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「文章を書きたくなるパン」、それがペリカンのパン。

こんにちは!パン好き人事ことたかおです。今日は、先日のお試し1週間浅草滞在で一番衝撃的だった、とあるパンとの出会いについて、書いてみようと思います。

文章を書きたくなるパン

そのパンはあまりに有名な「パンのペリカン」の食パン。ペリカンのパンを扱うお店にも行っていたし、周囲の何人もの人からその存在を勧められていたので、その美味しさは折込済…のはずだった。

来訪時には、そのあまりのあっさり感に拍子抜けしたような、でも、無事に(というかラッキーで)予約なしで確保できたので安心したような、そんな感覚を持っていた。

しかし、食べてみると、最初の感想だった「?」はいつしか「!」になり、いつの間にか「もう食べに行きたい…」と虜になってしまったのだ。

そんな「ペリカンのパン」の歴史やおいしさの秘密を紐解き、自分にとってのペリカンのパンについて考えていきたいと思う。

歴史の深さ

今回の主役は、先にも挙げた通り、東京・浅草(厳密に言うと田原町)にある「パンのペリカン」。調べてみると、創業は1942年。つまり約80年にわたって営業していることになる。(戦前からと考えるとかなりの老舗ベーカリーであると言えますね…。)かつてから近所の喫茶店やホテルに卸し中心として続けてきた歴史があり、現在は小売中心に移行しているそう。なお、現在の店主は2014年に就任された若き四代目の方とのこと。

お店の名前の由来は2代目のおじいちゃんのニックネームから!

お店の名前の由来が気になって調べてみたら、なんでも2代目のニックネームから来ているそう。また、ロゴについては東京芸大の学生に作ってもらったものらしい(とっても可愛い)。

あと、パン好きの心をくすぐるのはこのロゴマーク。かわいい。ホットペッパーの記事によると、なんでも創業当時に東京芸大の学生さんがデザインしたらしい。かなり歴史があるみたい。かわいい(語彙を失うマン)。ペリカンカフェではグッズも販売しているとの噂で、これはかなり買いたい…

お店に漂う独特の雰囲気

お店の見た目は業者と間違ってしまうようなさりげない入り口の印象(私は通り過ぎてしまって慌てた)。パン屋さんに入る、という行為は必要なく、というか今は中に入ることは出来なくて、受付でやり取りをしたら光の速さでパンが出てくるといった感じ。ほとんどは予約の受け取りのお客さんだったように思う。
当日は午前11時頃で、雨だったこともあり、お客さんは3~4人いるような感じでしたが、テキパキすぎて一瞬で自分のターンに。正直、めちゃくちゃほっこり、とか、丁寧、みたいな感じではないけど、このスピーディーで、一見さんからすると若干緊張感ある?(そしてローカルな)感じが、地元の人に愛されている証左なのかもしれない、と感じた。ちなみに、客層も特徴的で、通常パン屋さんでよく見る若者の女性、というよりは中高年の男女(特に男性が多かった)が列をなしていたようにも感じられた。

コンセプトは「ごはんのように食べられるパン」

そんなペリカンの食パンをおうちで食べたときの感動が大きかったのは、生で食べたときではなく、トーストして焼いたときだった。まさにおかずとぴったり寄り添うような、お味は主張しすぎず、でも目がびっちり詰まっていて、しっかりと食べている幸福感はある、という不思議な感覚。なんでもこのペリカンのパン、「他のものと一緒に食べることでよりおいしくなる」状態を目指しているんだとか。

昨今流行している高級食パンは単体で/生でも美味しい、というのを謳っていることが多いわけだが、そういった「リッチな」「特別感」をコンセプトとした流行とはまた違う、素朴に滋味深い味わいのパンを食べることが出来る。

メニューは主に2種類、10ラインナップ

「パンのペリカン」に行くとびっくりするのは、「たくさんのパンがずらっと並んでいる様子」と「シンプルなラインナップ」。それもそのはず、扱っているのは「食パン」と「ロールパン」だけ。食パンは角型のものと山型のものがあり、ちょっとずつ食感が違うそう(特に焼いた後の食感が違うのではないかと予想)。

