砂沼から言葉歩いて-2020-8

砂沼から言葉歩いてー2020
2020　第六巻　 1月から12月 　2010年3月　脳梗塞から九年目　失語症・言語発達障害・　聴覚障害高次脳機能障害・発声発語・感覚障害

砂沼から言葉歩いて-2020-8

俳句

⦿ほろ酔いの夏の縁日テラス席　俊克
●恐竜がコロナ注意の夏の駅　俊克
⦿第二波は背中合わせの夏リスク　俊克
⦿深刻のコロナ中傷遠花火　俊克
●居酒屋が夏のランチのオフィス街　俊克
⦿竿燈の提灯明かり絵の牡丹　俊克
⦿寂しさに市民プールのコロナかな　俊克
⦿代行の帰省自粛は盆休み　俊克
●立秋やドクターヘリで熱中症　俊克
⦿秩父路に皮ごと食べる葡萄園　俊克
●走らせた路面電車や原爆忌　俊克
⦿秋麗獅子舞トラム走り抜け
●台湾のコロナ対応竜田姫
●空を見て町の親子の盆踊り　俊克
●コロナ飛べ手筒花火のグラウンド　俊克
●鎮魂の花火祈りの夜空染め　俊克
●実をもぎり玉蜀黍の熟し食べ　俊克
●里芋の淡い黄色に花が咲く　俊克
●昼カラが唯一生きがい酔芙蓉　俊克
●生身魂今年は無理とコロナかな　俊克
●換気して写経道場盂蘭盆会　俊克
●日が沈み短冊探し盆迎え　俊克
⦿コロナ禍の精霊流しもやい船　俊克
●八月や開花の酒のテキラーナ　俊克
●注文の電話が鳴りや桃贈る　俊克
●海亀がふ化した波の海原へ　俊克
⦿送り火がコロナ花火の唐津城　俊克
●送り火の焦がす炎の弧を描く　俊克
●スナネコの砂漠の天使朝月日　俊克
●取り戻し太鼓囃子の立佞武多　俊克
●木漏れ日に薄紫の夏蝦根　俊克
⦿豊漁をカラフトマスの秋の海　俊克
●驚いて極楽鯊の夜明ダム　俊克
●コロナ禍に役立てマスク漆の実　俊克
⦿落水の龍頭の祈り滝踊り　俊克
⦿八段に秋の出てくる詰将棋　俊克
●肉眼で秋の産卵カブトガニ　俊克
⦿鮮色の迫って武者絵佞武多かな　俊克
●山越えの逃げ水晴れて吹き下ろす　俊克
⦿花火揚げコロナ復興つくば色　俊克
●新米の料理で上がる消費量　俊克
⦿赤き実を背伸びもぎ取りりんご園　俊克
●秋上り湿った岩の稚魚左右　俊克
⦿一口の栗羊羹は午後三時　俊克
●アマビエの山寺図柄野の錦　俊克
●まいかいね囃子いっぷく風の盆　俊克

短歌

⦿速報のコロナ感染あちこちに
発熱頭痛第二波懸念　俊克

●キョロロロと迷って鳥がぶつかった
目を開け回復赤翡翠　俊克

●銀座の歩行者天国五十年
マスク家族の夏の休日　俊克

●研究の混ぜる砂糖の酵母菌
アルコール製造消毒用　俊克

●描かれた飛鳥時代の菩薩像
黒くすすけの太い筆線　俊克

●寄付があり花火消さぬの復興を
協賛金の女神湖花火　俊克

●西村の沖縄懸念何もせず
厚労省の対策当たる　俊克

⦿真夏日の涼む親子は虹が出た
噴水日差し厳しい暑さ　俊克

●幽霊の憎み死んで黒々と
一文銭の幽霊の髪　俊克

●鳴き砂のパドルを漕いで琴ケ浜
沈む夕日が綺麗な空へ　俊克

⦿市役所に爆破予告のメール来る
市と鉄道と仕掛け爆弾　俊克

●幸せがバッタ二匹のピンク色
孫に囲まれ十分幸せ　俊克

●圧倒し二冠獲得秋将棋
体を揺らし将棋取り組めた　俊克

⦿コロナ禍の訪れ海にパトロール
行方不明の母の早とちり　俊克

●龍胆が浄土平の登山者に
花に見入って涼風揺れる　俊克

⦿文字を描きレコード盤のマンホール
スマートフォンの古関のピアノ　俊克

●犯人の激しい痛みやけど虫
体液残り洗い流して　俊克