂天地根。綿綿若存、用是不勤。

(略。アビスの深淵が5文明の根本で、すべてのカードを生みだしつづける。

第7章
天長地久。天地所以能長且久者、以其不自生、故能長生。
是以聖人後其身而身先、外其身而身存。非以其無私耶、故能成其私。

長生きしようと思わないから長生きする。
強いプレイヤーは守りの立ち回りをしないから逆にリスクが下がって、なんか勝つ。

第8章
上善若水。水善利萬物而不爭、處衆人之所惡。故幾於道。居善地、心善淵、與善仁、言善信、正善治、事善能、動善時。夫唯不爭、故無尤。

(抽象的パート。Re:ライフでも思い浮かべといて)
良カードというのは水のようだ。デッキを面白くして、採用枠を争わず、デッキパワーの底の方にいる。
マナにおけて、ストレスがなく、コンセプトを縛らず、受け札でもあり、仕事し、いい時にくる。
だからとりあえず4枚入れてよくて、悪いところがない。

第9章
持而盈之、不如其已。揣而鋭之、不可長保。金玉滿堂、莫之能守。富貴而驕、自遺其咎。功遂身退、天之道。

無理やり勝とうとするのは良くない。メタカードは積んでも、デッキパワーが下がる。常に環境に刺さり続けることはできない。
刺さったからといって、強いと誤解してはいけない。
基本の形を忘れないために一旦もとに戻したほうがいい。

第10章
載營魄抱一、能無離乎。專氣致柔、能孾兒乎。滌除玄覽、能無疵乎。愛民治國、能無智乎。天門開闔、能爲雌乎。明白四達、能無知乎。
生之畜之、生而不有、爲而不恃、長而不宰。是謂玄徳。    

自デッキのプレミしないこと。しっかり対応すること。自然体でいること。抱えるべきカードは抱えて待つこと。信用できない情報に影響されないでデッキ選択すること。知らないカードを確認しつつ、驚かないでいること。リーサルがわかったら、変なことしないこと。
それをいいプレイングと言う。

第11章
三十輻共一轂。當其無、有車之用。埏埴以爲器。當其無、有器之用。鑿戸牖以爲室。當其無、有室之用。故有之以爲利、無之以爲用。

やることがないターンが、そこを埋めるカードの価値を作ってる。優先度の低いカードを抜いて、空き枠を作ることが構築。
ピーキーなカードが活躍するとき、それを支える基盤が仕事している。

第12章
五色令人目盲、五音令人耳聾、五味令人口爽。馳騁田猟令人心發狂。難得之貨、令人行妨。
是以聖人爲腹、不爲目。故去彼取此。

foilとか優勝プロモとか珍しいバージョンとか、感覚崩壊して病気になるだけ。
だから、いい運営はストレージを充実させることをがんばる。

第13章
寵辱若驚。貴大患若身。何謂寵辱若驚。寵爲上、辱爲下。得之若驚、失之若驚。是謂寵辱若驚。何謂貴大患若身。吾所以有大患者、爲吾有身。及吾無身、吾有何患。故貴以身爲天下、若可托天下。愛以身爲天下、若可寄天下。

カードゲーマー、結果が出たり出なかったりで一喜一憂しすぎ。
別に優勝したら、いきなり強くなるわけでもないし、前より結果よくなかったからといって弱くなったわけでもない。ましてや他人からの評判とか、もう全然関係ない。
なんか自分が成長してればいーの。

第14章
視之不見、名曰夷。聽之不聞、名曰希。搏之不得、名曰微。此三者不可致詰、故混而爲一。其上不皦、其下不昧。繩繩不可名、復歸於無物。是謂無状之状、無物之象。是爲惚恍。迎之不見其首、隨之不見其後。執古之道、以御今之有、能知古始。是謂道紀。