■角型
3 斤1,300 円(税込)
2 斤860 円(税込)
1.5 斤650 円(税込)
1 斤430 円(税込)

■山型
山型1,100円(税込)
山型半550円(税込)
■ロールパン
小ロール(10ヶ入)680円(税込)
中ロール(5ヶ入)520円(税込)
中丸(5ヶ入)550円(税込)
ドッグ(5ヶ入)550円(税込)

なんでも、毎日食パンは約400本、ロールパンは約4,000個売れるとか。私が当日買いに行ったときに変えたのは、角型の食パンのみだったため、特にロールパンを買いたい方は事前予約が必須かと思われる。

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つまり、生地の種類は2種類だけ。

上記の通り、食パンとロールパンの2種類の生地を作り、成型の違いで10種類のパンを作っていることになる。

それを多いと捉えるか、少ないと捉えるかは捉え方次第ではあるものの、昨今のベーカリーの種類の多さを考えるとかなり潔い印象を持つ。なんでも、そのスタイルは、昭和17年の創業の頃から続いているんだとか。

他のパン屋さんと喧嘩しないように

何故そのようなちょっと不思議な販売スタイルを続けているかというと、なんでも創業者の想いから来ているんだとか。当初から「同業他社との競合を避けるための知恵」として、食パンとロールパンのみ提供してきたとのことで、その想いが素晴らしかったので、以下に転記する(公式サイトより)。

ペリカンは、その変わらない味やスタンスを守り抜くために、変わらない歴史を積み重ねるために、私たちが変わる努力を惜しみません。人間は普通に"こんにちは・さようなら"がいえる仲なのに、同業者で競合することによって、気持ちの食い違いが生じてしまったり・・・そういうことが、なんか嫌だったんですよ。そのかわり、この2つでは誰にも負けないものを作ろうと心に決めました。

(私はちょこっとサンリオ的な世界観を感じたのだが)パン屋さんがこういう「争いをなくす」「レベルの高い、いいものを作る」ことに振り切っていることが、すごく嬉しくて、そういうものを現代の私たちが今食べられていることはとても幸せだなと感じた。

パンの特徴

ここまで、「パンのペリカン」の歴史を紐解きながら書いてきたわけだが、肝心の食べた感想について書いていこうと思う。私は先日食パン(1斤)を食べたので、それについての感想を記載していくことにする。

・形状
まずびっくりしたのは形状。食パンというと、少し大きめで正方形なイメージを持つかもしれないが、ペリカンの食パンはぎゅっと詰まっているからか?小さめなサイズ感ぽそぽそしている感じもなく、包丁を入れても凹んでしまう感じもなく、切るのもらくらく

・重み
上記に目が詰まっているという話をしたが、1斤とは思えないようなずっしり感というかギュギュっと感があった。ふわふわ、というよりは、しっかりしている(文鎮みたいな感じw)なという印象。手で引きちぎろうと思ったが、結構難しくて(うまくちぎれなかった=柔らかいという感じではない)ちゃんとパン切り包丁が必要な感じ。

・見た目
断面を見てみると、スカスカなエアリー感よりは、何度も言っているがきめ細かく、みちみちで、モチモチさが想像つくような感じ。

・味
まずは生で。正直(数日経っていたというのもあり)しっとり甘くてクリーミーみたいな生食パンに慣れていた自分としては「?」という表情に。
味がしっかりついているというよりは、シンプルに「小麦でできたパンを食べているな…」みたいな、神妙な顔つきで食べ進めることに。そこで思い出したのは「ペリカンコーヒー」のこと。確か炭火焼きトーストが有名だったよな、と思い出し、そこからバルミューダに放り込んでみて…

