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想いと行動が一致するとどんな相手にもそれが伝わるし、その想いの本にある顔になる

先日の記事で墓参りすることを決め、このあいだ父方の墓参りに行ってきた。
ちょうどそっちの方面に用事があったので、行っちゃえ!ということで。
これまでは家族と墓参りに来ていたから車で快適に移動していたけど今回は一人なので電車を乗り継いで移動。
「じーちゃん、ばーちゃん行くからね!」と心の中で声かけてワクワクしていた。

最寄り駅からお寺までは少し距離があるので前日からタクシー配車アプリを用意し炎天下の中歩かなくていいように準備していたのだけど、いざ使ってみるとキャンセルされまくり…
これは歩いて行けということか、と腹を括る。

空には元気いっぱいに燃えている太陽
日差しがチクチクと肌を刺し、毛穴からぷっくりと汗が出てくる
スマホからは何段あるのか分からない上り階段へ向かうように指示され

「それでもお前は来るのか?」

と自分の覚悟を試されているように感じた。
この感覚になったのは戸隠の奥社に向かった時以来。
「お墓の前で感謝を伝えてペラペラ喋りながら一緒にフルーツを食べるんだ!」という確固たる目的があったので、むしろ歩みに熱がこもる。

汗だくになりながら階段を登り、ふと振り返るととても見晴らしが良く気持ちのいい夏の景色が広がっていた。
これはタクシーに乗っていたら見られなかったなあ。

スマホに「ほんとにこっちで合ってるの?」なんて不安になりながら聞きつつ進み、分岐点では画面とにらめっこする。
そんな風に進みながら無事にお寺に到着。
”はじめてのおつかい”で目的地に着いたような達成感を感じた。

お墓に到着して
「来たよ~」と言ったら涙が溢れてきた。
戸惑うくらい涙が出て止まらない。鼻水も出てくる。

「今日は一人で来たよ、こんなに大きくなったよ。」
「このお花私が選んだんだよ。どう?」

とかいろいろ、小さい私がペラペラ喋りだしていた。
祖父後が亡くなってから気が付いたこと、照れくさくて話せなかったことを今になって沢山話した。
そして、生きている間にちゃんと伝えられなくてごめんねと謝った。

「ここから毎日どんな景色を見ているの?」
「死んでから反省したこと、子孫に残してしまった後悔とかあっても大丈夫だよ。皆ちゃんとそれを解消して生きていくからね、気にしないでね。」

とも伝えた。
というのも、誰かのブログで「ご先祖様は許されたい」という記事を読んでから事あるごとにご先祖様を安心させたい思いで口にしているのだ。


そういえば、昔から目の前に見えない何かともフランクに話していたなあと思い出した。
自分にとっては「見えている」のも「見えていない」のも関係ない。
ただ伝えたいから伝えるし、やりたいからやる。
だから今回は一緒にカットフルーツを食べながらひと時を過ごした。
「美味しい?」と聞けば上から小枝が降ってくる。
味が薄くなったスイカを口に含み、「あ、これ食べたんだね。」と言えば蝶が舞う。
墓場でのコール&レスポンスを楽しんだし、案外祖父母含めたご先祖様のノリが良いことに気が付き、笑った。

『え?もう帰っちゃうの?』
と帰り支度していると心の中に声が響く。
これ、ばーちゃんがよく帰る間際に言っていたフレーズだ。
子供の頃は当たり前に聞いていたけど、もうそれも聞けないしあの家もないんだよなあ。
そんなことを思ってまた涙と鼻水がでちゃった。


お別れを言って、来た道を戻る。
途中、ふさっとした灰色の毛が視界の端に映る。
ん?と思ってみると、野生のリスと目が合った。
うそだろ、こんな住宅地でリスと遭遇するなんて…

あんまりじっと見るのもリスに悪い気がして目を逸らして歩き出す。
今回ご先祖様と沢山話したからなんかのメッセージな気がして調べてみた。
なるほど、めちゃくちゃ嬉しいプレゼントをいただいた。
ありがとう。
やっぱりタクシー使わなくてよかったよ。


駅のトイレの鏡に映った自分は頬っぺたを真っ赤にして沢山汗をかき、髪の毛も汗でしっとり肌に張り付いていた。
でも、とてもスッキリした良い表情をしていた。
日焼けだなんだ、暑いだなんだっていうことも気にせず夏の恵みの中で遊びまわっていたあの頃の自分の顔だった。











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