物流現場の歩き方
はじめに
物流現場には何かしらの現場巡回という活動があると思います。
現場を歩いて見てまわるということになると思いますが、
さて、どう歩く?いつ歩く?どのように歩く?
現場を歩く理由
そもそも見回るということは、「異常がないように歩いて見て回る」ということです。
異常とは、「いつもと異なっていることがないこと」です。
現場を実際に見ることで、変化点がないかを確認するのですが、大切なことは、どうすれば変化点に気づくことができるかです。
変化点を気づかずに放置すると「異状」になります。
「異状」とは「普通とは違った悪い状態」の事をいいます。
変化点に気づく
たまに眺めるだけで変化点に気づくことはできるでしょうか?
変化点を知るには一定の基準(ものさし)を持つことが大切です。
毎日決まった時間に定時観測することで、基準を持つことができます。
基準ができたら、時間を変えて基準とのずれを見つけることができるようになります。
現場を歩く時間を意識的に変えることで、作業者の変化に気づくことができます。例えば、作業の蓄積疲労、集中力が下がる、緊張感が下がるなどに気づくことができます。
変化が現れる時間
連続作業になる作業の終盤の時間、
業務開始後60〜90分後の9:30頃、
昼休憩後60〜90分後の14:30頃、
定時30〜60分前の16:30頃、
などは、事故の発生履歴を振り返ると比較的事故やミスの発生頻度が高い時間帯だと思います。
この時間帯を活用することで、変化に気づき、事故やミスの未然防止につなげることができるとよいですね。
作業者の心理
管理監督者が、たまに眺めに来るだけの職場。
毎日、朝礼後に急ぎ足で見回り、事務所に戻ってしまう職場。
作業者は自分たちのことを見てくれていないことを知っています。
大方、質問をすると、「ほったらかし」というワードが出てきます。
現場を見ない管理者の現場
たまに思い立って、仕事ぶりをみようとすると、作業者は見みられることに慣れていないのでよそ行きの態度をとり、ぎくしゃくした動きになります。
心理としては「何をチェックしに来たのか?」「今日はどうしたんだ?」と見られている間だけ、取り繕った動きになります。
管理監督者は、その変化点に気づくこともできないため、「チェックをした」という妙な達成感で満足します。
見られていない現場
作業者の感覚は「見られていない時間は自分たちの時間」になります。
この時間では、油断や慢心から作業が雑になったり、手順飛ばしになったり、横着な行動、判断が現れてきます。
「俺の現場」「私のやり方」「自分らで判断」などが強くなり、作業者の感性により、現場の空気が変わってきます。
この空気が生まれると、管理監督者は今まで以上に足が運びにくく、変化に気づけないようになってきます。
物流現場の空気をかえる
物流現場は工程別に分かれ、個別の作業になりがちです。
作業者は「見られること」は嫌でも、「見てくれる」ことには好感を持っています。
「本当か?」といわれるかもしれませんが、実はそうなんです。
大切なプロセスは、
挨拶:「お疲れさん」、声をかける「仕事は慣れたか」「今日は暑いな」
アドバイスする:「その持ち方だと滑りやすいよ」
褒める:「オッいいじゃない」「一言いうとすぐ良くなるな」
見てくれているひとに褒められたことは続けます。
褒めたことを共有する:朝礼での気づきの一言などで「昨日〇〇の作業をみたら丁寧にやってくれていた。みんなも頼むな」
このプロセスができれば「見られたい」に変わります。
「見られる」ことが満足してくると、アドバイスや相談を聴く耳が生まれてきます。この人は、私たちを頼りにしてくれていると理解が深まります。
そして「見守られている」に深化していきます。
物流現場の歩き方ひとつで、職場が良くなっていくイメージが広がりませんか?
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