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【歳の差結婚はグルーミングなの?】チャイルドグルーミングについて、学んだことをまとめてみた。


こんにちは。

2023年、ジャニー喜多川氏の性加害問題がメディアで取り上げられ、「チャイルドグルーミング」という言葉が出てくるようになってきたと感じています。

この言葉が広がり、世間で認知されることによって、誰かの自己防衛に繋がれば… 勇気を出して告白した方々の救いにもなるんじゃないかなぁ、なんて思っています。

2023年11月には、X(Twitter)で「グルーミング」が話題に…!なぜかと思ったら、有名人の歳の差カップルの結婚ニュースがあったのですね。(笑)

今回はチャイルドグルーミングについて知っていること、学んだことや気づいたことをまとめたいと思います。


何がグルーミングで、何がそうでないの?

よくX (twitter)などで、こんな質問を見かけます。

「歳の差結婚はグルーミングなの?」
「結婚できたらグルーミングにならないの?」
「結婚できなかったらグルーミングなの?」
「そもそもどこからがグルーミングで、どこからがそうでないの?」

ということで、「グルーミング」の定義を英語から考えていきたいと思います。

グルーミングとは?

性犯罪・性的虐待の文脈におけるグルーミング[注釈 1]、チャイルド・グルーミング(英:Child grooming)とは、

性交や猥褻行為などの性的虐待をすることを目的に、未成年の子どもと親しくなり、信頼など感情的なつながりを築き、手なずけ、時にはその家族とも感情的なつながりを築き、子どもの性的虐待への抵抗・妨害を低下させる行為である。性的グルーミング、性的手なずけとも。

wikipediaより

この「グルーミング」という言葉ですが、語源である英語では”grooming”と書きます。

groom (動詞)の意味を調べてみると、「動物が毛繕いをする、馬などを手入れする、きちんと自分の身繕いをする」などが出てきます。

またgroom (名詞)では、「新郎、花婿」という意味も出てきます。

わたしはこの言葉を知った頃、とても不思議に思いました。groomingは良い意味だと思っていたからです。それがどうして文脈が変わると、こんな悪い意味になるんだろう… 同じ言葉なのにつながらない気がしました。

この疑問を旦那に聞いてみると、とても分かりやすい答えが返ってきました。

“groom”は「(人、物を)自分の好きな型に変える、おさめる」っていう意味だよ。

そういう意図があって行動すること全てをgroomと呼ぶんだよ。

フィリピン系カナダ人の旦那のセリフ

たくさん例も出してくれました。

例えば” groom my lawn.” は、「芝生を自分の好きな長さに整える。」
”groom myself” は「自分を自分の好きな格好に整える。」

ポイントは、自分の好きな形に変える、その意図がある、ということです。

性犯罪、性的虐待の文脈だけでなく、他人を自分の意のままにコントロールして、洗脳して、自分の好きな容姿や性格に変えていく行為は、すべてグルーミングに当たると気づかされました。

例えば、戦争中の兵士さん。

「相手は心のない人間だ。」
「殺してもお前たちに罪はない。」
「死んで帰ってこい。それが役目だ。」

そんな洗脳を受け、コントロールされ、国の言う通りに動かせる訓練は、グルーミングの以外の何物でもありません。(国家にとっては必要なことかもしれませんが…)

そう考えると、グルーミングは世界中のあちこちで行われている気がします。

職業訓練は?
小学校ぐらいで習うマナーは?
子育ては?

どこまでがグルーミングで、どこまでがそうでないかは一概には言えないと思いますが、ポイントは「個人の意図次第」ということです。

親が楽をするために子どもにしつけをするのか、本当に子どものためを思ってしつけをするのか。

先生が生徒の将来のためにマナー指導をするのか、自分の授業で扱いやすいようにマナー指導をするのか。

簡単に言うと、相手のための行動なのかどうか。そして、そこに健康的な愛情があるかどうか。

その意図1つ、心1つで、グルーミングかそうでないかは変わってくると思います。


グルーミングする人の特徴3つ。

グルーミングは、自分のために相手をコントロールし、洗脳し、「思いのままに動かそう」という意図があります。その先に、性的な関係を迫り、それを口外されたくない。

そのため、なるべく相手を孤立した状態に陥れて、自分に頼るように仕向けます。

特徴1: 家族や学校、社会から切り離そうとする。

「学校なんて辞めちゃえば?」
「家出してウチ来なよ?」
「仕事もしなくて良いよ」

そんなふうに声をかけて、自分と相手だけの世界を作ろうとする人には要注意です。


また、権力を持っている人にも要注意です。
「先生」と呼ばれる職業についている人。
「神主」「牧師」など聖職についている人。
「社長」「CEO」など会社のトップにいる人。

もちろん、その人たち全てが悪い人ではありません。むしろ良い人の方が多いと信じています。
しかし、中には自分の持っている力に呑まれて、他人を思いのままにしようとする人もいます。

特徴2 : 100%家族も周りも信じている権力者である。

ポイントは「100%信じている」という点です。

グルーミングは小さなコミュニティ、例えば家庭内でも可能です。

例えば、パワーバランスが取れてない夫婦や家族。常に家族全員が父親の言いなりで、父親に権力が集中しているという環境であれば、その父親が家族に対してグルーミングをすることは大いに可能です。


