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供給に飢えたオタクと(ソロジャーナル)ゲームの救い

最初に

この記事は、ソロジャーナル Advent Calendar 2022の23日目の記事です。
※この記事には推しCPやTRPGの二次創作卓の内容が含まれます。
 

クリスマスが目前ですね、みなさんは喉から手が出るほど欲しい物はありますか?私は推しCP供給が欲しいです。
 目の前に推しCPをくれる悪魔が誘惑して来たら多分契約しちゃうぐらい推しCPが欲しいです。
昔は元気に推しCP二次創作をしていました。
それから色々あり、二次創作をする元気が失速したオタクとなって鍵アカでグチグチとTLに推しCPが流れてきたらいいのにな……と呟くだけのbotとなっていました。
 
今日はそんな私がソロジャーナルと出会い、目覚め、ソロジャーナル沼へとどっぷり浸かることになった話をしようと思います。

ソロジャーナルとは  

アナログゲームの一種。一人で遊ぶ。物語に使えそうな要素が書かれた表などが用意されていて、プレイヤーはサイコロやトランプを使用しランダムで物語の要素を表から拾っていき、物語を作っていく遊び。

ソロジャーナルAdvent Calendar 2022 企画ページ(https://adventar.org/calendars/7982)より

本来英語表記では「ソロジャーナリング」が正しいのですが、「ジャーナリングRPG」という大きな枠組みがあったり、日本での呼称が定まっていないので、今回の記事では「ソロジャーナル」という記述で統一しています。
上記以外にも他の方のアドベントカレンダーや、以下の記事やまとめもぜひご覧ください。

ソロジャーナル/ソロTRPGの話をしよう。
https://togetter.com/li/1885359  

簡単に説明すると、1人(ソロ)で書き物(ジャーナル)をする遊びですね。
もちろんソロではないジャーナリングゲームや、ソロTRPGと呼ばれる物もあり、海外にはたくさんの種類のソロで遊べるアナログゲームがあります。
 

出会い  

TRPGのように卓上で遊ぶアナログゲームに含まれるので、私はこれらのゲームを海外TRPGを紹介するフォロワーさんやネット上の紹介記事で知りました。

本格的にソロジャーナルのシステムをダウンロードし始めたのは2021年の5月頃でしょうか?
その時はTRPGにのめり込んでいたのと、海外産のソロジャーナルが多かったので、翻訳に手間取りどうしても遊ぶのが遅れていました。
また、一次創作のように文章を書くのは腰が重く、その時はうまく書き進めることができませんでした。

二次創作と卓上ゲーム

その頃の私は、公式のサプリメントで既存のキャラクターになりきって遊ぶための約束ごとがサポートされた『アンサング・デュエット リプライズ』に夢中になっていました。

二次創作ガイドラインを確認して、公式の著作権を侵害しないようにこっそりと仲間うちで推しCP卓を遊ぶことで、メジャーではないCP(マイナーCPと言いたくないためこのように表現しています)の濃厚な供給と、自分一人では最後まで書き切ることはできなかったであろう物語を浴びて呆然とした多幸感に包まれていました。  

具体的に言うと、脳内で妄想していた願望が突然はっきりとした形(ログ)になって空から降ってきたような驚きでした。
ココフォリアの雑談欄で「推しCPにこうなってほしい!!」と相談した内容がメイン欄に発現します。
それでいて、自分達にも推しCPがどうなるのかわからないというダイスの出目によるランダム性が発動します。

隣の部屋で突然推しCPが「自分たちに都合のいい展開をしつつも、今後どうなるのかわからない」という状況になり、フォロワーと一緒に耳をそばだてて聞いているような感覚でした。

色々あって精神をグニャグニャにして泣き暮らしていたオタクの前に突如、高濃度のhappy推しCPが現実に展開され、興奮でわき汗が噴き出し数日はうなされていました。
急激な新規供給でうまく消化ができずに腹痛を覚え泣きながら
「嬉しい……幸せ……」と布団の中から呻いていました。

気づき  

それまで私「ソロジャーナルは一次創作でする物」という固定観念がありました。
せめてTRPGアカウントでプレイログを公開する時は、遊びながら新しくPCを作るか、もしくはTRPGで作ったPCをコンバート(特定のゲームシステムに置けるキャラクターやアイテムなどのデータを他のシステムに変換して遊ぶ方法)をして遊ぼうと考えていました。