「あああ!なんだこれはあああ!」思わず1人で(※ひとり暮らしの家)悲鳴をあげながら狂喜乱舞することに。トーストしてみると(バルミューダがいい仕事をしている説もあるのだが)外はさっくりと軽く、中はもっちり、むぎゅ、みちっ、としていて、そのコントラストに思わず踊りだしたくなるような、未体験の風味!先に述べた生食パンのような甘みはないものの、シンプルに小麦みを噛み締められることが素晴らしくて、尊さを感じながら、あっという間に1斤を完食してしまったのでした…(ちなみに1斤で約1200kcalな辺りも、巷のパンよりもぎゅぎゅっと感があることを教えてくれるような気がします←これは笑えない←特にひとり暮らしには)

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おすすめの食べ方

もうこれが何をかけても美味しい。私はオリーブオイル、バター、はちみつバター、はっさくチーズジャム、ジェノバソースなどを試してみたが、いずれもパンを邪魔せず、あるいはパンにも邪魔されることなく、最高のお味だった。今回は試していないのだが、おそらくチーズトーストやラピュタパンなど塩気のあるものにもかなり合うのではないだろうか。

「割としっかりトーストする」ことと「厚切り(1斤を6等分のサイズがマイ・ベストでした)にする」ことを意識すれば、かなり美味しい、カフェ飯のようなパンがいただけます。なんとバルミューダが公式サイトで情報を載せるレベル。

1. 山型パンを2.5センチの厚みにカットし、十文字に切り込みをいれバターを薄くぬる。
2. 1をトースターでこんがりと焼き色がつくまで焼く。(トーストモード:2.5〜3.5分)
3. 2に仕上げ用のバターをのせる。再びトースターに入れ、予熱でバターを少し溶かす。

こんなん美味しいにきまってるやん…(困惑)(もっと厚切りでもいいかなとは思うけど笑)

系列のペリカンカフェや、近隣にあるフェブラリーカフェなどでは焼かないでサンドイッチにして提供もしているので、生でクラムの部分と一緒に食べるのもいいのかなと思う(個人的には焼きをおすすめしたいわけだが…)。

書籍・映画にもなっているよ!

このように、多くの人を魅了して離さない「パンのペリカン」、実は書籍や映画などにもなっていて、ファンをますます惹きつけて止まないのだ。(未視聴・未読のため、読了・視聴次第感想を載せることとする)

映画では、オーナーである渡辺家だけでなく、パン職人さんや、70年代からオーブンや窯のメンテナンスを請け負っている業者の方など、実にいろんな方々の尽力でペリカンが成り立っている様子が描かれているとのことで、ますます「パンのペリカン」のことが好きになりそう。

ペリカンのパンが食べられるお店

「ペリカン自体は行くのが難しそう…」と感じている方や、「家で自己流で食べるより、アレンジして確実に美味しいものを食べたい」という方に、ペリカンのパンを提供しているお店を列挙してみたので参考にされたし(クリックで食べログのURLに飛びます ※食べログの回し者ではない)。

ペリカンカフェ(田原町) ※言わずとしれた直営店。炭火で焼いた絶品のトーストがいただける
フェブラリーカフェ(田原町)
※トーストも美味しいけどプリンも美味しそう!あとラテアートが可愛い
SPLENDOR COFFEE(田原町)
※コッペパンの扱いがあるらしい!夜の雰囲気も良さそう。プリンも美味しそう…
ギャラリー・エフ(浅草)
※かぼちゃのチーズケーキも美味しそう。
珈琲アロマ(浅草)
※濃厚生ジュースも美味しそう…全席喫煙可
Cafe M/N(浅草)
※硬めプリンが鬼のように可愛いのと、夏はかき氷も美味しそう
喫茶オンリー(浅草)
※THE 純喫茶!だけど禁煙なところが素敵。ノスタルジックな雰囲気も素敵
フルーツパーラーゴトー(浅草)
※言わずとしれたパフェで有名なお店だけど、フルーツサンドもあるよ!
スメル(浅草橋)
※食べログでみたら掲載保留になっていたのでどうなっているか不明…トーストもサンドイッチもあるらしく、チーズオムレストーストが美味しそう
シゲルキッチン(浅草橋)
※サンドイッチの具が分厚い!鳥茂の焼き鳥を使ったサンドイッチらしく、これはダブルで美味しいのではないかという予感…
Gion(浅草橋)
※オムライスが有名らしいけど、モーニングはトーストもあるみたい
en蔵前(蔵前)
※あんバタートーストが美味しそう!ホットサンドもあるみたい
コフィノワ(蔵前)
※プレーントーストがバターみがあって美味しそうなのと、あまおうのフルーツサンドが映えみがすごい!