カードの0.3枚分の採用理由、勝率の0.5%、5キルデッキの少しの違い。やら言語化。
めっちゃ細かい差はいかにも研究しがいがありそうけど、研究しても研究しなくても、昔からそうだし、これからもそうで変わらない。
誤差や体感の話だから、おおまかでいい。 
結局、行くか行かないかがわかればいい。

第15章
古之善爲道者、微妙玄通、深不可識。夫唯不可識、故強爲之容。與兮若冬渉川、猶兮若畏四隣、儼兮其若客、渙兮若冰之將釋、敦兮其若樸、曠兮其若谷、混兮其若濁。孰能濁以靜之徐清。孰能安以動之徐生。保此道者、不欲盈。夫唯欲不盈、故能蔽而新成。

(詩的パート)
昔の最強プレイヤーは、かっこよかったのだった。
カードゲームを深く知り、底知れない。強いて形容してみる。
1つでも多くの負け筋をケアし、1枚制限をトップされる裏目のあるルートをとらない、ジャッジできるぐらい正しい裁定を理解し、いろんなこともごねず、巻き戻しに寛容で、さまざまなプランを取る。
誰も誘導できず、動揺させることも怒らせることもできない。

道を保つプレイヤーは、細かいところを無理に詰めようとしない。だから、負けても、すぐ勝てるようになる。

第16章
致虚極、守靜篤。萬物並作、吾以觀復。夫物芸芸、各復歸其根。歸根曰靜、是謂復命。復命曰常、知常曰明、不知常、妄作凶。知常容。容乃公。公乃王。王乃天。天乃道。道乃久。沒身不殆。

カードゲームを考えていくと、有効札の増やし合い/減らし合いになる。そのための有効札のめくり合い。
つまり札めくりに戻ってくる。
それをわかるのが大事で、わかってないとクソデッキばっか作ることになる。そこまでわかれば、全部わかって、他のカードゲームのこともわかって、いいカードデザイナーにもなれる。
そこまでいけば、終身大丈夫カードゲーマー。

第17章
太上下知有之。其次親而譽之。其次畏之。其次侮之。信不足、焉有不信。悠兮其貴言、功成事遂、百姓皆謂我自然。

何やってるか謎な運営>ほめられる運営>こわがられる運営>バカにされる運営。
いい運営は余計なことをしない。
プレイヤーに自分たちが界隈を作ってるって思わせるぐらいがいい。

第18章
大道廢、有仁義。智惠出、有大僞。六親不和、有孝慈。國家昬亂、有忠臣。

ナーフ案をリツイートしたくなるのは、環境を楽してめないせい。謎のカードに値段ついてるのは、パックが弱いせい。礼儀正しいプレイヤーが目立ってるのは、民度終わっとるせい。カード仲間との会話が楽しいのは、リアルが不仲なせい。

第19章
絶聖棄智、民利百倍。絶仁棄義、民復孝慈。絶巧棄利、盗賊無有。此三者、以爲文不足、故令有所屬。見素抱樸、少私寡欲。

インターネットやめろ。100倍得。
炎上に反応するな。界隈良くなる。
欲しがるな、我慢しろ。転売ヤーいなくなる。
もっとこう、小学生ぐらいの素直な気持ちを取り戻したらどうなの。

第20章
絶學無憂。唯之與阿、相去幾何。善之與惡、相去何若。人之所畏、不可不畏。荒兮其未央哉。衆人煕煕、如享太牢、如春登臺。我獨怕兮其未兆、如孾兒之未孩。儽儽兮若無所歸。衆人皆有餘、而我獨若遺。我愚人之心也哉、沌沌兮。俗人昭昭、我獨昏昏。俗人察察、我獨悶悶。澹兮其若海、飂兮若無止。衆人皆有以、而我獨頑似鄙。我獨異於人、而貴食母。

youtubeとかがなければ困ることはなくなる。
カードショップには、はい、と、叫び声、だけになる。
無限のカジュアルだけがある。
みんなCS優勝とかしてるなか、無限に旧枠ドラフトやってる。カードゲームの †真理† 知っとる。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?