その縛りのせいか、バンドル(複数のゲームをまとめて買うことができるセールのようなもの)で買ったソロジャーナルも積んでいました。  
しかし、推しCP二次創作卓で数年振りに好きな作品の二次創作供給を大量に浴びた私は、ジャーナリングゲームの山を見た時に
「この世界観……推しCPに合う」と気づいてしまいました。  

誰にも見せない自分だけの日記なら、海外のゲームも翻訳はそこそこに遊んでもいいのでは?悪魔の囁きを聞いた気がしました。
何故なら私は、今までキャラクリエイト要素のある電源ゲームで、版権キャラを再現して遊んだり、恋愛要素のある電源ゲームでは推しCPのキャラを作って見守ったりと同じような遊び方を既にしていたからです。

まずは無料のゲームをGoogle翻訳やDeepL翻訳を使い、簡単に訳しながらWebのダイス、トランプツールを使いプレイが始まりました。  

ダイスを転がすだけで、自分の頭の中に無い推しCPの行動が目の前で生成されていく。
自分はそれを眺めながら好きなように文字に書き起こす。
先の読めない展開をどのように自分の趣味とつじつま合わせて終わらせるか、それだけを考えて遊んでいるだけで推しCPのログができました。  
数年ぶりの自分一人(ソロ)で生み出せた推しCPの展開に思わず
「あっ……ぉあ~~………」と泣きながら頭の中で何かのスイッチが入りました。

夢中

私は部屋で埃を被っていたポケット英語辞典と電子辞書を引っ張りだし、海外ソロジャーナルの翻訳を始めました。
その頃になると自作の1ページソロジャーナルや1ツイートソロジャーナルを作るようになっていました。

以下は無機物となって推しCPを見守りたいという気持ちから生まれた自作ソロジャーナルです。


また、日本産のソロジャーナルがどんどん作られていくようになり、国産のルールが読める作品なら気軽に遊べる!とこっそりと推しCPで遊んだログを鍵アカに載せるようになりました。
その結果、人生で最も伏せったー投稿数が増える月を更新しました。
今までの4倍の数の伏せ投稿が生まれました。

これまで文章を書く創作をしてこなかったのでとんでもない快挙です。
ダイストランプタロットカードなどのランダマイザ(ゲームにおけるランダム要素を発生させるもの)と新しい英語の辞書も買いました。
すごい行動力です。
 

ソロだけど、ひとりではない  

ソロジャーナルのおかげで供給不足を嘆いて暮らす日々が終わった……
推しCP自給自足サイクルが生まれた……かのように見えました。
ダイスを転がすかトランプを引けば、目の前で推しCPが自分の想像以外の行動をしてくれる。
自分の脳みそ以外から生まれた推しCPを好きな時間に眺めることができる。 今までにない多幸感に包まれ、積極性が増し、気がつけば自分から二次創作の企画を立ち上げたり参加するようになっていました。

そうして好きな作品の二次創作卓ログを鍵アカに載せているうちに、新しくフォロワーが増え、毎日はしゃいだ結果、TLにフォロワー産の推しCP呟きが投稿されるようになりました……  

じ、自分作以外の!!ソロジャーナルのプレイログ以外の推しCPが……!!  

こんなことって、こんなことってあるんですね……
わっわっとはしゃぎながら、気がつけば自分もちょっと健康的に
好きなCPについて楽しく話せるようになっていました。  
令和に私の好きな作品で推しCPが増えると思ってなかった……!!嬉しい……と幸せな気持ちになりました。
 
ソロジャーナルで好きな展開の文章を作って遊ぶことができるので
「今後は一人きり(ソロ)でいいと自己完結して殻に閉じこもる」のではなく、ソロで遊んで楽しかったプレイログが他の人にも伝わるという体験をしました。  

最初にソロジャーナルを知ったきっかけも、TRPGなどのトークゲームの縁から始まったものです。
人と関わる苦手意識が薄れたのも、一緒に遊んでくださった方たちが楽しい時間を過ごせるように互いに歩み寄った結果です。  

確かにソロジャーナルなら他者と時間をすり合わせる必要もなく、自分の自由に展開を描写できるのでTRPGよりも遊ぶハードルは低いです。  
しかし、今後TRPGをしないのかというとそうでもない。