やっぱり予約は必須かも

上記にも述べた通り、ペリカンではパンの予約を受け付けており、おそらく地元の人は殆ど予約をしている模様。店頭だと一瞬でパンが売り切れてしまうようなので(私は午前中の比較的早目の時間だったので滑り込めた)、予約を強く推奨1ヶ月前から受け付けていて、平日受け取りなら当日まで、休日受け取りなら前日までに注文すればOKみたい!

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予約がだるい!当日分がお店にもない!そしたら他にも買える場所があるよ!

ただ、パンを予約するという行為はあんまり人々の認識にはないことだと思うし、ちょっとハードル高いなという印象も。そんなときには、いろいろなお店で実はペリカンのパンが買える可能性があるらしい。そんな情報もこっそりおまとめ(特にのもので買えるのはアツい…!時間は注意)。

・のもの上野駅店、秋葉原駅店:
[何を]食パン1斤/1.5斤とロールパン小/中が購入可能(1人2個まで)
[いつ]上野駅店:月~土15:30頃、秋葉原駅店:月~木12:30頃
・根岸立忠製印所:
[何を]ロールパンも食パンも購入可能
[いつ]朝10時までに予約すれば17時までに取りに行くのでOK、ロールパンは、火曜〜金曜のみ
・合羽橋肉のさがみや:
[何を]ロールパンも食パンも購入可能
[いつ]毎朝9時頃
・北野エース東京スカイツリー店:
[何を]角食パン
[いつ]平日15:30頃、土曜16:30頃
・浅草橋ヒロマルチェーン:
[何を]ロールパンも食パンも購入可能(日曜祝日の翌日はロールパンは入荷されないとのこと(食パンは毎日ある))
[いつ]午前10時頃
・浅草橋肉の池田屋:
[何を]ロールパンも食パンも購入可能
[いつ]毎朝10時過ぎ
・浅草伝法院通り入り口の中村屋本店:
[何を]角食パン
[いつ]10時の開店時には店頭にあり、午前中ならたいてい買えるとのこと(ちなみに、私はここは平日午後に置いてあるのを目撃しました!)

「パンのペリカン」基本情報はこちら↓

営業時間 月~土 8:00~17:00(店頭品切れの場合、閉店時間が早まることもあり)
電話 月~土 8:00~15:30
休業日 日曜日・祝日・特別休業日(夏・年末・年始)

所在地 東京都台東区寿4-7-4
TEL 03-3841-4686
・東京メトロ銀座線田原町駅徒歩3分
・都営浅草線浅草駅徒歩5分
・都営大江戸線蔵前駅徒歩5分

参考

以下の記事を参考にさせていただきました。


というわけで、次回もお目にかかれるのを楽しみにしています!毎日こんな感じの気づきなどをつぶやくアカウントはこちら↓。人事・マーケティング・キャリア・パン・恋愛・人間観察などについて書いてます!


次回こそ!Twitter道場卒業論文を書こうと思います…!(割とずっと書く書く詐欺)

UXコンサル、BtoBマーケ、人事を経てコミュニケーションマネージャー(広報、マーケ、採用広報、組織開発)なう。 書くこと:パン偏愛、可愛いもの布教、働くこと、生きること、1日1考、新サービス考察、旅行、読書録、銭湯、恋愛。 頂いたサポートは、もれなくパンの研究に使われます。