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ビジネスパートナーになれなかった私たち【フリーランス夫婦】

一緒に同じビジネスをしている夫婦を見ると、素敵だなぁと思う反面、うちは絶対にできない(やりたくない)なぁと思ってしまいます。

今回はフリーランス夫婦で法人を立ち上げているわたしと夫が、一緒に同じ仕事をしなくなったお話をしてみたいと思います。

夫の前では【B面】でいたい自分に気づいてしまったんです。

二人で一緒の仕事を始めたら、夫婦(恋愛)関係が破綻しそうになりました

あくまでもわたしのケースです。上手くいっている夫婦もたくさんいるし、細かく言うと夫は何も問題なかったようですが、わたし側に問題がありました。

わたし自身、自他共に認める仕事に対してかなりストイックな人間です。特にフリーランスになり経営を始めてからは、前にも増して、仕事をつくる・売上をつくることに対してストイックに取り組んできました。

そんな中、今年に入ってから夫がフリーランスとして独立することになり、最初の方はわたしも夫がいろいろ心配だったため、仕事を手伝っていたんですね。そこでわたしのストイックさが爆発したわけです。

結論から言うと、夫の仕事ぶりにずーっとイライラしてました。甘い、甘すぎる、こんなんで売上が立つわけない、もっと必死になれ、死ぬ気でやれ、ビジネスを舐めるな、と、近い夫婦の間柄だからこそ、自分と同じようなストイックさを夫にも求めてしまっていたわけですね。

言われたことをこなせず、成果もなかなか出ずに、夫は落ち込んでしまい、わたしはそんな夫にさらにイライラして「仕事が終わるまで帰ってくるな!」と怒鳴って先に家に帰りました。

わたしのON/OFFの差が二重人格並みにヤバイことに気づいたわたしたち夫婦

奇妙な現象が起こったのはここからです。

家に帰ったわたしは、完全に仕事のスイッチが切れます。そして、ご飯を食べてお風呂に入って、ひと段落したときに、夫がいないことが突然寂しくなり、夫に「何時に帰る?早く帰ってきて。泣」とメッセージを送りました。

このメッセージを見た夫は、大パニック。つい1時間ほど前に「仕事が終わるまで帰ってくるな!」と怒鳴ったわたしから、今度は「早く帰ってきて。泣」という連絡。

厳しい上司と寂しがりやな妻の板挟みになるのはよくあることですが、今回の場合その二人が同一人物なわけですから、夫からしたら相当世にも奇妙な物語だったそうです。

そしてわたしもさすがに数時間前と完全に矛盾している自分自身に対して驚きを隠せませんでした。

夫の前では【B面】の自分でいたいという小っ恥ずかしい思いを告白

この奇妙な現象を解決すべく、緊急夫婦会議。

二重人格と言うとちょっと怖いので、カセットのA面/B面を例に、仕事モードのわたしはA面、家でのわたしはB面、でもどちらも同じカセットだよね、という結論に至りました。

A面のわたしはいわゆるよそゆきモード。社会で上手くやっていくための理想の自分でいられるようにがんばっているわたし。でも、このままだと夫の前でもA面とB面がめちゃくちゃになって、自己嫌悪や自我を失いそうになったり、自分のB面を失う(スイッチオフにできなくなる)かもしれないという怖さを感じたのです。

これを素直に夫に伝えました。あなたと一緒にビジネスをしたくないのではなく、あなたの前では唯一『可愛い』『弱い』『わがまま』な妻でいられるために、あえてわたしたちは一緒に仕事はしないでおこう、と。

我ながらなんという乙女でしょう。これを言った時は、本当に小っ恥ずかしかったですよ、そりゃあ。でも、夫は嬉しそうでしたし、実に円満にビジネスパートナーを解消するに至ったのです。

夫婦として、相談相手であり一番の味方でいるための関係性を築きたいという結論

ビジネスパートナーを解消するといっても、まったくお互いの仕事に関わらない選択をしたわけではありません。

あくまでもそれぞれの仕事の責任の範囲を明らかにして、お互いの抱えている仕事に対しての客観的な相談にのったり、何かあったときは一番の味方でいられるような関係性でいられるようなスタンスでいようという意見で一致しました。

特に『責任』という言葉を共通認識にしました。
■仕事において何かあったとき、夫婦の連帯責任ではなく、それぞれの個人責任として対処法を考えること
■その代わり、どちらかがピンチになったときはお互いに全力でサポートすること
■夫婦だけではどうにもならなくなったときに、協力したり助けてくれる夫婦共通の友達との関係性を大事にしていくこと

わたしの思わぬB面発覚から、意外と大事な夫婦の話し合いができたなと思います。

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