ソロで遊べるから他者は必要ないのかというと、そんなことはないです。
そもそも、ソロジャーナルという誰かが作った文章を手にして読んでいる時点で、間接的な他者と関わっていることになります。

「ソロ」と名の付くゲームは、間接的にはソロゲーではないと思いました。これからも誰かと交流するゲームと、ソロゲーバランスよく遊んでいきたいなと思いました。

創作の段階を踏む

今ではオンラインで遊ぶ環境があれば、毎日でもTRPGをすることが可能な時代となりました。
しかし、毎日TRPGをしていると慣れや疲れから失敗をしてしまうこともあります。  

また、急にTRPGの予定が無くなったり、このPCでもっと遊んでみたいけど予定や時間が無いという状況があります。そんな時にソロジャーナルにTRPGで作ったPCをコンバートして1人で遊んでみました。  

今までは絵を描く二次創作の経験しかなかったので、ログを書くことに苦手意識があったのですが、二次創作ソロジャーナルをたくさん遊んだ結果、脳内にソロジャーナル筋のような謎の回路が生まれました。

そもそもソロジャーナルは遊びなので、しっかりとした形式の小説を執筆しなくてもよいのです。
気軽に箇条書きで書いてもいい。
ダイスやトランプの結果を紙にカリグラフィやイラストのように描いてもいいのです。
なんだったらログを書かずに遊ぶだけでもいいのです。

「楽しかった出来事は後で振り返りたくなるから何か形に残しておこう」
それぐらいの気軽さで遊んだ結果、TRPGのPCでもソロジャーナルのプレイログを書くことができました。

その後、複数システムを遊んでいくうちに、そのシステムのために新しいPCを作って遊びながら文章を書くという遊びもできるようになってきました。これは、私からしたら無から文章創作ができたような興奮でした。
(ソロジャーナルという補助輪がある状態なので、完全な無からの創作ではないのですが……)


感謝 

誰かと一緒に遊ぶのはとても楽しいです。
しかし自分のようなタイプの生き物は人と関わる時間が多すぎるとどこかで息切れを起こしてしまいます。
そんな時にひとりで遊ぶことが前提のゲームの存在は、
「ひとりもいい」と許されているような安心感があります。
 
他に人がいないから仕方なくひとりで遊ぶのではなく、
ひとりであることが前提のシステムを遊ぶのは、ひとりで遊ぶ意図があって好きです。
 
「ひとりで楽しむため」に設計されたゲームシステムを作ってくださるクリエイターさん、海外のゲームを翻訳してくださる方、紹介してくださる方、皆さんこれからもありがとうございます。  
ひとりで遊んだ結果、大勢の方とのつながりが生まれ不思議な気持ちでいっぱいです。 
特に英語圏のソロジャーナルで、日本語圏のオタクの私が推しCP供給を浴びて深夜に泣いた時は、こんなことってあるものなんだなあ……と仰向けで世界に向けてありがとうを言いました。
 
これを見ているメジャーではないCP(マイナーCPと言いたくないためこのように表現しています)を愛好する誰かに、こんな方法で推しCPの供給をこっそり浴びることができるかもしれないよと悪魔の囁きができたら幸いです。


実践編

推しCPで遊ぶソロジャーナル作品が気になる方向けに、オススメの作品をまとめた記事を書きました。


おまけ

以下は蛇足ですが、創作時の私の思考の変化についても残しておきます。
TRPGで遊びたての頃、RP指針に「このPCだったらどう考えるか?」という思考で遊んでいました。
その時に参考にしたのは今まで見聞きしていた小説、漫画、アニメ、映画などの娯楽作品でした。

自分の人生経験からのみ行動を考えると、参考にできるRPに限界が出てきます。
PCに近しい 既存のキャラクターを思い出し「あのキャラクターならこんな時こうする」という思考で遊んでいました。
 
生み出したPCはあくまでもそのシステムのために一から作ったPCですが、キャラクターの思考や行動指針には今まで触れてきた多くの作品のキャラクターや展開が含まれており、自分の人生経験のみで最後まで行動できたセッションはなかった……と思います。
 
TRPGやソロジャーナルのおかげで、一次創作や企画に近い遊び方には慣れましたが、きっと何かしらの形で無意識の二次創作のような遊び方もしていくのだろう。(意識して似せないようにする注意しようと思います)

そして一次創作のような遊びを続けるためにも、今後も二次創作の思考を大事にしていくのだろうなと思いました。



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