なの日記「読書後ハイ」

久しぶりに一つの小説を読み終えた。
小説を読み終えた後のハイな状態を久しぶりに体感している。

今回読んだのは
森見登美彦さんの「四畳半神話体系」という本

友人が非常に気に入っている本で、話でもよく出てきており、前々から気になっていた。ただ、鬱になってから本を読むのが辛く、活字から距離を置いてきていた分、読み切れるのか不安もあった。
まあそんな事忘れてたよ、って言えるぐらいスルスルと読み終えたのだが。

読み終えた感想として
素直に面白かった。

事前情報は少しあった。腐れ大学生の四畳半の下宿にて繰り広げられる話であったり、Webの検索結果から登場人物像のキャラクターイメージを見ていた。また、著者原作の「夜は短し歩けよ乙女」や「ペンギン・ハイウェイ」の映画を観た事もあり、多少飛んだSFのような奇想天外な所もあるのだろうと踏んでいた。それら事前イメージのおかげか、すごく読みやすく、知らない言葉や表現があっても心にスッと入り込み、著者のファンになるしかなかった。

始め1ページ目の、“鏡を眺めるたびに怒りに駆られる。なにゆえおまえはそんなことになってしまったのだ。これが現時点におけるおまえの総決算だというのか。”という言い回しでもうすでに心奪われた。そこからは勢いよく読み進められた。何ヶ月ぶりの読書なのかわからないが、こんなに活字を読めるのも本当に久しぶりだった。全く苦なく読んでしまった。

この本では実際にある地名などが多く出てくる。今まで聖地巡礼なるものをした事がなかったが、今すぐにでも京都へ行きたい。鴨川デルタを見て本を読み、あぁここで、なるほど、とマスクの中でニヤつきながら周囲の人々に不審がられない程度に満喫したい。

惹かれる言い回しも多く、メモ帳にいくつか残しておこうと思った。また、馴染みのない単語も多かったから、学びとして単語帳を書き残したい。そのためにはまた読み返さなければいけないが、全く苦でなく、寧ろ今もうすでにもう一回読みたいと思っている。読書後ハイなのかもしれないが…。この言い回しや表現に友人も惹かれたのかなと思ったが、真意については本人と語り合いたい。この読書後ハイほかほかの状態で。

各章のタイトルもよく、それぞれも繋がりもすごく面白い。前章で出てきたものが異なる形でも繋がるように登場するのが凄すぎる。語彙力のなさに嫌気がさすが、本当にすごい。意味がわからない。どうやったらそんな濃厚に、でもすれ違うように物語を進められるのだろう。意味がわからない(好き)。

今気づいたが鬱持ちでもこれだけ読み進められたのは、物語の繰り返される箇所で少し力を抜く事ができたから、という理由もありそう。おかげで疲れ切ってしまう前に集中力が勝てたように思える。



読書後ハイは凄いな。
気持ちをここまで吐き出したくなるものか。


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