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2019年7月 読書リレー

 がっっっつり遅れまして、もはや8月分と一緒になってすみません……今年の盆は本当にキツかったです。繁忙期なうえ人手不足で。マジでぶっ倒れて死にたかったわ。
 今年は梅雨の時期がほぼほぼ7月で、あんまりカラッとしてなくて「夏が来たぞ!」って感じはなかったですね。あの夏が始まる感覚と、自分も含め周りに7月生まれが多いのもあって、7月の雰囲気とか青空とか好きなんですけどねえ。
 少し前に流行った、「令和ちゃん初めてだから間違えちゃった」と思うようにして乗り切りました。
 今回から、簡単なあらすじを頑張って入れてます。話の筋を簡潔にまとめるのが昔から大の苦手なんですよ。全然分かんなかったらすみません。
 今までのモーメントはこれ↓
https://twitter.com/i/moments/995558573286477824


●天沢夏月『七月のテロメアが尽きるまで』2018年、メディアワークス文庫
https://www.amazon.co.jp/dp/4048938533/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_IsNDDbKMNNMAN

 「七月」「テロメア」って概念が好きな上に、裏のあらすじを読んでえっなんか心当たりある……僕も友人と似たようなこと言ってる……と思って買ってたやつ。
 ひょんなことから落し物のUSBを拾った主人公が、クラスの人気者の女の子の秘密……記憶障害を患っている上、自殺願望を抱いていることを知ってしまい、なんとか彼女を救いたいとあがく話。
 天沢さんのは『サマー・ランサー』『吹き溜まりのノイジーボーイズ』を読んでて、ものすごく爽やか眩しい青春小説書く人だなあと思ってたんですが、これは、青春の苦さ、切なさ、儚さに全振りしたタイプの話でしたね……いやあ本当、この人は、お手本のような、青春の権化みたいな、とても綺麗な作風のひとなんですよ……。
 どうしても救えないことってのは確かにあって、それで無力感をこじらせるのも、わかる…………と思うし、どうしようもない、だから誰にも頼りたくない、早く終わらせたい、という刹那的な希死念慮もとても分かるのです。主人公とヒロイン、どちらの気持ちもとても刺さって痛いんです。この歳で刺さるということは、やっぱり僕は学生時代に心を置いてきてしまっているのでしょうね。
 天沢さんの作品には、「八月」がタイトルに入った作品もあるので、来月はそれ読みたいなあと思います。


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●北野勇作『この世界はなんだ!?じわじわ気になるほぼ100字の小説』2019年、キノブックス https://www.amazon.co.jp/dp/4909689362/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_ptNDDb0ZGT6PQ

 本屋で面陳されてるのが気になって、悩んだあげく一番好きな表紙のを選びました。
 「へんてこな世界」をテーマに、100字前後で書かれた超ショートショート集。笑えるもの、ロマンのあるもの、続きや真相の気になるもの、刃物を突きつけられるようにぎくっとするもの、などなどさまざまです。ものすごくスラッスラ読めます。なんたって、1話100字ですから。3と27、79が特に好き。挿絵もかわいい。
 他のバージョンを買うかどうか、未だに悩んだままです。ううん。



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●中村航『僕の好きな人が、よく眠れますように』2011年(2008年初出)、角川文庫https://www.amazon.co.jp/dp/4043944063/ref=cm_sw_r_cp_apa_i_rDNDDbD79R3BF

 ずっと昔に、表紙とタイトルに惹かれて買って、これまで読まずに、でも手元に残してきた本。ぶっちゃけあらすじがあんまりビビっと来なくて……それでも買う&売らずに積んでおくくらい、表紙とタイトルが好きだったんです。買ったの、ヘタしたら高校の時とか……?
 一言で言うと、単身赴任の人妻と不倫する話。びっくりした。不倫ですから、主人公たちの言動や話の展開には何度も嫌悪感を抱くんですけど……一方で、情景描写が、とんでもなく綺麗なんですよ。何?
 いやほんと、混乱するんですよ、綺麗なものと汚れた関係が共存してるから。また主人公たちも、自分に酔ってるというか、「自分たちの関係は美しいものだ」と心底思ってる節があるので、なんでしょう、その幻想と情景描写が、余計に不倫という醜を浮き彫りにして、読んでてめちゃめちゃ悲しかったです。読みながら、哀れんでいたのかもしれません。主人公も、人妻も、地方の旦那も。
 すごい話でした。すげえや。かえって、成人した今、読めてよかったのかもしれませんね。

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 8月への繰り越し本は、
フランツ・カフカ著、原田義人訳『城』1966年(1922年初出)、角川文庫
 今月こそは、読み切ります。あと3分の1くらい。読み始めたらある程度引き込まれて進むんですけど、読むまでにヨイショがな……。漱石先生といい、私はなかなか進展のない話が苦手なようです。(漱石先生は、クライマックスになって急速に面白くなるイメージ)
 もう今年も後半も1ヶ月終わったのに、読んだのは25冊……今年の目標は50冊。もうちょいペース上げられたらな、と思います。

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