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破壊王 その2

破壊王その1ジュリアは、すでにこの世にはいない。ぬいぐるみを持たせればすぐに中の綿を出す。やわらかいおもちゃは、かみちぎってしまう。スリッパなどは粉々にされた。まだパピーの頃の話だ。

そして、破壊王その2じょんじょんがいま猛威を振るっている。

ケージの上に乗せた本を食いちぎる。おもちゃを与えるとばらばらにしてしまう。そしてとうとう、おそるべき事態が起きてしまった。

それは、図書館の本をかじられてしまうというものだった。

来期の卒業研究に向けて語学をてこ入れしようと、ロマンス諸語の源流のラテン語を学習しはじめたのは、他の記事でもご覧いただけたと思う。

そして、ローマ文学のみならず、西洋の文学に大きな影響を与えたウェルギリウスについて、図書館で本を借りて読み漁っていた。

しかし、来年度の卒業研究が無理とわかると、なんだか萎えてしまって、借りていた本をすべて返してしまったのだが、1冊だけ、予約したときに予約本コーナーに無かった本があったのだ。

街に出る機会をみつけて、私はその本とギリシア哲学についての本と2冊を借りた。そしてある種の諦念を感じながらも、その一冊を読みすすめたのだ。

すると、いままでは名前程度しか意識していなかったウェルギリウスという詩人の全貌と、ギリシアローマ文化の成り立ちが、眼前に迫るような勢いで描き出されていた。

そして、いい本に出会ったと同時に、どう卒業研究に結びつけていったらいいかと夢想した。

そんなわけで、大した厚みもないその本は、すぐに読み終えてしまったとある日、本を見て愕然とした。

なんと、表紙の厚紙の角の辺りにぼこぼこに穴があいているのだ。

そう、犯人は破壊王2じょんじょんなのだった。

しかたなく、図書館に持っていってみると、弁済していただくことになります。とのこと、早速帰宅してアマゾンで古書を取り寄せました。

交換した本はいただけるということなので、ひきとってまたゆっくり読もうと思うと同時に、卒業研究を終えるまでに、何冊買うことになるだろうかと、いまから考えてびくびくしています。

図書館は便利だけど、自分の本だったら、本文が読めなくならない限り使えるのがいいですね。

町田市図書館は便利ですが、これからはできるだけ図書館で参照して、資料に使いたい箇所をコピーしたりして、本を持ち帰らない。あるいは自分で買うようにしたいと思いました。

そう、その本はもう絶版になっており、一番安い古書でも当初の販売価格の1.5倍ほどしました。

でも、手元に一冊残るかと思うと、いい本だったのでうれしいです。


たあこ

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