そして最後の特徴がこちらです。

特徴3 : グルーミングをしている本人は、グルーミングをしていると気付いていない。悪気も罪悪感もない。

グルーミングをする人は「これが普通」だと思っている、もしくは、心のどこかでは違和感を感じているが辞めない/辞めれない人です。

良い例が、小説「痴人の愛」です。

『痴人の愛』(ちじんのあい)は、谷崎潤一郎の長編小説。ごく一般的なサラリーマンで君子と呼ばれる真面目な男が、カフェーの女給であった15歳のナオミと出会い、自分の妻にする。しかしナオミはやがて男が予想もしなかった女性へと変貌を遂げていく。小悪魔的な女の奔放な行動を描いた代表作で、「ナオミズム」という言葉を生み出した[1]。

https://ja.m.wikipedia.org/wiki/痴人の愛

この小説は1925年に出版されたもので、谷崎潤一郎の私小説(作品の主人公が、自身の体験を語る形で書かれた小説)とも言われています。

「グルーミング」という言葉すら存在していない時代のものですが、グルーミングについて男性目線でしっかり描かれているな、と感じました。

主人公の男性は君子と呼ばれ、とても真面目で、自分のことを真面目な良い人だと信じています。
カフェで15歳のナオミと出会い、「自分好みの妻に育てあげよう」とひらめいた時は、なんて賢いんだと自分を称賛したセリフまで出てきます。

そんな考えなので、本人は「相手の人生をコントロールしようとしている = 壊そうとしている」という自覚や、「悪いことをしている」という自覚はないことが伺えます。

そして、「ナオミ」の最後も、グルーミングされた女性の特徴を捉えていると感じました。


グルーミングは犯罪?

グルーミングは犯罪になるか調べてみました。

刑法改正で「グルーミング罪」が成立未成年者を性被害から守るため、今年3月、刑法改正案が閣議決定され、6月16日、参院本会議で可決・成立した。

改正刑法には、新たに「グルーミング罪」が盛り込まれている。最終的にどのような性被害に遭うかとは別に、その過程を罰する点が特徴である。 今回の改正では、16歳未満にわいせつ目的を隠して、お金を渡したり、拒まれたのに何度も会うことを要求したりする行為は処罰の対象に。また、16歳未満に性的な姿態や裸の写真を自撮りさせて送信することを要求する行為も、処罰の対象になっている。

被害者が16歳未満の人、つまり子どもであれば、グルーミング罪が適応されることもある、ということです。

未成年がグルーミングのターゲットになりやすいことは事実です。だから、有名人の歳の差カップルの結婚は「グルーミングではないか」と毎回噂されます。

まだ自己が完成していない未成年は、周りからの影響を受けやすいです。「大人の人が言ってるから、そうなんだろう」と信じてしまい、そこから少しずつ信用させられ、絶対的な信頼関係になった時に、性的被害を受けたり、または結婚する運びにされたりします。
この一連の流れを、性的チャイルドグルーミングと呼びます。


ここでのポイントは、年齢や結婚ではなく、そのお相手との関係性です。

お互いのホンネ、本当の気持ちを言える関係にあるかどうか。
お互いが本当に心から望んでいる性行為なのかどうか。
お互いが本当に望んでいる人生なのかどうか。

もっと簡単に言うと…
「そこに愛はあるんか」
です。(おなじみCMのあのセリフ)

このポイントを考えると、大人同士のカップルでも十分にグルーミングの被害に遭うことはある、と言えます。(犯罪ではなくなるかもしれませんが。)

また、女性が被害者とは限りません。
男性が被害に遭うこともあります。

グルーミングは洗脳です。

「この人の言っていることはいつも正しい。」
「この人についていくしか道がない。」
「この人の言いなりになるしかない…」

そう感じているのであれば、年齢は関係なく、グルーミングされている可能性が十分にあります。


グルーミングされた人が行き着く先。

100%信頼している。
家族も友達も、みんな信頼している。
そのコミュニティで唯一権威を持っている。

そんな人が周りにいたら、要注意です。

「まさか」が現実になった時、ターゲットになってしまったその子は、その日から死ぬように生きていかなければなりません。

誰にも相談できず、誰にも気づかれず、誰にも信じてもらえず、1人で大きな悩みを抱えることとなります。

グルーミングされた人が行き着く先。
それは、長期的に性被害にあった結果、ストックホルム症候群となり、加害者に好意を寄せるようになります。

ストックホルム症候群

誘拐事件や監禁事件などの被害者が、犯人と長い時間を共にすることにより、犯人に過度の連帯感や好意的な感情を抱く現象。

そんな自分を「頭がおかしい」と責立てます。過剰なほど順従になったり、過剰に性行為を求めたりすることもあります。

先ほど紹介した小説「痴人の愛」のナオミは、過剰に性行為をいろんな人に求める結果となりました。

もちろん、自殺の可能性は十分考えられます。


最後に。周りも被害者も、責任を感じる必要はない。

グルーミングは、ある意味でとても「賢い」やり方です。

自分の持っている力を利用する。
周りの大人から信用させる。
子どもにも信用させる。
それから行為に及びます。

だからこそ、被害が明るみになった時、周りの大人は「どうして気づけなかった…」と自分を責めてしまうことが多いです。
被害者本人も「どうして話せなかった…」と自分を責め立ててしまうことがあります。

しかし、一歩下がって、客観的にみると、悪いのはただ1人「加害者」です。

気付けないように仕向けたのは、加害者です。

被害者に、しゃべれないように仕向けたのは、加害者です。

決して自分を責めずに… と書きたいところですが、グルーミングに巻き込まれた本人や家族にとっては、とても難しいことです。

ぜひ、専門家の力や、科学の知識も借りながら、一歩一歩、前を向いて歩いてみてほしいと思います。
そうすることで、時間はかかりますが、自分を取り戻すことができます。(これは断言できます。)

この記事が、グルーミングの自己防衛や、子育てをしている方の予備知識につながれば嬉しいです。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

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